職場における笑いの重要性【職場ユーモア】
みなさんこんにちは、現役大学院生(産業・組織心理学専攻)兼人事・組織コンサルタントのミナミです。
今回は、職場における「笑い」の重要性について解説していきます!
それでは早速いきましょう。
職場における「笑い」の重要性
近年、ユーモアが職場の生産性向上、ストレス対処、チームワークや創造性の促進に効果的であるとして職場にユーモアを取り入れる動きがあります。
楽しさや愉快さなどを組織文化としている企業の成功などが取り上げられ、それにつれてポジティブさを組織文化に取り込むことの重要性が指摘されています。
海外では、楽しさや愉快さなどのポジティブ感情が職場における創造的な問題や業務上のパフォーマンスなどへ好影響をもたらすことが注目されており、
日本においても、職場活性化の手段として、職場での笑いやユーモアに注目する動きがあります。
職場においてユーモアが存在することが、働く個人の心身の健康及び業務成果への自己評価に対して様々な影響を及ぼすことが明らかになっています。
職場ユーモアって?
ユーモアと聞くと日本人には馴染みがないかもしれませんが、要は「笑い」のことです。
ユーモアには様々な定義がありますが、「面白い、おかしいといった心的現象」という定義が幅広く用いられています。
では、職場におけるユーモアにはどのような種類があるのでしょうか。
職場ユーモアには以下のようなものがあります。
親和的ユーモア(主に冗談を言って周囲を笑わせる)
自己高揚的ユーモア(主にストレスフルな状況で自己を高揚させるためにユーモアを用いる)
体験共有的ユーモア(自らが見聞きした体験や知識を共有するユーモア)
人物想起的ユーモア(その場に居合わせた人たちがお互いに知っている職場内の人物に関するエピソードを共有するユーモア)
職場遊戯的ユーモア(職場内のたわいのない刺激のユーモア)
規範抵触的ユーモア(職場内において遵守すべき規範に抵触する内容のユーモア)
攻撃的ユーモア(主にからかいによって他者を非難し攻撃する)
自己卑下的ユーモア(主に過度な自虐を用いて周囲を笑わせる)
ユーモアといっても、上記のように様々な種類があります。
職場ユーモアのメリット
職場ユーモアが個人や会社、組織にもたらすメリットは様々あります。
個人にもたらすメリット
ユーモアによって引き起こされる笑いには、呼吸や消化など生理活動に好影響を及ぼしたり、心身の健康に有益な影響をもたらします。
特にユーモアは、アレルギー反応による過剰な免疫反応の抑制、活性酸素を消去する作用の向上など、身体的健康を促すことも実験により示されています。
また、ユーモアセンスのある人、及び日常のストレスに対してユーモアで対処しようとする人はライフイベントによる精神的健康への負の影響を受けにくいことが明らかになっています。
職場のユーモア研究においては、ユーモアがバーンアウトやストレスの減少といった、精神的健康を向上させる効果を持つことが示されてきました。
ユーモアを多く使う人は、使わない人に比べて、感情枯渇と抑うつが低く、業績達成感が高いことが明らかになっています。
ユーモアの中でも「親和的ユーモア」「自己高揚的ユーモア」の使用頻度は、職場での創造的行動(アイデアの創出、周囲への売り込み、実現)を促進させることがわかっています。
会社・組織にもたらすメリット
ユーモアは個人だけでなく、会社・組織にも様々なメリットをもたらします。
会議中にユーモアがあることで、新たなアイデアや解決策に関する言及が増えることや
「古い考えややり方に対し、馬鹿らしい冗談で疑問を投げかける」といった解放的なユーモアが職場で交わされることで、職場の文化や考え方の枠組みを別の観点から見ることに役立ち、それが組織の創造性を促進することが明らかになっています。
また、ユーモアを職場で用いることで、問題を客観的に見ることに役立つだけでなく、ミスに対しオープンで合理的な姿勢を持つことができ、新しい経験や考えへの受容性も高まることで、創造的に考え、問題を解決したり、リスクをとる能力を養うことに役立つことがわかっています。
ユーモアは、メンバー間のコミュニケーションを促進し、職場メンバーの社会的距離を縮めるなど、職場の同僚との対人関係の構築・維持に関して重要な機能を果たします。
職場ユーモアのデメリット
一方で、職場ユーモアは使い方によってデメリットをもたらすこともあります。
まず、ユーモアは使い方と内容によってはハラスメントになってしまう可能性があります。
規範抵触的ユーモア(職場内において遵守すべき規範に抵触する内容のユーモア)と職場遊戯的ユーモア(職場内のたわいのない刺激のユーモア)はネガティブな感情的反応を介して、職場内コミュニケーションを抑制することが明らかになっています。
また、自虐的ユーモアは職場での創造的行動を抑制することも明らかになっています。
まとめ
今回は、職場ユーモアについてご紹介しました。
私は関西に住んでいるので「笑い」が日常に浸透していますが、関東などにお住まいの方はどうなのでしょうか。
ユーモアはデメリットもありますが、使い方を間違えなければメリットしかないため、どんどん職場で笑いを生み出していきましょう!
では、今回はこの辺で。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!