フクノスケ

将来的に野球作家を目指しています。その端緒として「プロ野球勝手にノンフィクション」を形…

フクノスケ

将来的に野球作家を目指しています。その端緒として「プロ野球勝手にノンフィクション」を形にしたいと思います。 第一作は「『ショートは打たんでええ』は本当か?」 阪神タイガース木浪選手の起用法に焦点をあて、遊撃手のレギュラー争いについて考察していきます。

最近の記事

  • 固定された記事

【プロ野球勝手にノンフィクション】創作にあたって

no+eを活用して創作活動をスタートさせることにした。 将来的に、好きな野球をテーマにしたノンフィクションを書いてみたいと考えているが、スポーツライターの肩書を持たない自分は取材ネットワークなど何もない。 であればスポーツ新聞など公にされている記事をベースに作品を創作してみようと考えた。それが【プロ野球勝手にノンフィクション】だ。 僕は3歳の時から高校野球をきっかけに野球に興味、関心を持った。以来、◎◎年プロ、アマ問わず野球鑑賞、観戦を続けている。野球の記者に憧れていた

    • 【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#15

      交流戦前の最後の試合、阪神は1対2で巨人に敗れた。9回に抑えのゲラが岡本に同点本塁打を浴び逃げ切りに失敗。続く延長10回、岩崎が丸に決勝の犠飛を許しカード負け越し。交流戦へ向けた景気付けにはならなかった。 試合後の岡田監督のコメントにあったように敗因は紛れもなく打線だった。この日阪神は6回まで無安打。7回に森下、大山、渡辺の3連打で1点を取るのが精いっぱいだった。岡田監督は野手陣に対して「前で打て」「泳いで凡退はOK」と指示していたというが笛吹けど踊らない。 岡田監督の記

      • 【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#14

        戸郷翔征にノーヒットノーランの偉業を許した翌日の試合、阪神は3対0で巨人に快勝。先発ビーズリーの好投にはじまり、石井、岩崎、ゲラの盤石リレーで締めた。この試合、木浪は先制点となる二塁打を巨人先発の赤星から放ち、試合後、お立ち台に上がった。 先制打は、初球カーブ、2球目ストレートを見逃した後の3球目。インコース148キロ速球系統の難しい球を得意の「捌き」で対応した見事な一打だったが、後の2打席はあえなく凡退した。 2打席目は4回、1打席目に続いて赤星との対戦だったが、「例の

        • 【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#13

          交流戦前の最後の三連戦、阪神は甲子園で巨人と対戦。カード初戦の5月24日は、巨人戸郷翔征にノーヒットノーランを食らう歴史的な1日となった。野球解説者が口を揃えて絶賛していたように、戸郷は速球が走りフォークの切れ、スライダーの使い方いずれも絶妙で阪神攻撃陣はなすすべがなかった。 その中で、木浪は1点を追う9回、先頭打者で唯一の四球を選び見せ場を作った。 この打席、戸郷と岸田のバッテリーが組み立てた5球目までの配球は、スライダー、フォーク、ストレート、フォーク、スライダー。3

        • 固定された記事

        【プロ野球勝手にノンフィクション】創作にあたって

        • 【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#15

        • 【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#14

        • 【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#13

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#12

          5月21日、22日の試合はいずれも阪神が2対1で接戦を制し、2位広島とのゲーム差を2.5に広げた。2試合ともに攻守にわたって近本、中野の存在感が際立った。 木浪はフル出場はしたものの無安打。守備機会も少なく、カード3試合目、9回裏に試合を終わらせた併殺のPV以外見せ場はなかった。 2試合無安打に終わったものの、打席の内容自体はさほど悪くなく、良い当たりが野手の正面を突くなど不運に見舞われた。 打席を振り返ると、21日の対森下との二打席は、木浪の打撃の特徴がよく表れていた

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#12

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#11

          首位攻防戦となった5月21日からのマツダスタジアムでの対広島三連戦。初戦は、村上と床田両投手の今季4度目の投げ合いとなった。結果は広島が村上を攻略し完勝。阪神は2位広島に0.5ゲーム差まで詰め寄られた。 木浪は床田の前に3打数1安打。唯一の安打は足の速くない木浪には珍しい内野安打。外角のカットボールにタイミングを外されたが飛んだコースが良かった。また、3塁手小園の1塁への送球がハーフバウンドになるなどラッキーな面が重なった。 木浪と床田の今季の対戦成績はこの日で9打数4安

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#11

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?・・#10

          5月18日の対ヤクルト8回戦、木浪は3試合ぶりにスタメンに復帰。守備で魅せた。 1点リードの9回1死、丸山和の高いバウンドの打球を一塁へ素早くランニングスロー。リプレー検証になったがアウト判定。捕球から送球まで一分の無駄の無い動きで甲子園を沸かせた。 一方、打撃は悔しい結果となった。追加点が欲しい7回1死満塁で相手投手星の前に投ゴロ併殺打。カウント0-2と追い込まれた後、150キロを越えるストレートと切れのあるスライダーを3球ファウルにするなど粘り、並行カウントまでもって

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?・・#10

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#9

          5月16日、豊橋から始まった三連戦最後のカード、阪神は4番に原口を据えるなど大幅に打順を組み換え9対4で快勝。 木浪はスタメンから外れ、代わりに出場した小幡は守備で良い動きを見せた。9-2と阪神が大きくリードした6回、村松の三遊間抜けそうな打球を軽やかにダイビング捕球し二塁封殺でピンチの芽を摘んだ。 しかし、打撃はアピールできず5打数1安打。 唯一の安打は送りバントが内野安打となったラッキー安打で、中日先発梅津、二番手橋本ら左右の本格派の速球に対応ができずに2三振。今季こ

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#9

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#8

          5月14日。豊橋から始まった対中日三連戦の初戦、阪神は逆転負けを喫した。 木浪は、中日先発高橋宏人の前に一塁ゴロ、中飛、申告敬遠という内容で無安打に終わる。2点を追う最終回、先頭打者で打順が回るも抑えの切り札、ライデル・マルチネスとの対戦は叶わず。代打、糸原を告げられ交代した。試合後の打率は.219。 マルチネスに対しては、昨年、5月3日、インコース高めの155キロ越えの速球をサヨナラ安打した経緯があるだけに、不振とはいえ打席に立つことも期待されたが、岡田監督は木浪の打撃

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#8

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#7

          5月9日からは横浜スタジアムで対DeNA。この三連戦から、岡田監督の木浪の起用法に変化が生じる。象徴的だったのが初戦。この日、木浪は相手先発投手の東から1安打していたが、同点で迎えた9回1死三塁、勝ち越しの場面で代打を告げられた。 マウンドには右腕の森原。右投手相手に代打を送られることは昨年にはなかったことで、今季の木浪の打撃に対する首脳陣の信頼度低下がファンにも伝わるような岡田監督の采配だった。 翌10日。木浪は、相手投手中川、徳山からそれぞれ安打を放つも、2点差を追

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#7

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#6

          5月4日、木浪はスタメンから外れた。代わって巨人先発菅野に対した小幡は、3打数無安打。三ゴロ、投ゴロ、中飛といずれの打席も力のない打球で打率は.174まで下がった。   木浪は延長10回、1-1の同点、無死1塁の場面で代打で登場した。送りバントを決められず、結果、四球で出塁も次打者近本の遊撃ライナーで飛び出しダブルプレーを献上。ハーフバウンドかダイレクトか、巨人門脇の打球処理に対する瞬時の判断は容易ではなかった。 その裏、木浪は先頭打者、門脇の中前に抜けそうなゴロをポジシ

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#6

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?・・#5

          4月を終え、阪神は貯金6で首位。強力な投手陣がチーム打率.234と振るわない打撃陣をカバーした。貧打にあえぐ打撃陣の中で、木浪もまた成績は芳しくない。 75打数16安打1本塁打。打率.213、打点5。 昨年同時期(打率.316)と比較しても、今季はバットが振れていないことがよくわかる。しかし、このような打撃の状態でもスタメンから外れたのは試合数27のうちわずかに「3」。 守備が安定している、というよりは小幡の打撃との相対的な比較の中に、その要因を見出した方がよいだろう。

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?・・#5

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?・・#4

          4月29日の対広島4回戦は雨天中止。翌日のスポーツ紙に木浪の記事が掲載されていた。木浪はその中で「頭の整理と準備と、もう一回しっかりやろうという気になれた」と語っており、記事を読んだ限りでは、2試合続けてのスタメン落ちからすっかりリフレッシュできている様だった。 翌日、木浪は3試合ぶりに「8番遊撃」でスタメン復帰する。最初の打球処理は亜大の後輩、矢野雅哉の二遊間の打球。捕球態勢に入った際、目の前でイレギュラーをしたかに見えたが冷静に処理。その後は併殺をPVで完成させるなど

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?・・#4

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?・・#3

          4月28日、対ヤクルト6回戦。木浪は前日に続きスタメンから外れた。岡田監督はこの日も8番ショートに小幡を起用するも、その小幡は4打席3三振。チャンスでことごとく三振を喫するなどアピールできず、明日以降のスタメン起用に疑問符がついた。 小幡には様々な評価がある。 守備に関しては「守備範囲が広い」「肩が強い」という見方は野球評論家の間でも共通だが、その一方で3月8日のヤクルトとのオープン戦で露呈したような「不安定さ」を指摘する向きも少なくない。 評価が割れる守備とは逆に、打

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?・・#3

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#2

          4月27日、対ヤクルト5回戦。木浪はスタメンを外れた。SNSでは試合前、3失策の翌日ということもあって、木浪の動向はちょっとしたニュースになっていた。岡田監督に見守られ守備練習に励んでいるスポーツ紙掲載写真や「昨日はすみませんでした。もう切り替えてますので・・」と始める木浪の声出し動画がネット上で散見された。 木浪に代わって起用された小幡は首脳陣の期待に応えた。2安打1打点。2安打ともヤクルト先発サイスニードの変化球を捉えたもので、いずれも得点に絡んだ価値のある安打だった。

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?#2

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?・・#1

          4月26日、対ヤクルト4回戦で阪神木浪が3失策。試合中のSNSでは「木浪のエラー」がTLでにぎわった。僕は、はじめの2つの失策をリアルタイムで見ていたが、その時、2つのことを思い出した。 1つは今年3月8日の阪神対ヤクルトのオープン戦、小幡竜平のマルチエラーのこと。その時の小幡は、1つ目の失策、2塁悪送球後明らかに動きが硬くなっていた。案の定、正面のゴロを「トンネル」してしまったし、その後も緩いゴロを待って捕球し内野安打にしてしまった。連続失策が小幡から自身の魅力の「チャ

          【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か?・・#1