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1-2_4歳〜6歳(幼稚園)①孤独が友達だった

家族にとっては日本への帰国、私にとっては日本への初上陸の後、私が感じていた、底知れぬほどの孤独感について、書こうと思います。

帰国後の状況

帰国後の主な記憶は、祖母の庭の豊かな緑の芝と、広い青空です。
というのも、私の家族は帰国後、家が見つかるまで、二年ほど祖母の家の離れに住んでおり、私はよく祖母の庭に放し飼い?されてたからです笑
祖母は、関東の都会と田舎の狭間の地域に住んでいたので、比較的広い敷地を所有していました。
帰国後、母は働き始めたので、両親は共働きとなり、上の兄弟は小学校や中学校に通い出し、1人幼稚園児の私は、離れの家や祖母の庭で過ごすことが多くなったのです。

両親・上の兄弟たちの状況

両親の忙しさは、上の兄弟たちの受け入れ先を探すこと、新しい環境や仕事に慣れること、新しい家を建てることなど…、今考えれば、尋常じゃなかったでしょう。
上の兄弟たちは、アメリカで日本人学校に通ってた訳ではないので、漢字が読めない書けない(下手したら平仮名も危ない)状態だったので、それらをカバーしてサポートしてくれる学校を探すのは、至難の業だったと思います。
当時、日本人学校に通って日本語ができる「一般的な帰国子女」向けには、受け入れ先が見つけやすかったようですが、上の兄弟たちは当てはまらなかったので、一つ一つ学校に行って、相談したようです。
(ちなみに、受け入れ先を探したのは、母でした。感情を代償に優秀さを手に入れたような父は関与せず?
特に、一番上の兄は帰国した当初、すぐに高校受験の年だったのですが…、両親も兄も大変だったと思います。
そんな中、上の兄弟たちは勉強ができたのか、その後、割と良い高校・大学に進学したので、本当に頑張ったんだと尊敬します。

私の状況

アメリカでは皆のんびりしてたのが打って変わって、家族がそんな状況でしたので、私も大変だったのかと思うかもしれませんが、そんなこと全くなかったです笑
いや、当時私は、まだ4、5歳。
幼稚園に入れておけば大丈夫だろう、と「とりあえず落ち着くまで」と放っておかれた感じがします。
また、おそらく私は「良い子」で、手も掛からなかったので、まずは他を優先させたのだと思います。
当時、幼稚園は10時〜14時までで、その後は面倒見れないので習い事に通わされてました。
習い事があっても無くても、すぐに終わるので、幼稚園が終われば、祖母の庭でよく寝転がって、庭の芝を眺めたり、空を見上げてましたね。
一応、母のために弁明しておきますが、祖母の家の男性の使用人がおり、庭の仕事をしていたので、敷地内で私は1人ではなかったんだと思います。
ですが、「いつも一人」という孤独感、寂しさが胸にあったのを覚えています。

何がどうとか、ネグレクトだったのかとか、あまり覚えてませんが、とにかく、この時の孤独感は底知れないほどのもので、これが原因で、色んなトラブル(いじめ、いたずら)に遭って傷つくことになりました。
しかも、この寂しさの影響は大人になっても続き、カウンセリングを受けるまで、この幼少期の孤独感が原因となっていたことは分かりませんでした。

言語の状況(日本語も英語も喋れなくて)

ちなみに、年中から入園した幼稚園では、私は、まるで怪獣のようだったようです笑
というのも、嬉しいとか好きとかを表現するのに、日本語も英語も喋れない状態でしたので、友達にいきなり抱きついてたりしてた、ということだったようです^^;
母国語が話されない国で子供時代を過ごすと、仕方ないのですが、言語の発達が遅れます。
しかし、私の場合は、平仮名が読めるようになってからは、漫画をかなり読みまくってたので、小学三年の時ある程度解消されました(小学三年まで、かなり引きずってたとも言う?)
漫画は、ルビ(振り仮名)があるので、漢字があっても読めますし、絵付きなので意味も分かりますしね!
漫画は、平仮名と日常会話がある程度できていたら、非常に有効な教材だなと思います。
「今まで皆んな、こういうことを言ってたのか!!」と、日本語が分かった瞬間は、今でも覚えています。
母親も本の読み聴かせはしてくれましたが、なぜか自力で日本語を習得したという自負がありますね笑
本当は、面と向かって、両親には私の状況に関わって、言語のことに悩んでもらいたかったのかもしれません。

この経験から得たもの

アメリカからの帰国後のバタバタで放置されたことが、私にとっては、かなり大きなキズになっており、今回、この経験をポジティブにまとめるのに、とても苦労しました。
でもきっと、何か得たものがあり、今の自分にいい意味で影響してるものがあるはずと思って、まとめました。

  • 自然が常に共にあったので、美しいと感じられる感性が鍛えられた

  • 独特の世界観が築かれた

    1. 一人で暇すぎたので、妄想もとい想像するのが好きだった。親から教えられる価値観や世界観が少ないので、自分独自の世界観が築けた

  • 直感に基づいた言語能力が身についた

    1. 自力で築いた言語能力だからなのか、他人から「よくそんなギャグ思いつくね」と言われる

  • 漫画は素晴らしい文化である

おそらく過去の整理をしていくうちに、もっと大きな気づきも出てきそうですが、それは、その時に書ければと思います。

また次回、よろしくお願いします


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