妄想の絵描き

趣味で絵を描いています。絵には大抵は人物がいます。風景であっても人がいることでドラマが…

妄想の絵描き

趣味で絵を描いています。絵には大抵は人物がいます。風景であっても人がいることでドラマが生まれるからです。そのドラマはあなたが描いてみて下さい。 ギターの弾き語りもやりますが下手です。でも好きなことなのでやり続けています。

最近の記事

鳥かご(ショート・フィクション)

◆イントロ 厭な夢を見た。 今しがた見た夢を反芻しながら、何がその夢を見させたのか考えている。 気がつくと自分の枕元に外国人の女兵士が窓の外を見つめながら立っていた。何か叫ぶとバズーカ砲のようなもので、狙いを定めている。 ここから攻撃をすれば、反撃を受けることは容易に想像できる。 私は咄嗟に身構えようとするが、体が動かない。ここは既に戦場になったという既知感が襲いかかってくる。もう逃げられないのだ。これまで何度も見た夢の中で、ついに銃殺される最後の瞬間の、あの切羽詰まった感じ

    • 八月の濡れた砂2024♫

      題名に「八月の」が入った楽曲はいくつかありますが、八月の「夜」「雨」「恋」と言った所が定番でしょうか。そこへ「濡れた砂」という生めかしい質感の言葉が続くとなんとも感情が刺激されます。 これは1971年の日活青春映画の題名であり、石川セリがその主題歌を歌ってローカルヒットさせました。 映画の内容は、夏の終わりの気だるい海を舞台に若者の鬱積した情熱がぶつかりあう青春群像ですが、暴力的な映像に対して、この曲のエキゾチックな哀愁がなんとも言えないコントラストを醸し出していました。 この時期になるといつも歌いたくなり、今年も遥か昔の青春に思いを馳せています。

      • ジャズライブ in ギャラリーカオル

        10年ほど前に友人(同じ会社のOB仲間)が横浜にギャラリーを開きました。 正確にはその友人の奥様(薫さん)がかねてからの夢を叶えて開いたギャラリーなのですが、音楽好きのご主人といっしょに様々なイベントを取り込み、JAZZライブも人気イベントとなっています。 私はここを現役引退後の遊び場として絵画展や音楽鑑賞会などにうつつを抜かしている次第ですが、ある頃からここで出演したアーティストを描くのを楽しみにするようになりました。そのメンバーの次回の出演の際には、ステージの後ろの壁に絵

        • 真夏の子守歌

          ガーシュインの名曲「サマータイム」はジャズスタンダードとして色々アレンジされていますが、原点の子守歌として歌ってみました。 幼子の寝息に寄り添うようにシンプルなギター伴奏にして、合わせるメロディーは心地よく届くように。 この曲は綿畑で働かされていた黒人達の土の香りがしますが、日本人の郷愁にも結びつくものを感じます。 「夏の収穫は上々、みんなご満悦だ。ちょっとリッチなパパも綺麗なママも、お前がやがて飛び立つ日が来るまで傍にいるから安心してお休み」 とても優しい夏の詩ですね。

        鳥かご(ショート・フィクション)

          四月になれば彼女は

          映画「卒業」の中で流れる美しい調べの曲です。当時サイモンとガーファンクルの美しいハーモニーと唯一無二のギターサウンドに憧れたものです。 しかしどうやったらあのクリアーで洒落た音が出せるのかは謎のままでした。 現在ではYoutube等に弾き方の指南ビデオが沢山投稿されていて、 「なーんだ、そうやるのか」で解決してしまいます。 でも同じレコードを何度も聞いて耳コピするのも音楽耳を鍛えるのに良い練習法だった気もします。

          四月になれば彼女は

          四月になれば彼女は

          クリスマスソングの季節

          「Have yourself a merry Christmas」という有名なクリスマスソングがあります。戦時中のアメリカ映画「若草のころ」の中でジュディー・ガーランドが歌った曲です。家族が成長して離ればなれになることを悲しむ妹にやさしく歌いかける曲として心に残ります。 その後フランク・シナトラなど沢山の歌手が手掛けており、クリスマスソングのスタンダードとなっていますが、どれを聞いても暖かい気持ちに包まれ、この季節になるといつも聞きたくなる曲です。 今回は、この曲をギターで演奏するのですが、単純にメロディーを追いかけるのではなく、コード進行に沿って各コードに含まれるメロディに近い音を拾いながら弾いてみました。

          クリスマスソングの季節

          クリスマスソングの季節

          憂い顔のエバンス

          憂い顔のエバンス

          フライミー・トゥーザ・ムーン♬

          月が美しい季節になりましたね。 夏目漱石が「I love you」 を 「月がきれいですね」 と和訳したことが話題となり、傍らの相手はどう 答えるかという大喜利スレッドが盛り上がりました。 「死んでも構わないわ」というのがインパクトの ある直球回答でしたが、ちょっとお洒落に歌で返 してみるなら、こんなのはと思いました。 Fly me to the MOON♬ 「私を月に連れて行ってよ。星の間で遊び、 木星や火星の春はどんな風か見てみたいの。 別の言い方をするなら、私に腕を回して キスしてちょうだい。」 そんな歌詞を楽しみながら、古いフォークギター を弾いてみました。

          フライミー・トゥーザ・ムーン♬

          フライミー・トゥーザ・ムーン♬

          栄光と翳りの狭間に

          栄光と翳りの狭間に

          「マリアエレーナ」ギターソロ

          メキシコの大統領夫人マリアエレーナに捧げられた曲として今に残っている。ライ・クーダーが弾いていたのがアンダルシアを想起させるので耳コピして弾いてみた。

          「マリアエレーナ」ギターソロ

          「マリアエレーナ」ギターソロ

          アンダルシアの夢

          アンダルシアの夢

          夏の終わりの海

          君は海派?山派?と聞かれたら、迷うことなく「がち海派だよ」と答える。 これはおそらく、幼少、少年期にどんな風土で育ったかで決まってくるの だと思う。 毎日山を眺め、その懐で育ったならば、山に抱かれている安堵感がその人 の感性を育むはずだ、と今は高尾山の目の前に住んでいるので良く分かる。   自分は大人になるまで、とりわけ海のすぐそばで育ったわけではないが、 頭の中の絵日記に描いてあるのは山ではなく、海ばかりだ。 父親に連れられて釣りにいった横浜港のヨットハーバー、京浜急行で三

          夏の終わりの海

          黄泉がえりの季節

          都会で核家族の子供として育った私は、お盆の行事の原体験が無い。 そもそも守っているお墓もなく、先祖との接点は仏壇代わりの棚に あった祖父と祖母の遺影のみだった。8月のお盆もどこか別の世界 の出来事のように感じていた。 そんな少年にとって黄泉の世界から死者を取り戻すお話に原体験的 なイメージをくれたのは映画「黒いオルフェ」だった。後になって とてもヴィヴィッドなカラー映画であったことを知ったが、当時、 白黒テレビの名画座で見たので、モノクロのイメージである。 モノクロのリオのカ

          黄泉がえりの季節

          黒いオルフェ

          子供の頃モノクロで見た「黒いオルフェ」は都会育ちの私には お盆と重なる記憶として残っています。(それについては別投稿で。) 死者の黄泉がえりという世界共通のテーマもさることながら、 ルイス・ボンファのやさしいメロディーは何故か昭和歌謡の匂いがします。

          黒いオルフェ

          黒いオルフェ

          妄想の騎士

          ラ・マンチャのドン・キホーテが好きだ。 狂った老人に見えるが、彼は何が真実かを知っている。 自分が見ている世界こそ真実であり、そこには正しいも 間違いも無い。