見出し画像

詩「夜の額縁」


暗い窓の先に
真っ黒な物体が
道路に ごろりと落ちていた

胸がざわざわして
一体 何事かと
夜の額縁を覗き込んでみたら
黒い水溜まりだった
(身を乗り出した私の姿は、冷たい夜の芸術の一部となる。)

いつかの 苦悩して
煮詰まっていた
私の抜け殻が
夜の先にうずくまっていたのかもしれない
(この街は、たおやかな人間が居て初めて完成する。)

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?