詩「毛色」
あなたが落とした一雫は
遥か彼方へと進んで行く
膨大な邁進力で突き放す
あなたの周りに純真な風が吹き抜ける
そこに壁や冷たさはない
私は その広大な大地に立ちたかった
己の欲望を制御し
聖なる心を有していたなら
真の友情を育めたかもしれないのに
若さは1ミリの可能性に賭けてしまった
その日から
何もかもが狂いはじめた
時代は私を隅に追いやり
心に蓋をさせた
私は遠くを見つめるしかなかった
あなたが居ない場所を…
空っぽの教室で黒板の文字を消す
(無機質な粉が纏わり付く。)
ふいに あなたに肩を叩かれた時
金色の気配がして
総毛立った
私とは毛色が違った
何もかも…
その日が私達の終わりになった
私の凝り固まった発想を変え
あなたと もっと話せていたなら
私の人生は変わっていただろう
煙突の白い煙と共に
金色の魂が昇って行く
その時に時間の重みを知っても
遅いとしか言いようがなかった
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