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京都への上京 4日目 〜広島→輪行で京都へ編〜



はじめに


京都への上京と名付けられた今回の旅。ネーミングセンスがこの上なくダサいとの評価を周りからは受けたのだが、自分自身としてはかなり気に入っている。この旅は自転車で行う参勤交代なのである(自分の中では)。まあ、修学旅行でまわれなかった観光地を巡り、ロードバイクで旅をしてみたかっただけなのだが。全行程は長崎から京都へ行き、京都から愛媛県は今治市までを10日間で走破するというもの。ただし条件があり以下の3つを最低条件とした。
・基本的にホテル泊(初めての自転車旅でキャンプや野宿は大変だと判断したため)
・雨などが降った場合無理をしない(危険でないかつ楽しむことが前提のため輪行もガンガン行って行く)
・GARMINで走行記録を取るのはもちろん、感じたことなどはすぐにメモしてnoteに後で楽にまとめることができるようにする(今書いているのはメモ帳に書かれた断片的な体験記録をもとに執筆している)
ガチの方々からすると腑抜けもいいところなのだが、今回はあくまで初めての自転車旅行かつひとり旅であり、楽しむことを大前提としているためご容赦願いたい。

装備に関してはこちら。持って行ったもののリンクをできるだけ貼っているのでご参考までに。またこれまでの記事が一覧で見れます。

では、激動の4日目へ。


岡山県を出発し、いざ兵庫県へ


 
  この旅の始まりはいつも冷え冷えとしていた。空に広がった薄く広がった雲は綺麗な朝焼けの気配を覆い隠し、どこか厳粛な雰囲気を感じさせた。
 3月は暦の上では春である。しかし太陽光が遮られているせいもあってか、薄着では流石に少し寒かった。この日の起床は5時。やる気は十分で、朝に珈琲片手に天気予報をチェックしているとこれからの行き先は曇り模様。この時は呑気に「この調子でいければ大阪まではいけるな」と考えていた。当然そんな書き方をするということは良くないことが起きるわけであって、実際に私は体験した。それは追々語っていくとして今は朝、それもまだ太陽も登り切っていない朝である。

 私といえば長崎で生まれ育ったため、九州男どころか長崎男である。生まれてこの方長崎以外の地でこんなに長い間宿泊を繰り返したことはなかった。先日の記事でも書いたが、やはり九州とは空気感が違う。それに何より違うのは、夜明けの早さである。東に向けて走っているのだから当然といえば当然のこと。しかしこの時期にこの時間で空が白み始めることに、そして何よりこれよりどんどん早まっていくだろう事実に心が躍った。

 さて倉敷を抜けてひたすらに国道を突っ走る。本当であれば渋滞などを加味して、裏道などを走るべきだろう。しかし生憎とこの辺の地理には疎い。そうなると、走ることのできる道は国道と県道に自ずと限られてくる。それこそ先導者がいれば別なのだろうが、「ゆるキャン△」のリンちゃんと同じくひたすらにソロ派な私。しかもSNSなどでの発信も今よりやっていなかった時代のことである。それは先導者どころか助けてくれる人すらいない状況での上京だった、ということである。

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