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【プロ野球勝手にノンフィクション】『ショートは打たんでええ』は本当か? 第三部#6


6月27日、阪神は13試合ぶりとなる二けた安打で中日を8対1で下した。不調の近本光司がスタメンから外れたが、試合終盤、打線が爆発。先発、村上頌樹の好投もあり、危なげなく勝ち切った。岡田監督はこの日の勝利でNPB史上20人目となる監督通算「700勝」目を挙げた。

小幡はこの試合、4打数無安打。スタメン出場した野手の中で唯一安打が無く、悔しい1日となった。打率は.180まで下がり「2割」が遠のいていく。

4打席見て感じるのは、小幡は150キロ周辺のストレートを捉えることができていない、ということ。相手バッテリーがカウントを取りに来る速球を積極的に狙いにいく姿勢は見えるが、ことごとくファゥルにしてしまう。

一打席目、二打席目は中日先発、梅津晃大と対峙したが、上から見下ろされていた。

1打席目は3球三振。全球ストレートで小幡は二球目の150キロ真ん中高めを打ちに行くが、タイミングの段階で既に刺しこまれ、中途半端なスイングでバットにボールが当たってしまう。三球目は152キロを見送るもシュート回転でホームベースをよぎっていた。

二打席目は空振り三振。この打席、ストレートは初球だけだった。小幡は積極的に外寄り高めにスイングをかけたが押されてファゥルにしてしまった。二球目は初見の131キロインコース低めのスライダーを空振り。追い込まれてからはフォークボールで攻められ、4球目のアウトコース低めにバットが空を切った。

三打席目は7回、4点を先制した直後、2死、2塁で巡ってきたが、三邪飛で終わった。フェリスの真ん中高め148キロストレートを力なく打ち上げた。

四打席目は8点リードで迎えた8回、二死、一塁の場面。勝野昌慶の149キロインコース寄りのストレートを引っ張れず、左翼への飛球で凡退した。
この打席は全4球ストレートだった。初球のインコース寄り低め、三球目のアウトコース寄り高めにそれぞれスイングをかけたが捉えられず、結果として、打ち取られたストレートが一番、厳しいコースに来ていた。

小幡は木浪不在の期間、常時出場を「約束」されている立場だが、この日のようなストレートに弱い状況が続くと、打率は2割を超えるどころか.180から急降下していくことも考えられる。それでも岡田監督は「ショートは小幡一本」の姿勢を貫くか。

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