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本に向かって 「それな!」って言うとはなぁ

「読みやすそうだったから」
そんな単純な理由で選んだ1冊の本の中で、きっとずっと忘れないだろう言葉をもらいました。

その本はこちら。
いしかわゆき(ゆぴ)さんの『書く習慣 〜自分と人生が変わるいちばん大切な文章力〜』です。


2022年、”書くこと” において進化したい!という野望を抱いている私。
野望で終わらぬよう、元日にツイートで宣言もしました。
見栄っ張りなので、こうやって人目に晒せば動く、という自分の性格をよくわかってのこと。

さて、そのために何をするか?
そう考えて、はじめたことの一つが、「書く修行のための読書」でした。

「書くこと」や「文章術」に関係する本をとにかく読む。自分にとって役立ちそうなことは実践する。何かを習得したい時にやる、基本中の基本なアプローチ。
基本だけど、正直これまでは全くと言っていいほどやってこなかったので、今更ながら基本に戻ろうと思った次第です。

さて、記念すべき1冊目に何を選ぶ? 
そんな問いに対して、私が考えたことは、今にして思えば随分と後ろ向きでした。

「最初からつまづいたら続かなそうだから、1冊目は絶対に読みきれそうな軽めのものにしよう」

ズバリ、自分からハードルを下げる作戦!
そんな理由で手に取ってしまってごめんなさい!

でも、これって言い換えると、この本のターゲットであろう「書く習慣」を身につけたい人に取って、手に取りやすいし、読んでみようかなと思いやすいってことですよね。いい意味で、ハードルが低い。

実際に、パラパラとめくってみたら、段落の組み方や文字色、線引き、項目ごとのまとめと、テンポよく読み進められ、要点がキャッチしやすいようよく考えられた構成だと感じました。だからこそ手に取ったその足で、レジに向かったのです。

早速読んでみると、印象通りスラスラ読める。よし、これなら積読になることもあるまいと、サクサク読み進めていた第1章と第2章。
そもそも私は、書くことが好きで、書くことを楽しんでいて、書くことが習慣になっているので、この本の一番のターゲット層ではないでしょう。だからこそ、「うんうん、そうだよね〜」と、カフェで友達とおしゃべりしているような軽ーい感覚で読んでいたのですが──

第2章の途中くらいでふと気づいたのです。
「ん?この本、私が試行錯誤しながら書くことを習慣にした中で、なんとなーく感じたり気づいたりしたことが、見事に言語化されているな?」と。

それはつまり、書くことを習慣にしたい人にとっては、ここで書かれていることが、実際に「そう」だという実例がいるよ、ということですよね。
さらに言うならば、書くことを習慣にした人の多くが感じているかもしれないその "なんとなーく" を、言語化するか、ぼんやりとした感覚で終わらせるかが、"読まれる文章" と "読まれないまま葬られるネタ" の差なのだと。そこに気付かされ、ハッとしました。

中でも私が最大に「そうそうそれ!!」と思ったのが、第3章のまとめ。

「感情が動いたら、それがインプット」

『書く習慣 〜自分と人生が変わるいちばん大切な文章力〜』(いしかわゆき著)より

このまとめを見た瞬間、思わず「それな!」と声に出していました。

インプットとアウトプットを目標に掲げた去年。
たくさん文章を読まねば!本だ!ニュースだ!SNSだ!と、色々彷徨っていたときに、ふと感じたこと。
「通勤路でふと見つけた紫陽花が綺麗で、思わず足を止めたってことも、十分インプットなんじゃない?」

この時、私の心の中にモヤっと浮き上がったこの考えに、ズバリ!と一言で断言しているこのまとめに出会えたとき、どんなに嬉しかったか。

いい言葉に出会えたなぁと思った矢先、ご本人がこんなふうに呟かれていました。



私にとってこれは間違いなく名言。
書くことを続ける限り、多分、きっとずっと忘れない。

書くことに真剣に向き合おうと決めた2022年。
最初に手に取った本がこれで良かった。


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