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最後から2番目の「恋物語」じゃなくて「挑戦物語」です。62

屋根や雨戸に打ち付ける雨の音がいつまでも続き、時々雷もなっています。

明日の朝には止んでくれるかなぁ。
電車は止まりませんように。
玄関からタクシーに乗るまでに濡れないように、ウインドブレーカーを着よう。
電車が止まって帰れなくなったらホテルに泊まってもいいようにお泊まりセットもリュックに入れなくちゃ。

色々考えてなかなか寝つけません。

気がつくともう朝、時刻は6時になります。
車椅子のまま乗れるタクシーを9時に予約してあるので、出発まであと3時間です。
「よし、戦闘開始!」

まず、妄想シェアハウス同居人の夫の洗濯物を回します。
夫の洗濯物を一緒にしたくないということではありませんよ(?)
夫は柔軟剤がダメなのでいつの頃からか別洗いになっています。

洗濯機が回っている間にに身支度をして、(これが結構な時間がかかります)「おはよう」とリビングへ。
リビングに行くと夫はテレビを見ています。
日曜日の早朝に昔のドラマや映画を放送しているようで、楽しみにしているみたいです。チラッとこちらを見て「おはよう」というと、あとはテレビに夢中です。

私は毎朝お決まりの野菜ジュースを一杯飲んで朝のお薬を飲みます。
さて、そうしているうちに洗濯機がピーピーピーとなりました。
夫は乾燥機もダメです。
なので、今日は当然部屋干しです。
でも、夫が自分で干します。思いっきり力を入れてピンピンにしわを伸ばすので、私のいい加減な干し方はお気に召しません。

次に私の洗濯物を入れ、洗濯乾燥コースを選んでスイッチを押します。
私は楽な方がいいので乾燥機は大好きです。ただ電気代がかかるので雨の日以外は使わないようにはしています。

着ていく服をなんとなく決めてありましたが、いざ合わせてみると、どうもピンときません。
あれやこれやクローゼットの中から洋服をひっぱりだし、ベッドの上に脱ぎ散らかして大変なことになってしまいました。やっと落ち着いたのはまぁ、いつもと大して変わらないスタイルです。
いちおうメイクもして、シミしわタルミをかえって強調。白髪隠しスプレーで伸び始めた根元の白髪をごまかして、お泊りセットやウインドブレーカー、傘、タオルなど持ち物チェック。
15分前に準備完了。電動車いすに乗り換えました。

よし、と思った途端にザァーっと強まる雨の音。
えー!
今降らなくてもー
あと15分で止んでー
お願いします。

必死の願いが通じたのか、
タクシーが到着した時は雨足も少し弱まりました。
おかげさまでそれほど濡れずに乗り込むことができ、いざ駅に向かいます。
今日のタクシーの運転手さんは
「いやあ、昨日は大変でしたねぇ、道路が冠水して・・・」
今回の台風で大変だったことをずっと話されていました。
大変なお仕事ですよね。ご苦労様です。感謝です。

駅に着いた時には雨は上がっていましたが、構内では台風の影響によるダイヤの乱れについて、ひっきりなしにアナウンスがされています。
ちょっと不安になりますが、いつものように駅員さんにお願いして電車に乗りました。

台風が近づいているこんな日にお出かけするなんて・・・
カッコイイ!と自画自賛の車椅子おばあちゃんです。
やっぱりへん?

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