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予想をはるかに超えてきたリノベ費用…!だが救いの神は、すぐそばに。 #08

夫と付き合い始めたのは、毎日連続でカレーを食べ始めてまだ間もない頃。


ー あれから約4年。

夫は、とうとう「株式会社CHANCE THE CURRY」というカレーを売らないカレー屋さんを設立し、カレー研究キッチン兼オフィスを新設するところまで進化した。

執念が実り、賃貸契約までこぎつけた居抜き前の穏やかな喫茶店から、カレーの研究所「CHANCE THE CURRY」に生まれ変わるべく、内装工事の段階にきたが、、オフィス作りも マジかよ… の連続。


内見時の私は、とってもライトな思考だった。

『そもそも居抜き物件だし、保健所の審査をクリアするためには大きな工事はナシでしょ。壁紙は変えた方がいいけど、デスクと本棚と商品設置のラックを買えばいいんじゃない? DIYで出来るから、50万円くらいで収まるでしょ』

くらいに軽く考えていたのだが、夫は「床材も壁もキッチンもカウンターも変えたい!」とほぼ総取っ替えを希望。



(うわ、めちゃ金かかるやつやん、、)



という気持ちを押し殺し、さっそく夫の城のイメージをアウトプットすべく、インテリア雑誌やPinterestを漁り、夫の脳内イメージを具体化した。

かなり内装をいじることになるので、インテリアデザイナーを探さねば!というタイミングで気づいた。

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インテリアデザイナーのツテがない。

社会人になってからは、ずっと広告畑にいたのでWEBや印刷系で信頼できるグラフィックデザイナーはいるのに、インテリアデザイナーが思い浮かばない。困った。


あれ?…待てよ。


「インテリアデザイナー」には内装デザインだけをお願いして、造作をするのは別の「大工」に依頼するってこと…? 

いやいや、世田谷区の大工なんて、もっとわからない。

私でも知っているような◯◯工務店には規模が小さすぎて依頼できないし、個人事業主大工はホームページを持っていないからどこに何社あるかわからない。相場金額もわからないし、信用できるのかどうかも怪しい。
わからないことだらけ。大工はブラックボックス。


そもそも内装デザイン費用や工事費用っていくらが相場なのか。
相見積もりを取ったとしても、正しい判断ができるのだろうか。
施工主が初心者だからって手を抜かず、ちゃんと施工してくれるのか。

急に、不安が押し寄せてきた。


『フルオーダーで新築を建てたけど、大工さんとの信頼関係が築けず喧嘩しまくって、竣工後に建具のミスを見つけて連絡しても一向に直してくれない』という友達の悲痛な叫びも聞いていたので、デザイナー・大工との信頼関係が築けることは絶対条件。


そして、夫は「整っている場所に、最後のひとつで台無しになっているようなデザインが好き」という絶妙な美的感覚を持っていて、その感覚を理解し共鳴してくれる人ではないと ”キレイで無難なオフィス” になってしまうので、夫の感覚を共有できるかどうか、も肝の一つ。


私は美大を卒業しているので、同級生や友達を辿っていけばインテリアデザイナーには必ず行き当たるだろうけど、感覚が違うと依頼はできないし、友達の紹介だとなにかと気を遣ってしまって思ったように動けなくなることも予想できる…。


え?あれ?なにこの感覚。

何から進めればいいのか全くわからない。


8回の転職で、ベンチャーの新規事業立ち上げも経験したので「オフィス作りも同じノリでできるでしょ。」とタカを括っていたが、デスク仕事をするだけのオフィス作りとは雲泥の差。

いろんな仕事を経験したと思っていたけど、めちゃくちゃミニサイズの井の中の蛙。こんなにも無知なのにできると思っていたなんて…恥ずかしい!!!

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落ち込んでも仕方ないので、気を取り直して、地道に内装デザイン会社を探すことにした。

まず、InstagramやPinterestで好きなテイストのお店を探していくつかピックアップしてみたら、なんと全て同じデザイン会社。


これは運命かも…!!


すぐに面会の時間をいただき、会社の概要や今後やりたいことや内装のイメージなどを雑談しながら共有したが、デザイン会社社長は、なるほどなるほど、とニコニコ聞いてくれるが、それだけ。

概算のお値段はいかほどか、一番気になるこの話題をいつ切り出せばいいのかモヤモヤしたが、こちらから口火を切らないと雑談で終わりそうだったので勇気を出して聞いてみた。

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何も決まっていないので、費用感はわからないと思うんですが、ざっくりと相場の予算感はどの程度なんでしょうか…?

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うちは、一坪50万円なので、10坪だと…

ミニマム料金で500万円ですね〜。

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3秒くらい息が止まった。

え ? 500万円が最低料金??
10坪しかないのに???


去年国税庁が発表した給与所得者の
年間の平均給料は441万円。

人の年間平均給料を超えた費用が
最低ライン。


タヌキに…化かされてるのかな。
もう社長が、タヌキにしか見えなくなってきた。

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いや、タヌキはかわいい。
抱っこして1日中もふもふしていたい。

金額感に呆然として妄想に耽っていると追い討ちをかけるように、2ヶ月先まで案件が入っているので工事を着手できるのは3ヶ月後ですね、と。

てことは、オフィスとして使えるようになるのは5ヶ月後…?!遠すぎる。
それまでどこで仕事をすればいいの…???


デザインや仕様をどんなにシンプルにしても、プラスにしかならないとすれば一体最終着地点で、おいくら万円になるのか。

物件の契約条件は相場の半額くらいで済んだとはいえ、決して安くはない出費。そこにこの金額をプラスすると、、2019年の支出がえらいことになる…!!!!
リノベーションを甘く見すぎていた。

インテリアデザイナーの方々にとっては、この費用感は当たり前の感覚なのだろうけど、今のCHANCE THE CURRYには大きすぎる。竣工が5ヶ月先になることも踏まえ、泣く泣く諦めることに。


また振り出しに戻り、途方にくれていた時
救いの神が現れた。


仮の姿は、校正・校閲専門会社「鴎来堂」の社長、本当の姿は〆切の妖精である柳下さんが「面白そうだから、話聞かせてっ!」とワクワク顔でひょっこりと現れたのだ。

柳下さんは、カフェ×本屋 の業態である「かもめブックス」や「梟書茶房」を手掛けた人で、カレー(飲食)×WEB事業(デスク仕事)の感覚をすでに持っている先輩。

協力会社さんを紹介してくれるのだろうと思ったが、柳下さんが今後の新店舗展開のためにヘッドハンティングした "内装デザインと造作スキルを併せ持ったスーパーBOY" という隠し玉をぶっこんできたのだ…!!

すでに信頼関係も厚く、同じようにブッ飛んだ感性と行動力を持つ、夫と〆切の妖精の二人が合わさったら怖いモノなしじゃないか!
しかも、予算感も造作イメージも相談しやすいし共感スピードも早そう。


急に始まった恋のような感覚。
こんな身近に、いたなんて。


オフィス作りの工程って、なんてドラマティックなんだろうか。

ほっと胸を撫で下ろしたところで、さっそく内装イメージを共有し、採寸やアイディアを持ち寄って、リノベーション工事を進めていたある日。

夫が「ねぇ、ねぇ、壁にスパイスを塗りたくない?」と言い出した。
私は冗談だと思い、スーパーBOYと一緒に「おもしろーい」とキャッキャしたが、夫のこの言葉は本気だった。


この話は、また次回に。

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