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辛抱に花が咲く🌼

10歳の頃、僕にとって
忘れられない出来事があります。

ある日、友達の家に行ったら
ハーモニカがあって、
吹いてみたらすごく上手に
演奏できたんです。

無理だと知りつつも、
家に帰ってハーモニカを買ってくれと
親父にせがんでみた。

すると親父は、
「いい音ならこれで出せ」
と神棚の榊(さかき)の葉を1枚取って、
それで「ふるさと」を吹いたんです。

あまりの音色のよさに
僕は思わず聞き惚れてしまった。

もちろん、
親父は吹き方など教えてはくれません。

「俺にできておまえにできないわけがない」

そう言われて学校の行き帰り、
葉っぱをむしっては
一人で草笛を練習しました。

だけど、どんなに頑張ってみても
一向に音は出ない。

諦めて数日でやめてしまいました。

これを知った親父がある日、

「おまえ悔しくないのか。
俺は吹けるがおまえは吹けない。
おまえは俺に負けたんだぞ」

と僕を一喝しました。

続けて

「一念発起は誰でもする。
実行、努力までならみんなする。
そこでやめたらドングリの背比べで
 終わりなんだ。

一歩抜きん出るには
 努力の上に辛抱という棒を立てるんだよ。
この棒に花が咲くんだ」と。

その言葉に触発されて
僕は来る日も来る日も練習を続けました。

そうやって何とかメロディーが
奏でられるようになったんです。

草笛が吹けるようになった日、
さっそく親父の前で披露しました。

得意満面の僕を見て親父は言いました。

「偉そうな顔するなよ。
 何か一つのことができるようになった時、
 自分一人の手柄と思うな。

 世間の皆様のお力添えと感謝しなさい。
 錐(きり)だってそうじゃないか。
 片手で錐は揉めぬ」

努力することに加えて、
人様への感謝の気持ちが生きていく上で
どれだけ大切かということを、
この時、親父に気づかせてもらったんです。

翌朝、目を覚ましたら
枕元に新聞紙に包んだ細長いものがある。

開けて見たらハーモニカでした。

喜び勇んで親父のところに駆けつけると、

「努力の上の辛抱を立てたんだろう。
 花が咲くのは当たりめえだよ」

子ども心に
こんなに嬉しい言葉はありません。

あまりに嬉しいものだから、
お袋にも話したんです。

するとお袋は

「ハーモニカは3日も前に
 買ってあったんだよ。
お父ちゃんが言っていた。
あの子はきっと草笛が
 吹けるようになるからってね」

僕の目から大粒の涙が流れ落ちました。

いまでもこの時の心の震えるような感動は、
色あせることなく心に
鮮明に焼きついています。

心に残るいい話  より

子どもは何もわからない、何にもできない、すぐ飽きるなんて思っている大人がいたら、大間違い。

子どもの本気をしっかり応援できる大人であって欲しいです。

子どもの本気に気づかずに、チョキンと芽をつんでいませんか⁉︎

親という字は 木の陰から見守ると書きます。

手を出し過ぎてもダメ
上から目線で監視するのもダメ

どんなに風に一歩踏み出すのか 内心ハラハラしながらもじっと見守り、
丁度いい道しるべとなるアドバイスができるのが
本物の大人ですね。
(カッコイイね)

親だって一生懸命に頑張って成長して、カッコイイ大人にならないとね❣️

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