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詩集 まほらの詩(うた)

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自薦の詩を載せています。 よりよい表現を追求しつつ編集します。
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2024年5月の記事一覧

詩 『抱えきれない物』

詩 『抱えきれない物』

週末の終わりの二日前
ぼろぼろに破れたリュックを降ろす

それは心のリュックだ
あれやこれや詰め込んで
たいそうな重さになってしまった

重たいから引き摺って歩く
ズルズルぼろぼろズタズタ
傷だらけで草臥れてしまった心

ほら ほら 明日から休日
やれ やれ 一日が終わる

何にもしないでいいんだよ
時間はたっぷりあるんだよ

そうだ呑もう
冷蔵庫に赤いワインが冷えている
私の熱い血のような色

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詩 ニュンフェ

詩 ニュンフェ

『 nymphё 』
妖精

春の風が吹いて
森の nymphё があちこちに現れます

若草色のなだらかな丘を登ると
やわらかな nymphё の裸体が
薄衣を透かして踊っています

光りにたなびく金色の髪
豊かな乳房
豊満な臀部

それ等は平和な面持ちで
わきだす泉のように
朗らかにうたい
愉しく踊ります

もう、私は去ることもなく
この場所を空を翳りをあびて

あまねく幸福のよろこびに
この

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詩 砂丘

詩 砂丘

『 砂丘 』

私達は もう、此処には居ない
あの白い砂丘に立ち尽くし
呼んでいる 

 風も 空も、眩しいすべてが
砂丘の空間を歩いている
無音の白い世界

エロチックに光る波
さらさらと抱かれる音
ざらざらと触れる肉体
眩しい白い足裏

流木が疲れた顔をやすめ
此方を見ている
滑らかなわたしの裸体を
虚ろにゆれるわたしの髪を
解き放たれた力強さを

私達は繋がっている
無意識の必然が
此処にあ

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