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【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か? 第三部#8

6月30日、阪神はヤクルトに5対6で逆転負けを喫し4位に転落、勝率は5割となった。敗因は明らかに継投にあった。4点リードの8回、桐敷が安定せず、あとを受けた漆原大晟が二死満塁から長岡秀樹に走者一掃の2塁打を浴び同点とされた。その後つないだ岩崎優も山田哲人に決勝打を打たれた。結果として「リリーフ陣総崩れ」。手痛い敗戦となった。

打線は佐藤輝明が二塁打3本記録するなど計13安打。これまでの貧打の状態から脱している。その中で、小幡はこの試合、4打数1安打。唯一の安打は第四打席、木澤尚文から放った1塁線へのラッキーな内野安打。シュート2球で0-2と追い込まれた後の外角低めフォークを腰を引きながら肘を伸ばして上手く手首を返した。

その後の三打席は、見るべき要素はなかった。相手先発、サイスニードのパワーピッチングに完全に力負けしていた。

一打席目は2回、二死、1塁で遊飛に終わった。小幡はストレートに狙いを定め初球からスイングをかけに行くが、外角寄りの高め144キロを捉えられずファゥルに。二球目、外角のベルトの当たりの144キロを見逃しカウント0-2と追い込まれた。三球目は、真ん中高め150キロストレートをファゥル。続く四球目、インコース低めのカットボールを救い上げてしまった。

二打席目は2点リードの4回、二死、二塁の場面。サイスニードをリードする松本直樹は全6球すべてストレートを要求した。147~149の球速帯で初球は真ん中低めに、二球目から四球目までは外角低めにそれぞれ集めた。五球目をインコース高めでのけぞらせフルカウントにした後の六球目、真ん中高めで詰まらせ中飛で小幡を仕留めた。

三打席目は6回、2点リードの二死、1塁での場面。小幡は初球の外角高めストレートを二塁ゴロ。ここまでの3打席、すべて二死からの打席で、いずれも自らの凡退で打順を切ってしまった。

四打席目の内野安打で4試合連続無安打は避けられたが、打席の内容は決して芳しくない。「小幡には高めの速い球が有効」という相手バッテリーの見立てを覆すことができていない。これはヤクルトだけではなく他チームでも同様だろう。この試合終了時点の打率は.173。150キロのストレートを高低問わず打ち返し、その再現性を示せるときは訪れるか。

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