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カフェ経営は難しい?

わたしが良く行くカフェは、函館山のふもとにあるお店が多い。
子供の頃そっちに住んでいたので、土地的に馴染みがあったというのが一番なのだが。

函館は山のふもとから発展していった街なので、古い素敵な建物が多く残っていて、それをリノベしたお店が最近増えている。
元々函館の人もいれば、違う土地から移住してきた人もいて。
函館を気に入って、こちらに住むことにしたという話を聞くとやっぱり嬉しい。

けれど、人気店になったのにすぐに移転したり、辞めてしまったりする人もけっこう多いような気がする。
店舗が手狭になったので、とか〇〇周年を機にステップアップしたい、という人は前向きな理由なので良いけれど。
SNSで見た感じだと、何やらお客様とのやりとりが難しくなって辞めたのかな?というお店もチラホラ・・・。

先日、お気に入りのお店の一つで、お話好きな店主のいる人気店に行った時の事。
めずらしくお客様が私の他にいなくて、しばらくの間ふたりきりだったので、その店主の彼女と”あそこに新しいお店が出来るよ”なんて話で盛り上がっているうちにずっと気になっていたことを思い出して話してみた。

数年前に、やっぱり古い建物をリノベした人気店があって、店主は東京だったかな?から来た移住組で。
わたしもそのお店が気に入っていて、顔なじみくらいにはなっていたは思うんだけれど・・・。

ある日突然閉店することになって、残念で最後にもう一度行って見た。
夏の暑い日だったけれど閉店を惜しむお客様でいっぱいで、順番を待つ人も脇に用意された椅子にずらっと並んでいた。
わたしはたまたま待たずに座れたんだけれど、よく見たら空いた席があっても店の中をフラフラしている店主はなかなか片づけをせず、飲み物のテイクアウトだけの人も何分も椅子に座って待たされていた。

メニューは”これしかないです”という中から仕方なく選んだものを、扇風機の風すらも当たらない(エアコンがないお店だった)暑いお店の中で、その延々と待たされている人たちを眺めながら食べたので、味わうどころかどこに入ったかわからない感じで食事を終えた。

しかも最後のお会計の時の会話が悲しかった。
「お店、辞めるんですね。」という私の問いかけに、こちらを見もしないで「はい。」という冷たい一言。
「どこかで、またお店やるんですか?」と聞いたら、かなり強めに「やりません!」と言われた。
”わたし、あなたに何かしましたっけ?”って感じ。

その時のことがあまりにもショックで、次にお気に入りのお店が閉店するって聞いた時、また同じ目にあうんじゃないかと思って最後にもう一度は行けなかった。

その後のSNSで見た感じだと、閉店の理由はお客様との間で何か嫌な思いをしたことなのかな?という雰囲気。
まあ、はっきりとしたことはわからないけれど。

そんな出来事を初めて人に話したのだが、彼女はそのお店の人の態度はおかしいと言ってくれた。
「わたしもそんな風に思われないように気を付けなきゃね。」とも。
めずらしく長くお話が出来たこのひと時を、彼女は笑って「こういう時間を僥倖(ぎょうこう)っていうんだよね。」って言ってくれたのがすごく嬉しかったな。

カフェ巡りする理由はひとそれぞれだと思うけれど、わたしはこういう風に人とのふれあいが出来ることも好きな理由のひとつ。
だから、お店の人も同じように思ってくれたら嬉しいし、思えないことがあっても態度には出さないで欲しいなあ。
そして出来たら函館の事好きになって、ずっと長くお店を続けて欲しいな。






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