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【初学者のための世界史(幹)】3-6.ドイツの統一、イタリアの統一

前回は、オスマン帝国の揺らぎを狙ったロシアの動きについて解説しました。
今回は、ロシアの進出を防止したり外交をコントロールしたビスマルクの登場するドイツの統一と、イタリアの統一について解説します。

ドイツ

今までのドイツ地域を振り返ってみると、神聖ローマ帝国内に諸侯が乱立し、三十年戦争で宗教的まとまりも崩壊し、統一には程遠い状態でした。

そのような状態の中、天才的な宰相であるビスマルクが登場しました。

ビスマルク


ビスマルクのまとめるドイツにとって、最大の敵はフランスです。ナポレオン戦争でコテンパンにされましたし、今まで何度も領土を削られましたからね。

しかし、すぐフランスに攻め込むこともできませんでした。なぜなら、ドイツとしてまとまっておらず、ドイツ内の敵を掃討しなければ力のベクトルを外に向ける余裕はなかったからです。
ビスマルクにとってのドイツ内の敵とは、アゴでおなじみハプスブルク家のオーストリアです。


ビスマルクはしたたかで、オーストラリアと決着をつける前に、どのくらいの力を持っているのか調査しました。その調査というのが、一緒に戦争に仲間として参加し、力量を確認したのです(デンマーク戦争にて)。

しっかりとこの戦争でオーストリアをチェックしたビスマルクは、「勝てますわ。」と判断し、戦争を仕掛けました(プロイセン=オーストリア戦争)。

プロイセン=オーストリア戦争


この戦争でオーストリアを排除することに成功し、ビスマルク主体でドイツはまとまりを見せてきました。


内が固まったドイツはいよいよフランスと対決します(プロイセン=フランス戦争)。ナポレオン時代の復習を果たす時がやってきました。

対するフランスは人気取りのナポレオン三世。ネームバリューでトップに上り詰めた人物にノリノリのドイツを止めることはできませんでした。

ドイツはフランスに勝利し、ルイ14世時代に触れたヴェルサイユ宮殿で皇帝戴冠式を行い、ドイツ帝国として成立しました。

ドイツ帝国誕生


先ほどの戴冠式の絵で中央辺りに白いの服を人物がいますね。この人物、戴冠を受けている皇帝よりもなんだか目立って描かれていませんか?
これがビスマルクです。皇帝よりも国を主導して働きが大きかったことが伺えます。
この皇帝も十分威厳のある顔をしているのですが。。

戴冠を受けたヴィルヘルム1世


フランスに勝利してからもビスマルクは手をゆるめません。
復讐が出来ないように外交を巧みに使ってフランスを孤立させるのです。

wikiより


wikipediaにとってもわかりやすい図がありました。フランス孤立作戦が一目瞭然ですね。頭の中で同盟関係の理想像を描くのは容易ですが、実現させるには相当の外交力がないとできないと思います。大国間でこの作戦を成功させたビスマルクはやはり世界史上屈指の天才と言えるでしょう。


イタリア

ドイツに続いてイタリアの統一についても解説します。
イタリアは主に神聖ローマ帝国(ドイツ)による併合作戦により統一を邪魔され続けていました。

フランス革命の影響を受け、イタリア統一の動きが大きくなっていました。ウィーン体制後、カルボナリというおいしそうな名前の秘密結社が独立を求めて反乱を起こしますが、鎮圧されています。

一方、北イタリアではサルデーニャ王国が統一活動を進めていました。
北イタリアはオーストリアやフランスが大きく手を伸ばしていた領域でした。なんとか外国勢力を退けるも、北イタリアの統一だけで精一杯。。

南イタリアはというと、赤シャツ隊を率いたガリバルディが統一を進めていました。

ガリバルディ


赤シャツ隊
確かに赤い。

ガリバルディは王のいない共和政主義者であり、王のいるサルデーニャ王国とは立場が異なります。

北と南に考え方の異なる統一グループが誕生したために、イタリアの統一は南北分裂かと思われました。

しかし、ガリバルディは政治意見よりも民族の統一を優先させました。

彼は、一生懸命頑張って統一した南イタリアをそっくりそのままサルデーニャ王に献上したのです。



かっこよくないですか。
「俺は政治の体制なんかちっぽけなことにこだわってねえよ。それよりもイタリア人としてみんなでまとまる方が大切だからよ。」
そんなこと言ったかどうかは知りませんが、男気あるなあと感じた次第です。

このようにして、ドイツとイタリアは互いにキーパーソンがいて統一することが出来ました。


ドイツとイタリアが統一している中、アメリカでは大きな内戦が起ころうとしていました。
次回は、アメリカ南北戦争について解説します。


最後までご覧いただきありがとうございました!



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