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長崎ベイサイドマラソン 2023 完走レポート 2023年11月20日

割引あり

距離:21.05km
時間:1:47:59
平均ペース:5:08
平均心拍:171bpm
最大心拍:196bpm
平均パワー:239W
最大パワー:459W
平均ピッチ:175spm
最高ピッチ:200spm
獲得標高:247m
カロリー:1,243kcal

 今日はランニングの記録である。そう、Zwiftだったり自転車での実走の記録ではなく地面を走った記録である。まさしく地に足をつけた記録である。
 最近マラソン大会が控えていたこともあって、たびたび時間を見計っては練習をしていた。そしてその記録をnoteに上げていたのだが、思いの外たくさんの人に見ていただけた。非常にありがたいことである。と、同時に自転車人口の少なさみたいなのを感じた。まぁ予想はしていたが、ここまで顕著だったとは。確かに走るのとは違ってお金が馬鹿みたいにかかることは否めないのだが。

  さて、そんなこんなで大会の話でも。書いている通り、もちろんトレーニングはしていた。とはいえできる限りのトレーニングをできたか、と問われれば間違いなく「NO」と答えられるくらいにはあまりできなかった。本業が自転車なのでどうしても土日の時間が空いた時間はその練習・活動に当てられてしまう。走ることは二の次になってしまう。そうやってどんどん時間が削られていって、結局のところ大した練習もできず大会当日の朝を迎えてしまった。

  大会当日の朝は5時に起床した。もちろんいつもの通りである。そして待ち合わせをしていたので少し早めに家を出た。その相手はT君である。(普段は君なんてつけないのだが、ここでは念の為)元々このマラソン大会に出走するきっかけを作ってくれたのも彼である。彼が誘ってくれなければ今こうして筋肉痛に悩まされながらカタカタとキーボードを打つこともなかっただろう。
  集合時間は6時45分。走って会場まで向かおうとも考えたが流石に荷物があるし、ここは素直に電車に乗った。電車の中では本当は来るはずだったもう一人のことを話していた。そのもう一人とはS君(こちらも同様)。我々が誘って(半ば強引に)大会に参加させた友人である。そんな彼は今回体調不良のため欠席となった。残念ながらリタイアとなってしまったが、彼の分まで走ろうということになった。いやしかし冷静に考えてみれば、我々の中で走る面子は本来5人だった。それがいつの間にか1人減り、また1人減りとしていき、結局のところ3人になってしまった。
  そんな大会への寄付に終始する身内に対する話をしているとあっという間に会場の水辺の森公園へ到着した。ここで何人かのランナーらしき人たちも一斉に降りた。乗っていた時から明らかにランニングシューズを履いてそれっぽいジャージを着ていたのだからわからない方がどうかしている。目に見えて走りますよ、と言わんばかりの人たちと一緒に、ユニクロのウェアとサイクリング部のTシャツを着たどう見たって自転車に乗る格好をした私が公園へと入った。公園に着くともう既に参加者が集まっていた。時刻は7時を少し過ぎた頃。そして私は早めに出てきた理由を済ませるために運営のテントへと向かった。向かった理由はゼッケンの再発行のため。無くしたものを取り返すため(実際には捨てられてしまったのだが)、寒空のもと一人孤独に向かっていったのであった。

「8時に受付開始するので、その時に来てください」
  あっさりと拒否された。当然といえば当然だった。そもそも運営スタッフすらまばらな時間なのにゼッケンの再発行なんてできるかよ、とは思っていた。仕方ないので8時まで待つことにした。

閑話休題。

 しかしそれにしても寒い。理由を考えれば単純明快。空は曇り。昼には晴れます、との予報だったが晴れるのだったたらさっさと晴れてほしいところ。しかしそううまくいかないのが天候というものである。
 8時になり、ゼッケンを受け取った。発行料に1,000円も取られてしまったのだが、致し方ない。走れなくて5,000を無駄にするよりはマシなはず。開会式も参加しようと思ったのだが、事務所の都合上写真が撮れなかったので素直にここは省いておこう。

 スタートは9時。ゼッケンを受け取ったり、和んだりなんだりしているとすぐに時間はやってきた。ゼッケン番号ごとに出走時間をずらしながら行うようで、再発行組の私はモチのロン最終スタートであった。

走り始める前にT君から「大体リンガーハットのところら辺で追いついてくれや」との勅命を受け、とにかくスタート地点からはT君に追いつくため直走った。そして当初の目的通り、リンガーハットの前で合流し、稲佐橋を目指した。

道路を走る際に、自転車の場合だとそうはあまり感じないのだが、ことマラソンになると非常に良くないことをしている気になる。もちろんこれはちゃんとした大会で交通規制された上で行われているので、問題行為ではないはずなのだが罪悪感とは違う、よくない感というものが付き纏ってくる。もう少し具体的に書くなら明らかに18歳以下だとわかっているのにHなものを覗き見てしまう感覚に非常に近い。だからと言ってどうということはないが、とにかく罪悪感と妙な高揚感があったことだけは確かだった。
 それを集団も共有しているかのように、集団のスピードはものすごく速かった。もちろん道幅が狭くなればそれに伴ってスピードは落ちるのだが、それでも皆一様に体力が有り余っており、コース外に出てまでも追い抜きをする人が続出していた。
 そんな状況が稲佐橋付近まで続き、そこからは車通りが少ない道が続く。そこで一斉に飛び出す人は飛び出し、とどまる人はとどまった。
 もちろん私も飛び出す人の一人だった。しかしT君は自分のペースで行きたいらしくここでお別れとなった。ひとりぼっちではないが、ここからは自分との闘いとなった。

 まずやってきたのは神の島への坂道。正確になんというのか正式名称を知りはしないのだが三菱重工の造船部門がある地域である。長崎駅側からは良くは見えないため、同じく平坦な道だと思われがちだが、ここはそんなことはない。ものすごく起伏の激しい道である。そして当然の如く速度が落ちる。ここは本当に苦しめられた。というのも普段自転車ばかりに乗っているためにこういった坂で苦労した経験がないからである。こういった起伏の激しいコースは一気に駆け上がるようにして走ることが大半である。だからこそ普段の速度に慣れている自分としてはものすごくノロノロとは知っているようにしか感じない。そして「弱虫ペダル」でも言われていたことだが地面に足が付いている、それだけでここまで体力が削れるものなのかと実感させられた。
 ここの唯一の救いとしては給水所があることだった。もちろん水をもらって水分を補給した。また自転車との差の話になってしまうが、汗っかきな私にとって水分は非常に重要である。だからこそ水分補給のタイミングが走り始めてから結構短いスパンでくる。しかしマラソンではそうはいかない。荷物を極限まで減らすために水さえも捨ててきているのでかなりきつかった。

 その後は神の島へと入った。

 ここまできた瞬間、突如として力が漲ってくるように感じた。非常に体が軽い。もすごくアドレナリンが出まくっている証拠だった。すごい勢いで走ることもできるし、集中力だって朝の日ではないくらいだった。これが俗にいうランナーズハイなのだと実感した。
 ロードバイクで感じたことないのか、と言われると感じたことは今までに何度となくあったが、それは自分の力で見たことのない景色や山を登りきってみた時に感じるものだったために、その昂ぶりは景色を含めてのものだった。しかしここは神の島。言うなれば勝手知ったる道である。そんなところでこんな昂ぶりがやってくるとはランナーズハイ以外の何ものでもないことの証だった。
 10kmの折り返し地点が設定されていたが、ものすごい高揚感だけがあったためにここらの記憶はさして覚えていない。ただここからが正念場だった。

 神の島を抜けると女神大橋へと入っていった。


 女神大橋は神の島方面と愛宕方面を繋ぐ橋であるため、当然のように標高が少し高い。その少しの標高が余計に辛かった。「自転車であれば難なく行けるのに…」そんなことを何度となく思った。ここにギアがあれば、と思ってレバー付近を触ってみたことさえあった。しかし掴むのは空ばかりで今のきつさが軽くなったりはしなかった。
 ここまでくると唐突に筋肉への痛みがやってきた。今までにない痛みである。アドレナリンが切れかけてきた分、反動が大きかった。普段わりかしトレーニングしている方だったので、ここは肉体的だけでなく精神的にも結構なダメージだった。
もちろん使っている筋肉は競技ごとに違うのだから当たり前といえば当たり前なのだが、その時ふと悔しかったことだけを記憶している。ランナーズハイの次はランナーズメランコリーにでもかかったような気分だった。
 女神大橋を抜けると下りがある。この下りが地味にきつかった。理由は筋肉への負担である。きつい時ほど下りたくはないものだが、そうはいかない。人生と同じである。
 下りが終わると、水辺の森までのほぼ一直線。ここからが本当の勝負だった。体力に自信のある人でも、普段トレーニングを積んでいる人でも残り数キロは本当にきつい。まして対して(走りに関してだが)トレーニングしていない人にとっては尚更である。ここは本当に気力との勝負であった。何度も心の中に「走りたくない。歩いてしまおう」という感情が湯水の如く溢れ出してきた。しかしここでそんな感情に身を任せていては自分を出し切ることができない。そんな思いだけで走っていた。周りにはそれこそ感情に飲まれ歩いている人がちらほらいたが構わず走り続けた。
 足はガチガチで、筋肉は軋んでいた。一歩一歩ごとにコンクリートから伝わってくる衝撃が痛かった。永遠とさえ思えるような道が続き、このまま足が砕けてしまうのでは、と思うほどだった。しかし走り続けた。自分には負けたくない。その一心だけで体を前に進めた。

 ようやくやってきた水辺の森公園。その外周をぐるりと回ってゴールである。最後のホームストレートは本当に気分が良かった。自分で自分を律して走り切ることができたのだから、これほどの喜びはない。
 結果、ゴールは1時間45分(ボタンを押し忘れていた)。本当に楽しかった。が、きつかったのでしばらくは走りたくないとも思った。そして何より筋肉痛が痛い。だがいい経験となった。




最後に最近の事情。


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