2024年2月の記事一覧
詩 『平和な午後に』
僕達はお互いの肉体を頬張り
少しの痛みと共に笑い合い
空腹を満たしていた
血は丸く膨らみ
ぽとぽとと滴り生温かい
嘆きは たおやかに震えて
僕達は
新鮮な果実のように飛び跳ね
お互いを貪りながら生きていた
例えば、一つの影と一つの影
例えば、二つの影と四本足
例えば…
平和な午後の穏やかな昼下がりに
誰かが坂道を登って行くように…
詩 『届けたい思い』
届けたい思いは
風のように
誰かの心に寄り添う
届かない思いは
枯れ葉のように
埋もれてゆく
一つ又ひとつ
灯されたそれぞれの思い
幾億の瞬きの下に
しあわせに息づき
小鳥のように寄り添う
あなたは私を愛していたの?
誰かが問いかけてくる
季節は移ろい色褪せ
鏡の向こうで鈍く光っていた
あなたは私を愛していたの?
透明な風がそよぎ
小枝を揺らし 私を揺らす
会いたい 会いたいと
小鳥の