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小説と映画と美術館

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2023年11月の記事一覧

正欲

正欲

書き出しから好みど真ん中だった。世間の既定路線からはみ出してしまっている者の生きづらさが鋭く、しかし粘り気なく描かれている。主人公の一人は自分がはみ出していないと思ってる側の人間なのも良い。

クリスマスの季節に恋人がいない人の居心地の悪さを濃縮して伸ばしたのだが、不思議とすっきりとしている。登場人物達の中で深く感情が渦巻いているのに対し、時間は機械的に進行している様に見せているからかもしれない。

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真赤な子犬読了

真赤な子犬読了

小説を読了した。手に取ったきっかけは思い出せない。たぶんふらりと立ち寄った本屋でタイトル買いしたと思われる。カバーを外すと表紙は特段好みではなかった。

1959年刊行。古い本だ。檸檬をいつか読みたいな、と憧れを抱いていたことを思い出す。なお、真赤な子犬はミステリである。

今とは違う言葉遣いで語られる本書はするすると読み進められる種類の小説だ。丁寧だが細かすぎない人物描写、個性的なキャラクター、

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週末、沈黙の艦隊を鑑賞。映画館で観て満足度の高い作品だった。主演陣ももちろん格好良かったし、個人的にはソナーマンのお二人も良い味を出してて印象的でした。映画館で何を観るか迷っている方、おすすめです。