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精度追及の限界/2007.11.03

これはモノづくりに関わっている方なら
皆さんが感じてることでは。
特に日本人は限界へのこだわりがあるので。

誤差ゼロの世界。
美しい言葉。
でもほとんどの場合ありえない。
特に人間が使う道具なら。
画像にあるのは乗られる方なら
ご存知の車輪のリムという部分。

このリムって車輪の中心にあるハブから
伸びるスポークで支えられています。
だからリムは左右上下にデコボコする状態を
専門用語では「振れる」と言います。
左右だけでなく上下でも。

この作業はある意味「単純作業」。
だからこそ作業は地味で簡単に見える。
でもこの作業は奥が深いのです。
プロならデコボコを無くせるか。

結論的にはほぼ無理。
なぜならば素材であるリムがデコボコ
しているから。
若い時は生意気にもこのデコボコって
無くせるんでは。と言い切った。
でもやればやるほど無理が解ってしまう。

これ世の中の森羅万象で起きることです。

完璧を求めると完璧から遠ざかる

そうなんです。
突き詰めるほど遠ざかる。
不思議です。
だからこそどこかで妥協しないといけない。
もちろんですが妥協点はプロならある意味、
かなり高い精度。
でも、振れが無くなるのかと言われれば
無くなりません。
そう答えます。

それはプロだからこそ。
プロならそのあんばいを知っているから。
それでも挑戦してくる方います。
私は素人だけどあなたよりも技術がある。

いや、プロは技術を売りにしているだけではなく
時間を大事にしています。
時間こそがお金を稼ぐ効率なので。

もちろん時間の使い方は全く違います。
まず素材を吟味してゴールを決めるから。
そうでないとゴールを精度ゼロにしてしまうから。
この頃には学んでいく過程でそれを痛感していました。

今でもその準備はたくさんの仕事の
ベースになっています

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