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詩「声」


街角で空気が震える
私の足は立ち止まる
鳥は一斉に空へと飛び立つ
振り返っても そこにあなたは居なかった

一瞬で影は消えた

どんなに姿 形を変えても
音は私の耳に届く
古びたカセットテープが再生される
録音したあなたの声と同じ音が流れる
声は あなたの生存証明

優しくて心地良かった
いつまでも言葉を続けていたかった
あなたには温もりがあった
人としての
それでも一瞬で世界は終わる
私には 足りなかった罰だね

あなたの声を耳にする度
反射的に私は振り返るだろう
何度も
何度でも…

どんなにお互いが姿 形を変えても
その音は どこまでも懐かしくて
私の心を震えさせる

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