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【建築家の頭の断面図】デザイン脳のマインドフルネス

最近「マインドフルネス」という言葉を目にする機会が増えた。
そこで設計事務所のマインドフルネス、デザイン脳のマインドフルネスについて、自分の頭を整理整頓しながらこのことについて個人的な結論を出してみようかなぁって思う・・・

というのも以前デンマークについてのお話をした時、後半からなぜかマインドフルネスについて書いてしまった。それをきっかけに今僕がどういう思考でデザインに取り組んでいるか、仕事に取り組んでいるかをまとめてみたくなったのだ。


マインドフルネスって何?

そもそも「マインドフルネス」って何かを調べてみた。

「今この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに捕らわれのない状態で、ただ観ること」

出典:Wikipediaより引用

簡単に言うと、「今」を大切に!ということだろう。
これってよくyoutubeでホリエモンが話している内容だなぁって。

この「マインドフルネス」という言葉が目立つようになった背景は、たぶん人のストレスと関係するのだろうと思う。

マインドフルネスを高めた方が良い理由

現代はSNSやyoutubeにより、様々な情報が簡単に手に入る。
デザインにおいてもそうだ。「Pinterest」や「Instagram」には無数のデザインアイデアが転がっている。
この多くの情報により、選択肢という可能性が一気に増えた。人の思考を置き去りにするくらい早く。

もともと「自由」を求めて・・・ということが正しいと思っていた人間が、「自由すぎることが不自由」に変わった。
この言葉もよく目にする。

選択肢が多いということは、自分の可能性が広がる。そして広がりすぎて迷う。「失敗したら・・・」と自分の軸が現在ではなく、「未来」になる。

「明確な将来像を考えて・・・」と昔から言われ続けてきた僕たちが、明確に考えるほど、この選択肢の多さに自分の自信と自己が消えていく。

どうやら言葉や教えというのは、環境によって変化させた方がよさそうだなぁって。

選択肢の多さが生む人の特性

デザイン業界でも選択肢が多く、いろいろな実例があふれかえっている。僕が思うに、3種類の人がいると思う。

  1. 参考デザインを探してそれをマネする人

  2. 自分でアイデアを振り絞り、その後参考デザインを確認する人

  3. 自分でアイデアを振り絞り、完成したらそれで終わる人

この3パターンでは、もしかしたら完成するデザインが同じかもしれない。ただ確実に変わってくるのは「自力」だ。要は変化に対応する能力だと思う。

デザインとは僕たちのような建築、空間デザインだけじゃなく、広告も、社内のプレゼン資料も、社内政治も、夕ご飯をつくることも全てデザイン活動だと思うので、ほとんどの分野にこの3パターンが当てはまるんじゃないかなぁ。

どれが悪いとかそういう類の話じゃないからね。
「場面」においてどういう人が適正に力を発揮するかという話です。

この3パターンを見極めるためには、ジャストアイデア(思いつき)がでるかどうかでだいたいわかるんじゃないかなぁって思う。要はブレスト能力。言い方をかえれば「大喜利能力」。

この3パターンについて例えば僕が服や髪形をプロにお願いするときは①になる。それはなぜか?「わからない」からだ。
じゃあ建築やインテリアを考える時はどうか、答えは②だ。
プロダクトを考える時は・・・③寄りの②だ。

自分が自信がない、わからない時は自然に①になる。
自分に自信がある、専門分野と自覚している時は②になる。
自分が好きなこと、人の評価を気にせず自己中を発揮する時は③になる。

この3パターンについては一人の人間が、「場面」に応じて変わる内容で、少なからず全て持っているものだと思う。

選択肢の多さで3つの顔が変化する

ただ「選択肢」が多い場合、どうなるか?

簡単に情報を取得できるからこそ、自分よりすごい人が簡単に見つかる。歴史上の人物を含めてだ。「あの有名人が今の自分と同じ年齢の時に、もうこんなすごいことしていた・・・じゃあ自分は?」となる場合もあるだろう。

そうすると、まず自信が無くなる、選択肢が多すぎて自分の好きなことが分からなくなる、こんな自分だけどみんな私のことをどう見てるのかなぁと気になる。

この思考になったら、パターン①しか持てなくなる。

建築分野でもこの思考の人は結構いる。

例えば図面を描く時、指示通りなら正確に描ける人。
過去の似た図面の納まりを確認してそれを当てはめる。そしてその行動が早い。これはこれで素晴らしいと思う。ただもしこの人が図面を描くんじゃなくて、根本のデザインをしたいと思っていたら・・・
「図面を描く」の定義を変えた方がいい。
やり方は簡単。
過去の似た事例を見る前に自分なりに描いてみることだ。それから答え合わせで過去図面を見ればいい。そうするとパターン②の可能性が出てくる。

ここでちょっと注意・・・②と③はストレスがかかる。「考えること=ストレスを抱えるということ」を自覚した方がよさそうだ。(これは良いことを考える時も同じ)

そしてこれも認識しておこう・・・
ストレスは敵じゃない。
ストレスを敵と思っている人がよく人に「それストレスだよ」という。ハイパフォーマンスを実現させるためには適度な緊張(ストレス)を抱えながら取り組み、それがたまったら違う分野で少しだけ発散する。
この「少しだけ」も重要。
本当のリフレッシュは大きなストレス(緊張)の原因を解決しないと消えないからだ。サウナに行く、おいしいものを食べるは「ストレスを小出しして少し発散する」ことが重要かなぁ。

頭ではなんとなく考えていたことを、こういう形で文章にすると頭が整理されて、俯瞰(ふかん)で見れるので良いなって。

一旦のまとめ

話は少しズレたけど、結局この3パターンを全て持てる環境をつくるといいかなぁって思う。これは仕事だけじゃなくプライベートを含めてね。
ある意味人任せなパターン①、自分でやりたいけど周りもしっかり見るパターン②、好きだから勝手にさせてのパターン③

この3パターンを過去でも未来でもなく、「現在」で保持し続けると、マインドフルネスに繋がると思う。
僕も気分がのらない時は、「やらなきゃいけない仕事」じゃなくて「やりたい仕事」をやる場合がある。結果的にそれがリフレッシュになり、やらなきゃいけない仕事に気持ちよく入れる。

完璧なデザインより少し余白のあるデザインの方が結果的に良いことが多い。デザインも思考も似てますよねぇ。

(補足)僕の個人的な感覚

ここからは特定の人向けの話ということで・・・

じゃあこの3パターンをどう持ち続けるのか?
(もしデザイン業界でこのことに直面している人がいたら、僕の考えを基に参考になりそうなところだけピックして、共感できないところはちゃんと捨ててね)

ここからは僕の個人的な考えや感覚の話。

まず自分がかっこいいと思うことを決めてる。それは見た目でも考え方でも能力でもいいのだけど、このかっこいい基準は常に変化するとも思っている。(現に、24歳の時にノートに書いてた将来像では、僕は建築を主軸にこだわりのラーメン屋をやっているはずだからだ。今となっては胃もたれでラーメンが大好きから普通に変わっている。)

そしてその「かっこいい」を判断基準にする。(キングダムで目指している法治国家と同じこと。)そうすると一時の感情でブレづらくなる。

要は俯瞰(ふかん)で見る時、何かレールが無いと、合っているのか外れているのかが分からなくなるので。

型にはまる前に型をつくるということかなぁ。

100憶企業を目指す人もいる、社内でリーダーを目指す人もいる、毎朝お花に水をあげる人もいる。
自分のかっこいいは他人と同一ではないと思う。

ただ組織の場合、できればその「かっこいい」が似た人が集まれば強くなると思う。
人の気持ちに「配慮できる」「配慮できない」「配慮しない」
この3パターンが「場面」によって必要になる。特に大きな組織の場合。

未来を明確に決めず、薄目で見る程度で考え、今この瞬間に集中し、過去の武勇伝や自慢話は年末地元の友達と会うときだけ話す。

こういう考えだと割と気楽に過ごせるなぁって。

たぶん似たような内容は世の中にいっぱいで回っている気がする。この文章は今のジャストアイデアだけど、記憶の片隅に過去に見た記事がへばりついてて、それがアイデアとして出てくる。(これをマッシュアップというよね)でもそれで全然いいと思う。大事なのは自分の言葉になっているかどうかだからねぇ。

僕の中のデザイン脳とは全てのことに対して、建築設計に変換して解釈すること。一番やり慣れたことに変換することで、解決策が導き出しやすい。
経営も料理も全て建築設計に変換してやっている。

好きなことに変換して考えると、なんだか楽しくなってくると思います。

今回はここまで。
ありがとうございました。


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