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父の唐揚げ

昨夜、久しぶりに父が夢に現れてくれました。
夢枕に立つ、というほどの啓示的な感じではありませんでしたが、私のプレゼントしたものに何かが足りず追加でまた買いに行こうねと言いながら過ごしていたところ、出かけ支度をしている私に「今から一緒に探しに行こうか」と照れくさそうに誘ってきた、という夢でした。
何か言いたいことがあったのかな。と気になっています。

少し父の話を。
父は船員だった頃に覚えてきた日本各地や外国の料理を、何度も家で再現しては家族や来客に振る舞うのが好きな人でした。
そんな中、唐揚げも思い出深い得意料理のひとつ。
いつも大量に揚げては「おいしいだろう?」「もっと食べなさい」と嬉しそうで。
その外側はいつも冷めてもカリッと、肉はジューシーでふんわりとしていました。

コツや作り方を教わる機会がないまま、大学入学とともに予定外にひとり暮らしを始めることになった私。
アパートの小さな台所で、何度となく挑戦してみたものでしたが、なかなかそれを再現することができず、火を通しすぎてパサつくことが頻回ありました。
また、臭みの下処理もしていませんでした。

ジューシー問題については、下味に溶き卵と油分を少し加えてしばらく置き、汁気を切ってから小麦粉や米粉に続けて片栗粉の衣を薄く丁寧につけて2度揚げすることで、近づいてきました。

臭みについては、切り分ける際に余分な脂を取り除いていなかったことが大きい差になっていました。骨付きの時は、レバーの下処理のように牛乳を使うようにしています。

少しずつは近づけているかも知れませんが、まだ何かが違うようで、作るたびにあの父の唐揚げの味と比べてしまっています。

唐揚げといえば、
最近は、期せずして韓国ドラマの「愛の不時着」の沼にはまってしまい、以来せっせと韓国のチキンを作っては、嬉しくなったりして。
プレーンも良いですが、おろしたチーズやヤンニョムソースをまぶしたものもなかなかいい感じです。

いつもの唐揚げとの違いは、臭みをとる牛乳に韓国唐辛子と塩でほんのり味をつけることと、バリバリ感を出すために、小麦粉または米粉と片栗粉の衣の一部に水を加えてバッター液を作り、絡めてから残りの衣をまぶすようにしています。
韓国風に、下味と揚げ油にもニンニクを効かせ、衣にも塩と韓国唐辛子を少々。
胡麻を振ったり、ポリ袋に入れて麺棒などで砕いたアーモンドやピーナッツをかけるとまた別のクリスピー感が加わり、美味しいと感じます。


いつもマイペースで周りを巻き込むところのある父。けれど温かく情に溢れ、憎めない人でした。
不器用な人で、共に暮らしていたときに褒められた覚えはありませんでしたが、同じ人かと驚くほどに孫たちを愛しんでくれたのをよく思い出します。

父から見た私はどう映っていたのでしょう。
そして今の私も。
何か頼りないところがあって、心配で伝えにきてくれたのかも知れません。

よくわからないけれど、なぜかぽかぽかと、
心丈夫な朝になりました。

#note  #料理 #唐揚げ #ヤンニョムチキン #父の料理 #夢

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