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メニューが思い浮かばないときは

…皆さん、どうされていますか?

先日、料理が億劫になったときの私なりの思いのあらましについて、書かせていただきましたが
今回はさらに具体的な形で、補足してみたいと思っています。
日々の料理についての考え方の一助にしていただけたら嬉しいです。

SNS等を通してご紹介している日々のかんたんご飯をご覧になってくださった方々から、ご相談を受けることが度々あり
その大半が、毎日なにを作るか考えるのが面倒で、ワンパターンに陥り行き詰まっている、というものでした。

例えば、毎日台所に立ち、自分や家族の健康を気遣いながら、頑張っていらっしゃる方。
共働きが多数を占める現代の家庭では、三度三度の食事を用意することは日常ではなくなっています。そんな中、2年前に急に非日常の日々が始まって、骨が折れると感じられている方も少なくないことでしょう。
また、反対に一人で暮らしていらっしゃる方。
少ない量、一人分を作る難しさからくる億劫は小さくないと、過去の経験から強く感じます。
食べたいものをすぐに宅配してもらえるようになった今、わざわざ手間のかかる自炊を選ぶ方が困難だというのもわかります。

もちろん、奇をてらわずにいつもの料理を作ることで十分なのだと思いますが、回数が増えると、食べることよりも作ることに飽きて、楽しくなくなってしまう部分もあるかもしれません。

仕事上で新たなメニュー案を考え出し、美味しそうな演出を加え、それを献立に組み上げる際に、これまでの経験から、気づいたことやずっと大切にしていることがあります。
その中で、普段の暮らしに役立ちそうな部分について、順を追ってお話ししてみます。

なんだ、こんなことでいいのか、と、肩の力を抜いて頂くことができたら嬉しいです。

今回は、メニューを考えることについて。

頂いた仕事のそれぞれのテーマに沿ってメニューを考えやすくなるきっかけなどについて、こつと言えるかわかりませんが、お伝えしたいと思います。

素材同士の共通点の利用の面白さや、助けてくれる味方を増やすことで、
自分のひと皿をつくることを、負担より楽しみとしてとらえられる部分が増えていくことを願っています。

(素材をスイッチしてみる)

新たなメニューを考えるときでも、ゼロから組み立てるのでなく、よく使っている身近な食材を、味わいや食感の似ているものとの交換を試してみることがままあります。その一部についてご紹介します。

旨味の強いドライトマトのオイル漬け
鉄火味噌(炒めた根菜入り八丁味噌)

砂糖→甘酒、ジンジャーエールの素、ジャム、マーマレード、メープルシロップ、無添加のドライフルーツ

塩→オキアミの塩辛、桜の花塩漬け、アンチョビー、梅干し、塩昆布、柚子胡椒

酢→柑橘果汁(レモン、ゆず、カボス、へべす、すだちなど料理にあうもの)らっきょう漬け、ケッパー、ピクルス、ヨーグルト、白梅酢、赤梅酢、がり

醤油→魚醤(ニョクマム、ナムプラー、しょっつる、いしるなど)納豆、佃煮、鉄火味噌

味噌→トマトペースト、ドライトマト、酒粕、コチュジャン、甜面醤、豆鼓、XO醤

マヨネーズ→ヨーグルト、豆乳とすし酢、粒マスタードとクリームチーズ

コンソメ→鰹昆布出汁、ベーコンとトマトの出汁、貝と生姜の出汁、ケチャップ

いりこ出汁→海老の頭出汁、魚のあら出汁、干物出汁、あたりめ出汁

サフラン→オレンジの果汁と皮、ターメリックとシナモン、クローブ

アンチョビー→酒盗,塩鮭、イカ一夜干し、塩ウニ

オリーブ→漬物(カリカリ梅、すぐき、奈良漬など)

ひよこ豆→レンズ豆、白いんげん豆、秘伝豆、かぼちゃ、さつまいも

鶏肉→加熱用まぐろ、帆立貝柱、いか

もちろん料理によって、微妙に合う合わないはあるでしょう。
そこで大切なのがこまめな味見です。
少しずつ加えてみて、交換できる組み合わせが見つかれば、そこからまたメニューが増えてゆく可能性が何倍にも広がります。
「少しずつ」と「こまめな味見」を習慣にすれば、大失敗することはありません。安心してご自分だけのそんな発見、見つけてみてはいかがでしょう。

(気楽な冷凍ストック)

週末に大量に買い出しをし、料理をたくさん作って冷凍される方もいらっしゃいます。
朝食にお弁当作りに、帰ってすぐの夕食作りなど、忙しい時間の助けになり、その渦中にある方には欠かせない強い味方になりますが、せっかくの休日にかなりの労力を要するわりに、一週間の献立のバリエーションが限定されてしまうこともままあります。
そういう時期を経て、今の私はもう少し気を抜いた冷凍ストックをお勧めしています。
買ってきてそのまま、切るだけ、乾物を水に漬けるだけ、などのほか、少しの残り物を次につなげたりすることなら、一連の片づけの延長で次々強い味方が増えていくことになります。また、炒め物や和え物に混ぜるだけで風味がつくキューブや、器に出すだけで調理のいらないものを冷凍しながら味付けしておくのもご紹介します。

◦そのまま…あさりやしじみなどの貝類、みそ、パセリ、ゆであずき、トマト(皮が剥きやすくなります。凍ったまますりおろすのも◎)水切りヨーグルト、ホエー、卵白

◦切るだけ…バター、小松菜などの葉野菜、かぼちゃ、玉ねぎ、アボカド、バナナ、きのこ類、ささがきごぼう、じゃがいも、とうもろこし、千切り生姜、ゆずの皮、レモンの皮、ネギ

◦フードプロセッサーでおろすだけ…にんにく、しょうが、たまねぎ、とろろ、大根、トマト、生わさび、蓮根、にんじん、じゃがいも

◦水に漬けるだけ(キューブ冷凍でも)…干し貝柱、桜塩漬け、干しエビ、干し椎茸、あたりめ
◦混ぜるだけ…味噌とねぎ、ハーブとバター、ナッツとバター、刻んだ刺身と玉ねぎ

◦茹でて汁ごと…ささみ、ごぼう、かに、玉葱の皮、塩豚、豆類、まぐろ、エビの頭、干物の骨、じゃこ、昆布

◦香味ミックスキューブ…スパニッシュ(おろしにんにく、パセリ、パプリカ、オレンジジュース)

イタリアン(にんにく、輪切り唐辛子、玉ねぎ、アンチョビー、トマト)

中華(にんにく、しょうが、五香紛、輪切り唐辛子、長ネギ、パクチー、搾菜、酒)

和(生姜、青じそ、みょうが、ごま、あさつき、みそ)

◦そのまま出せるごちそう冷凍キューブ…サーモンのおぼろ昆布巻き
燻製塩を塗した帆立貝柱
ハーブチーズ(温めると美味しい)
マンゴー、パパイヤなどフルーツの生ハム巻き

→わざわざ作るというよりは、残り物リメイクの考え方です。忙しい日の料理中につまみとしてすぐ出せる便利な存在になります。



幅広い料理に使える味方が冷凍庫で待ってくれているおかげで、ごく普通の汁ものにもおかずにも箸休めにも。
冷凍キューブなら、ぽんと加えるだけで、さまざまに形を変えて役立ってくれます。

もちろんあれこれアレンジするよりも寸暇を惜しんで作りたい、という方は、完成形の料理のストックをお作りになっていかれるのがよいと思います。

この気楽なストックは、自分の料理の拡がりを楽しみたいと思っていらっしゃる方に、特にお勧めしたいです。


在宅が増えることなどにより、何度も作るご苦労も増えたものの、通勤に費やしていた時間などが自由に使えるようになったということで、普段できなかったことを試すチャンスでもある、と前向きに考えてみると、億劫だったことも、少し変わって見えるのではないでしょうか。

#note #料理 #おうち時間を工夫で楽しく #家事の工夫 #メニューを考える #冷凍ストック

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