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窓辺より

 窓辺に寝転び空を見上げた。青空だった。空はあの時と同じくらい綺麗だった。忘れたくなくてずっとずっと心の中の宝箱に大切に仕舞い込んだ。時々思い出して心の中の宝箱からそっと取り出してみる。少しほこりが被ってはいたが、まだ壊れていない。ひびも入っていない。色褪せてない。一安心した。ホット一息ついた。ほこりを取り除きもう一回ゴロンと寝転び直した。今の空とあの時の空を見比べた。どちらの空も綺麗で見飽きず好きだ。しかし、あの時の空には思い入れがあった。泣きたくなる程綺麗で切なかった。お別れ日和な空だった。

 今の空はお別れ日和より出逢い日和な空だ。何もかも飲み込みそう。泣きたくなる程の空というよりは誰か大切な人とたわいない日常でも笑い合いたくなる空。今の空も何年か経過する頃には心の中の宝箱にそっとほこりを被って入ってるのかな。そして、また思い出して心の中の宝箱から取り出して見比べるのかな。

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