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ひまわり

 幼き頃はひまわりの花が一番大好きだった。太陽の光を目一杯浴びる姿。背を高くして咲く姿。どの花よりも色鮮やかでいつ見ても笑顔と元気を与えてくれる姿。その姿があの子と似ていた。そんなひまわりがあの子が大好きだった。毎年夏休み中にあの子とひまわり畑に行くことが楽しみだった。

 現在になって大人になってあの子とひまわり畑に行くことがなくなった。あの子とひまわりの花が苦手になった。嫌いになった。太陽の光を目一杯浴びる姿。背を高くして元気に咲く姿があの子と重なり眩しく見えた。妬ましく見えた。どの花よりも色鮮やかに存在する姿もあの子とそっくり。

 うっすらと冷気が心の中に流れる。暑いはずなのに、熱中症警戒アラートが出てるはずなのに心だけが涼しくなる。寒くなる。心に小さく黒い醜い穴が出来る。ポツリポツリといくつもの穴が出来る。穴にいつまでも冷気が流れ込んだ。

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