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エレベーターの中

これは前回のブログで登場した先輩から聴いたお話です。

僕がまだ某介護施設に入社したばかりで、介護の経験があったのもあり2ヶ月目には夜勤に入る事になりました。

その時に、その先輩と怖い話をしていた際に聴いたお話になります。

これから先輩を「Aさん」と名乗ります。

当時Aさんは、別の介護施設で働いており、その施設は本館と別館があったそうで渡り廊下を渡っての行き来になっていたそうです。

その施設では下の階が有料型で上にデイサービスになっていたとの事でした。

そんなある日の夜、Aさんは夜勤で施設に泊まっていたそうです。

エレベーター前にソファーがあり、TVが置いてあるその場所で休憩を取っていたそうです。

Aさんは、TVを見ていると「ガチャン」と、エレベーターが動き始めたのに気がつきました。

エレベーターは、上の階へと上がっていったそうです。

しかし上の階は、デイサービスでこんな時間に誰が行くのか?と恐怖と不思議さに襲われたそうです。

すると、上がっていたエレベーターが動き始め次に止まったのがAさんがいる階でした。

あまりの恐怖に、止まったエレベーターを見る事ができなかったそうです。

エレベーターは、そのまま扉を閉め下へと降りていったそうです。

次の朝、Aさんは昨日の出来事を上司へ伝えました

不審者もありえると、エレベーター内の防犯カメラを一緒に見たそうです。

エレベーターが動き始めたその時間、確かにエレベーターは動いていました。

しかし、カメラは真っ暗だったそうです。

ただ、よく見てみると微かにエレベーター内の光が見えたらしく、どういう事だろうと見ているとそれは、確かに誰かが防犯カメラを手で押さえている様な状態だったそうです。

しかし、カメラには人らしきものは映っていませんでした。

ですが、何故施錠されているエレベーターがあんな夜中に動いたのか今もなお恐怖と不思議さだけが残るものだったと語ってくれました。

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