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あー、泣いたの無駄だったな

○月×日。

新社会人になって3週間とちょっと経ちました。
まだまだ慣れない仕事に戸惑いながらも、優しい上司や同期と共に頑張っています。

そんな私が、仕事を辞めるまでのお話です。



私は昨日泣いた。

辛い。
しんどい。

自分が生きている意味
自分がここに存在する意味が分からなくなった

誰もいない部屋で大声で泣いた
誰も聞いてない声で、泣いた

涙の理由はよく分からない。

ご飯が食べたい、眠たい、まだ遊びたい。
そんな単純な理由で涙を流せたのは子どもまで。

よく分からない涙を流すのは、子どもより大人だ。


それでも朝は来るし、

自分の事は気にせず太陽は元気だし、鳥は元気だし、朝の情報番組に出るマスコットキャラクターはすこぶる元気だ。

いいか子ども達。

大人はどれだけ泣いても仕事をする。
前日にどれだけ辛くても仕事をする。
辛いことより辛いこと、それは生きることだ。

生とは残酷だ

信号を渡ったら、私の一日が始まる。
誰もいない信号。
これを渡れば、始まってしまう。

私のために車が停る。
来る。私の一日。

「危ない!」

いつもと違う日常が、私を押した。

ああ、
昨日泣いたの、無駄だったな。


さよなら、私の今日と明日とその後。

キキッ

え、

「大丈夫ですか!?」
「……え」

私は昨日泣いた。
誰もいない部屋で大声で泣いた。

私のために、
一瞬で汗でびっしょりになる人がいるなら、


昨日、悲しくて泣いたのは無駄だったな。

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