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MIHO MUSEUM 見学記

10月17日、雨。

念願のミホミュージアムへ行ってまいりました

前々からウワサは聞いていたのですが、気軽に行ける距離ではなく 宗教団体のイメージも強かったため私にとっては謎に包まれた美術館でした。

レンタカーを借りていったのですが、山の中にあってたどり着くのも大変。まさに巡礼。

まずは有名な(?)トンネル。雨が強めに降っていたのですが、トンネルに入った途端音が遠くなりました。音を吸収する構造になっているらしく、しかも入ってしばらくは出口が見えないため、別世界への入り口としては完璧だなあ、宗教団体らしいなと。

miho トンネル 一枚目

いまは日本絵画中心の企画展が行われていて、人はある程度いたものの伊藤若冲の絵もじっくりゆっくりみることができました。若冲頼りでない展示で名品ぞろいでした

個人的に好きだったのは「清明上河図」と伝長谷川等伯とされている(らしい)「柳橋水車図屏風」です。どちらも公式ホームページで画像を確認することができますが、前者は写真では小さくて見えない動物や人々の表情、やり取り、建物のかわいらしい装飾(仮面みたいなのがありました)をじっくりみるのがとっても楽しかったですし、後者は写真では伝わりきらない「銀板で貼り付けられた月」の存在感が面白かったです

あと「眠り布袋図」はなんとも気の抜けた顔から鼻毛が出ていて笑ってしまいました。

美術館でこんなにじっくり絵をみれたのは久々です。周囲の喧騒から隔絶された地にあるこの館だからこそ、コロナ禍だからこそできたというのもあるでしょうし、見れば見るほど面白いモノが揃っているということもあると思います。

今回のタイトル写真は館内から撮影した相棒なのですが、ここからも自然に囲まれた神秘的な地というのが伝わるかなと思います!よい眺めでした('ω')

次に常設展。タイトルは「永遠の至福を求めて」と実に宗教じみたものですが、古代世界を概観するという大きなコンセプトに負けないモノが揃っていたと思います。

館内は撮影禁止のため画像は載せられないのですが、どうしても忘れられない一品があったので私が書いた似ていない似せ絵を恥を忍んでのせます。急いで描いたのでお目汚しになってしまいますがこちら。

miho 獅子 二枚目

常設展示の西アジアエリアにある「双獅子形容器」です。公式ホームページで画像と解説を確認できます。ぜひ一度ごらんください。(リンクはミホミュージアムのルール上、直接その作品のページに飛ぶようなものは貼れないことになっています。申し訳ありません。)


公式の画像でも伝わりきらないのですが、なんともまぬけな顔をしているのです。獅子ってもっと強そうなイメージありますけど、この子は〇カボンみたいな抜けが感じられます。

しかも片方の口に穴が開いているので、もしやここから水などが出るのでは…??(推測です)と想像をめぐらせてますますバ〇ボンみが増しました

他にも面白いものがたくさんありました。他ではなかなかみられない地域のものが一同に会していて、なんでこれがここに…??と何度も思いました(^

エジプトのモザイクガラスは「本当にこれが紀元前後に!?」と思うほど現代的で鮮やかでしたし、「鶏を銜える山猫形リュトン」は山猫がとっても凛々しくて魅力的でした。もの〇け姫のサンの母犬みたいな顔つきです。

miho 外観 三枚目

観覧中は、「解説が少ないなあ、モノは他の博物館と比べてとても充実しているけどやっぱり宗教施設だけあって『モノ』さえ見せればいいって感じなんかなあ」などと思っておりました。そう思ってしまうくらい常設展示の解説が少なくて。

でも帰宅後ホームページをみていたら丁寧かつまあまあな量の解説があることに気づきました、お恥ずかしい。決めつけはよくないですね

ただ年代が大雑把なものが多く、解説が全くホームページにない作品もあって、やはり展示中心の博物館なのだろうかとは思います。

初めて目にするようなものが多いとても素敵なコレクションだったので、ぜひ最低限の解説をつけてもらえたらな、あるいはホームページの解説へ案内してくれたらなと思いました。音声ガイドはあったんですが私は自分のペースで聞けない音声ガイドが苦手なもので。

近隣の館にはない名品揃いで、美術館の空間も異世界という感じがしてより作品に没頭できる環境が整えられていました。もしかしたら、そこに解説をつけるとじゃまになってしまうのかもしれません。ただホームページや展示場の空白の解説欄をみると、まだまだ研究の余地がありそうだな、研究部門にはあまり力を入れていないのかなとも感じます。

これはまだ一度訪れただけの人間の意見で、実際は研究にも同じくらい力を入れているのかもしれませんが、素人目にみたらそういう印象でした。

でも、「桃源郷」をつくるというこの館のコンセプトや展示全体をみるとそういう印象がより強くなりますし、これも宗教団体による美術館としては最適解なのだとも感じます。

miho カフェ 四枚目


実際、ここに行ってから秀明会が気になって色々調べました。宗教団体の宣伝やイメージアップといった面からみれば実にうまいなあとも思いますし、いいモノがいい空間でみれることは間違いないのでまた伺いたいです 

余談:企画展示室の出口のライト(?)が神々しくて好きです。ぜひ一度行ってみてください。

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