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残念な走り幅跳び
「ふじくんに幅跳びの記録を抜かれた」
「え?」
「4年生のとき抜かれた」
「あ、みんなにすごいって言われたのを覚えてる」
「わたし悔しかったのよ」
「え、そうだったの」
数年前、小学校のプチ同窓会に参加したとき、当時活発だった女子が話しかけてきた。
40年以上の時を経て、そんな悔しい思いをしていて、そんな悔しい思いをぶつけられるとは思わなかった。
陸上競技の醍醐味は人間の能力の限界への挑戦。
どれだけ、速く走れるか、高く跳べるか、遠くへ跳べるか、などなど。
見る者は、同じ人間の優れた能力に感動し、新たな世界記録に期待し、胸躍らされる。
どんな競技にもルールがある。
そのルールは競技をより良くするため、随時、変更される。
例えば100m走。
人間が音を聞いてから体を動かすまで、最低でも0.1秒はかかるという医学的根拠からフライングの反応速度基準を0.1秒としている。
かつて、フライングを心理戦の駆け引きに使う選手がいたため、2010年から1回でもフライングをすれば失格となるルールに変更された。
問題は走り幅跳び。
長さ1m22cm、幅20cmの狭い白い板の上で踏み切らなければならない。
全速力で助走してきた選手は、わずか20cmの幅の白い板の上で踏み切らなければならない。
ちょっとでも踏み外せばファウル。
たとえ世界記録以上の跳躍をしてもファウル。
何も記録に残らない。
陸上競技の放映はめったに見ないが、たまに見ると、なんとファウルの多いことか。
2023年ブダペストで開催された世界陸上では約3分1がファウル。
こんなことでは全力を出して跳ぶより、ファウルしないように慎重に跳ぶ選手が勝つだけで、記録が伸びることはない。
事実、走り幅跳びの世界記録は1991年の東京世界陸上でマイク・パウエルが記録した8m95cmだけど、33年も記録が更新されていない。
記録の停滞は20センチ幅の板と、ファウルの多さに疑問を持たない人のせいだと思っている。
踏み切り板に足を合わせることに心血を注ぎ神経をすり減らすルールは改正してほしい。
もしも、走り高跳びにも踏み切り板があれば、世界記録はもっと低いままだろう。
ただただ、大跳躍が見たい。
陸上関係者は踏み切り板の幅を改正するように国際陸上競技連盟へ働きかけてほしい。
と思って、ネットで調べたら、
国際陸上競技連盟は、踏み切り板の代わりに踏み切りゾーンを設け、踏切地点から着地点までの距離を計測するルールに変更する検討をしているという。
良かったぁ!
そう思うのも束の間。
変更されるとしても、そのルールが適用されるのは2026年以降とのこと。
パリ五輪で走り幅跳びを見る機会があれば、選手がどれだけファウルするのか注目してほしい。
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陸上競技無関係者をウンザリさせる話です
あなた さっさと帰ってよ~🎵
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