詩「白い天井」
40年間
彼は白い天井を見ていた
私とは違う40年を送った
同じ時間でも重さは違う
私の我儘な苦しみと彼の苦しみは違う
流した涙の意味も違うね
だから無性に泣けてくる
一筋の光を見ていると
天井に止まった きまぐれな虫さえ
彼の目には迷い込んだ天使に見えたのかもしれない
白い天井に何を映したの?
私にも そのストーリーは分かる?
言葉はないけど
きっと分かると信じたい
窓の鍵を開けて…
柔らかな光に満ちた
外の世界で生きたいんでしょう
飛んで行きたいんでしょう
自由に
開け放つから
だから…
たまには帰っておいで
新しい友達を連れて
何度でも彼の元へ
そう約束をして
私は自由な大地へと天使を逃した
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