レモンの愉しみ🍋〜くだものの葉
我が家の小さな庭の左端に、レモンの木が植わっています。
苗木を植えてから6年めでやっとひとつ。
それからはどんどん増えて、毎年の収穫が楽しみになりました。
初めてできたそのレモンは、もう嬉しくてもったいなくて、
家人にいつ食べる?と聞かれても、なかなかもぐ気にならず、
眺めてはニヤニヤほくそ笑んでいたのですが、
そうやってぼやぼやしている隙に、
その尊いレモンがある日忽然と、
姿を消してしまいました。
容疑者は、毎日遊びに来る猫のはずはなく、
もしやハクビシン?タイワンリス?
はたまたタヌキか、アライグマなのか。
…こんなことなら、もっと早く味わっておけばよかった💦💦💦
なんて、私の執着、とどまること知らず。
レモンを失くした喪失感はまるで逃がした魚のよう。
とてつもなく大きく、美味しそうに思えるのでした。
でも、良いこともあったんです。
そうしてあるはずのない実を探して葉を幾つもひっくり返していたら、
指先が、何だかスキっ、といい香りに。
初夏の若葉は、気づかなかったけれどレモンの爽やかな香りにあふれていました。
この葉で、塩胡椒を振った豚肉とニンニクを挟んでしばらくオリーブ油でマリネし、葉ごと焼いてみました。
焼けたら楊枝を外し、葉を剥がしていただきます。
仕方ないので、市販のレモンを添えたりして🍋
きりっとした風味が移って、豚の脂もさっぱりとしました。
食いしん坊の庭。
見渡せば、食べられる植物だらけです。
このレモンと同じ庭に、種無しブドウも元気に育っているので、
謎の容疑者に次に狙われないよう、
袋でも被せなくては、と思っています。
ぶどうは、葉にもポリフェノールがたくさん含まれていて、ギリシャでもひき肉やスパイシーなピラフを包んだ煮込み料理があったりします。
レモンと違い、こちらは香りもクセもないので、
柔らかい葉をもらって、風味の強いイワシのすり身を巻いて焼いてみました。
柔らかいすり身でも、葉で巻くと扱いやすくなります。
新鮮なイワシ3尾を三枚におろしてザクザク切り、
アンチョビフィレ1枚、胡椒少々に白ワイン少々、コーンスターチ大さじ1を合わせてフードプロセッサーに入れて潰します。
刻んだセロリ1/4本とセロリの葉適量、炒って刻んだアーモンド5粒、ケイパー小さじ1をさっくり混ぜて、ぶどうの葉にのせてくるみました。
粗く刻んだアーモンドをさらにのせて、オリーブ油を多めにひき、中火にかけたフライパンで転がしながら揚げ焼きに。
ぶどうの葉がなければ、なんの参考にもなりませんが、
もしあったら、ぜひ一度お試しを。
こちらは葉ごといただけますし、
包む素材で、
洋風にも和風にも、また韓国風にもなれる面白さがあります。
愛しのレモンはどこかに消えたけれど、
代わりに葉で遊ぶ楽しみが増えて、
救われた気になれたのは良かった、と思うことに。
それにしても、誰が取ったのでしょうね。
ずっと謎のままです。
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