気を遣わない気遣い『2023.11.11』
人と場所、どちらを大切にして生きているだろうか。
私は圧倒的に人である。
今日は友達と夕食の予定。
私は友達が多い方ではないので、またこの子と↓
彼女は高校からの友達。
大学を卒業し、お互いに成人してからはいつも車を出してどこかに連れて行ってくれる。
同じくらいの適当さと順応性を兼ね備えている人で、常に話を聞いているか聞いていないか分からないテンションで会話する。大体聞いてないし、私も聞いてない。
でも最終的にはお互いの相談をうんうんと聞いている。
この子と過ごしていていつも思うことがある。
それは、『楽しむためには、場所より人だ』ということ。
彼女と遊びに行く時に決まっている予定は大体一つ。○○に行きたい、△△が食べたい、◽︎◽︎が観たい。
それに向かって動いていく。
でもそれが決まるのは前日の夜中。というか当日。
「○日会おう!」事前に決めているのはこれだけで、夜中の数分で一つの予定を決める。
ある意味コスパが良いかもしれない。
しかも私達が行く所は大体、ギリ自分達が高校生の時にも行けた場所。チェーン店とか、本屋とか。
私達に必要なのは私達なのであって、明確な場所や楽しい目的ではなかった。
どんな場所でも目的でも、彼女がいるとそこは楽しい場所に変わっていくのだ。
でもそれは、お互いに無意識の気遣いがあるからだと思う。
彼女と旅行に行く時、飛行機や宿泊の手配は必ずやってくれる。
お互いの注文した物が大皿で運ばれてきたら、先に取って皿ごと私にくれる。
○○に行きたいと伝えたら、経路も場所もどんな施設なのかも調べてくれる。
そして、いつも笑ってくれる。
こんな人には、自分も何かしなければと思うようになる。
恩返しといえば重くなるが、自分も彼女に値する人間になりたいと無意識に思わせてくれる。だから、何年も仲良しでいても気を遣わない気遣いが出来るのだと思う。
私はそんな彼女が大好きだ。
数ヶ月前から彼女と旅行に行こうと話しているけど、彼女とならどこでも楽しめる自信しかなくて目的地が決まらない。
そんなに幸せなことがあるだろうか。
旅の場所を決めるために寄った喫茶店で、高校の話だけで閉店時間になってしまうことが、この歳になってどれだけ大切な時間かと思い知らされる。
私にはこういう時間と、こういう人が大事なんだ。
そう思いながらいつも、彼女と私が大好きなアーティストの歌を流して車に乗っている。
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