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瞳の色を見つめてみれば

「日本人の瞳の色は、おおむね似たり寄ったりの人が多いから」

って僕が言ったら、ドイツ人の同僚が驚愕していた。

ドイツ人同僚
「そんなこと考えたこともなかった!みんなが同じような瞳の色なの!?」

ドイツ人の彼女は、瞳の色はみんな違うもの、という感覚が染みついていた。実際、ドイツ人たちの瞳の色は人それぞれ違っている。家族であっても、人それぞれの色を持っている。

という感覚からすれば、日本人は個人差はあれど似た瞳の色の人が多い、という状態なんて考えたこともなかったのだろう。

今日は、そんな瞳の色にまつわる話を。

瞳の色

僕がむかしドイツで働いていたとき、周りの同僚たちの瞳の色で一番多かったのは、青色の瞳。次に多いのが、灰色だったり茶色。いずれにしてもアジア人の瞳と比べると、透明っぽい瞳の人が多いのは確か。

ただ、一番多かったのが「青色」って一言で表現しても、それぞれ違っている。輝くような青だったり、水色だったり、透明に近い水色だったり。それぞれ人によって、百人いれば百とおりの青色がある。

灰色や茶色についても一緒で、みんな色合いが微妙に違っている。

瞳の色と服の色

そして発見したのが、「瞳の色」と「服の色」を合わせている人が多い。

例えば、職場にいた女性二人と打ち合わせていた時のこと。

一人は「緑っぽい灰色の服」を着て、もう一人が「茶色っぽい灰色の服」を着ていた。

で、打ち合わせで話をしていて気がついた。二人それぞれの瞳の色って、それぞれの服の色とピッタリ一致していた。つまり「緑っぽい灰色の服」を着ている人は、その服と同じ色の瞳を。同じように、もう一人の「茶色っぽい灰色の服」を着ている人は、その服と同じ色の瞳だった。

僕はその二人の見事なコーディネートっぷりに気が付いてからは、打ち合わせに集中できず、目を白黒させながらその見事な対比に見入っていた(仕事よりもそっちの方がよっぽど興味深い)。

このケースだけでなく、他にも似たような経験が。

瞳の色と肌の色、どちらを優先?

50才くらいのドイツ人男性の同僚。彼の髪は黒色で、肌は日焼けしたオレンジっぽい色合い。僕が彼に対して持っているイメージカラーは、暖色系の色合いだった。暖色系の服の方が似合いそうにと思うのに、、、でも彼は、いつも鮮やかな青いシャツを着ていた。

そんなある日、話をしていて気が付いた。彼の瞳は輝くような青色。彼は、瞳の色にシャツの色を合わせていたのだった。

確かに目を見て話をしていると、髪の色や肌の色はあまり気にならず、それよりも青い瞳に青い服がとてもマッチしていて自然だった。なるほど。

そんな彼の場合は、なかなか自分のイメージカラーを定めるのが難しいのかも。

つまり、寒色系の青色の服を着ていると、少し遠くから見た場合には、体全体の色(暖色系)と服の色(青色)があまりマッチしない。でも、対面して目を見ながら話をしていると、瞳の色(青色)と服の色(青色)がマッチする。

逆に彼が、暖色系のオレンジとかの服を着ていると。距離を置いて見た場合には、体全体の色と服の色がマッチするだろう。でも対面して目を見ながら話をすると、青色の瞳を覗き込みながら、服は暖色系って、たぶんしっくりこないんだと思う。

ベストな方法は、通常は暖色系の服を着ていて、誰かと話をする時になると、ババッと青い服に着替える。そんな生活をするのならこの問題をクリアできそう。だけど、そんなマジックショーのような日常生活は疲れるだろう。

じゃあ、割り切ってどっちを取るか。

その同僚の性格からして、「人と話をするときに違和感を与えないようにしたい」という考えて、瞳の色と同じ青色の服を選択しているんじゃないかな、と思う。ドイツでは、話をする時には目を見ながら喋る文化だから。

モロッコを旅行したときに出会った、右と左の瞳の色が違うネコ。「オッドアイ」と呼ばれる。

瞳の色にまつわるこぼれ話

さて、ここで瞳の色にまつわるこぼれ話を2つほど。

①透明な水色の瞳

ドイツで生活を始めた当時は、透明な水色の瞳の人と話をすると、目を見ていても気持ちが読めないというか、なにやら遠い人のような感覚を覚えた。

でも何年かすると慣れていくものなのか、そういった透明な水色の人と話をしても違和感を感じなくなって、普通に話ができるようになった。

「目の色が違う」って聞く表現だけれど、現実に目の色があまりに透明だと、慣れるまでは心が通じる感覚が薄かった、という経験だった。

②人は生まれながらに違う

ヨーロッパの人は、瞳の色、髪の色、肌の色は人によってかなり違う。だから自分に似合う服やカバンを友達にあげたとしても、その相手には全然似合わない、ということがよくあるって言っていた。

こうやって「人は生まれながらに違う」ということを肌感覚で理解するのだろう。

あなたのイメージカラーは

ということで、今回は瞳の色にまつわる話を書いてみた。

昨今は、肌の色や髪の色などの外見を話題として取り上げるのが憚られるようになってきた。ただ、この記事での趣旨は、どの色が良いとか悪いとかではなく、単に物理的な色味のコーディネートについて語っていることをご理解願います。

さて、最も多い日本人の瞳の色は、日本語で言えば「黒い瞳」と表現される。英語では一般的にダークブラウンまたはブラウンと表現されるのかな。たしかに真っ黒ではないから。ドイツで日本人が自分の瞳の色を「black」って言うと、「人間の瞳の色で黒色はあり得ない」ってわざわざ訂正されたという話も聞く。

ということで、日本人の瞳は多くの人は似たような色味ではあるものの、それでも濃い茶色から薄い茶色までそれなりに幅がある。また、何かの理由で違う色をしている人もいるだろう。

ちなみに僕自身の瞳の色は、一般的な日本人の中で比較すれば色が濃い部類かな。でも平均的な範囲。

他方、うちの奥さんの瞳はけっこう薄めの茶色。髪の毛の色も同様に茶色が強い。そのためか、茶色系の服が比較的マッチすると思う。

ということで、瞳の色と服の色とのマッチングは女性の方々は気にされているかも知れないけれど、改めて自分のイメージカラーを考えるときに瞳の色を考慮してみても面白いかも知れないですね。

この池の水みたいに透明感ある水色の瞳を持つ人も

by 世界の人に聞いてみた

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