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あすも白い朝日を迎える。YOASOBIを身に纏って

あの日完成したパズルを崩してしまわないよう、大切にフレームの中に収めていた。

YOASOBIの初ライブが行われた2021年2月14日、私の心は、ぐちゃぐちゃにしたパズルのように砕けていた。

そんな状況でも筆を執ることができたのは、YOASOBIが書きたい衝動を与えてくれたからだ。だから自分にとってお守りのようなこの記事を、時々読み返しては前を向いてきた。

そして2021年7月4日、約5か月の時を経てYOASOBIは再び画面の中に現れた。今度はユニクロさんというカラフルなお友達を連れてきた。

“UNIQLOとYOASOBI” 。見るからに仲良し。

アーカイブなしと知った時の我らの集中力は一体どこから湧いてくるのだろうか(実は好き)。

穴が開くほど画面を見つめていた私もユニクロさんのルームウェアを着ていた。平素よりお世話になっております。

そういう意味では、ユニクロウェアとともに共作してきた記事がたくさんある。

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5か月で人(=自分)はどれくらい変われるのか。もっと月日が経った気がしていたけれど。

前回は小説を書き始めた頃だったが、昨日書き上げて最終回を公開したところだった。「音を書く」という音楽をテーマにした内容なので、YOASOBIをたくさん聴きながら書いた。

それだけで成長したとは思えないが、創作やYOASOBIの楽曲に対しても、感じ方が変化したという自覚はある。

UT×YOASOBI 『SING YOUR WORLD』

前回は新宿・ミラノ座跡地の工事現場がステージとなり、無機質な温かみを感じる芸術が素晴らしかった。

今回の舞台はユニクロの有明本部だった。普通のステージに立たせてもらえないのだろうかYOASOBIは。

前々日にリリース、前日にMVがプレミア公開されたばかりの「三原色」で幕を開けた『SING YOUR WORLD』

YOASOBIの曲を聴く度に思うのだが、このトラックとトップラインが、なぜきれいに交わるのだろうか。むしろ永遠に交わらない。

別々の軸で走る3つの線が、スクランブル交差点で出会うイメージが湧いた。

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一面に広がる本棚。小説から生まれる楽曲をテーマとするYOASOBIにとって、こんなに相応しいホームはないだろう。

それは本たちにとっても同じだ。こんなに自分たちを輝かせてくれるアーティスト、YOASOBI以外にいないって言ってる。

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スクショタイムを与えてくれるようなカメラワーク。UGCを上手く活用したYOASOBIの発信力には毎回脱帽してしまう。

「たぶん」ではUTの作品群が華を添えた。

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私はこの日、初めてTシャツに美を感じた。今この瞬間も、世界中でどれだけの人がTシャツを纏って頑張っているのかな。美しさに装飾など必要ないのだ。

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この日のために片付けたっぽい(もしくはフリーアドレスなのか)スタイリッシュなオフィス。いつもお疲れさまです。

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雰囲気が一変する「怪物」も印象的だった。私の共感覚としては真紅のイメージなのだが、それを具現化し、その先を行くライティング。

さらに「Epilogue」から「アンコール」に続く流れなど、曲の繋がりやセットチェンジもクリエイティブだった。

YOASOBIのストーリーテリング

この日もikuraさんのヴォーカルは、聴く者の感情を選ばずに、そっと寄り添い希望を与えてくれていた。

小説の執筆を経験してこの5か月で気付いたのは、物語を紡ぐ人は、主役の座は受け手に譲りながらも、なお物語の中心を生きなければならないということだった。

誰よりも丁寧に、心の機微を感じ取って、日々を生き抜かなければならない。ただ言葉をなぞって結ぶだけでは、紡いでいくことなど到底できないのだ。

ikuraさんのヴォーカルがこんなにも心に響くのは、きっと彼女が丁寧に日々を生きているからだと感じた(いわゆる「#ていねいな暮らし」みたいなやつじゃなくて)。

そこに精緻な音を授けるAyaseさんももちろんそうだし、バンドメンバーもチームの皆さんもきっとそうだ。

どこにもほころびを感じない。それは完璧だからではなく、丁寧なプロセスを感じるからなのだと思う。

すでに著者が存在する作品を、別の角度から表現することにはとても気を遣うだろう。でもそれが丁寧さに繋がることもあるのかもしれない。

寸分の狂いもない音のレイヤー。芸術的な音源に対し、ライブでは人の温もりが伝わるのがYOASOBIの魅力。その印象はやはり変わらない。

だから演者の皆さんが楽しむ姿を観られることがとても嬉しいのだ。

完璧なシナリオだけが物語ではないことを、YOASOBIは教えてくれた。

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YOASOBIの前では素直な自分

イントロから完璧なタイミングで放たれた「群青」は、今回もラストを飾ってくれた。何度拭っても涙は溢れる。

大阪桐蔭高等学校吹奏楽部の皆さんはフェイスシールドをつけて演奏されていて、そのひたむきな姿がYOASOBIとクロスオーバーする。

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前回、私の心が満潮を迎えて泣きじゃくった曲で今回も泣いた。でも、前回とは少し違った。

「そうか、YOASOBIの前だから素直になれるんだ」基本的に私の涙腺は常に開栓状態なのですぐに泣く。

それにしたって、YOASOBIを聴いた時、特に「群青」は我慢していたものが溢れ出すように、緊張の糸がぷつっと切れるように涙が止まらなくなってしまう。

でもそれは私だけではないはずだ。今この記事をスクロールしてくださっている方の中にも、きっと頷いてくれている方がいるはずだ。

何よりYOASOBIのメンバーそれぞれが、努力を重ねて今日や明日を迎えているのだろう。

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ライブを観ている時はとても楽しいのに、記事を書く時はいつも孤独だ。やはり自分と向き合わなければ制作物は完成しない。

でもこのnoteの企画のように、他にも一生懸命書いている方がいると思うと一人ではない気がして、YOASOBIを聴きながら一緒に書いているような感覚になる。

フレームの中のパズルはいつしか一つに繋がっていた。

物語は白い朝日から始まる  「また明日」

白は何も無いのではない。光の三原色が集合して白い光が生まれるのだ。私は、真っ白なTシャツに少しずつ色を足してみたいと思う。

日々の色はすごく薄いかもしれないけれど、描き足して、書き足して、いつかクローゼットを鮮やかに彩れるように。

YOASOBIを身に纏って、私たちはまた明日を迎える。


UT×YOASOBI『SING YOUR WORLD』
セットリスト

1. 三原色
2. ハルジオン
3. もう少しだけ
4. たぶん
5. 怪物
6. Epilogue〜アンコール
7. 夜に駆ける
8. ハルカ(w/ 大阪桐蔭高等学校吹奏楽部)
9. 群青(w/ 大阪桐蔭高等学校吹奏楽部)

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エンドロールマニアなので、今回も最後の瞬間までわくわくでした。

お読みいただきありがとうございました!

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