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なんもだ、、

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なんもだ、、

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無言中華

幼き頃の記憶というのは、とても不思議である。 鮮明でなくて、ボヤけているわけでもないのだけれど、なにかうっすらと夢のなかのシーンが脳の一部に浮かび上がるように油染みのようにこびりついている。 そして何故かそのシーンにまとわりつく感情だけは、くっきりと残っているのである。 感情は脳内でなく胸のなかにあり、ときに切なさであったり、恐怖心のような寂しさであったり、ざわざわとする胸騒ぎであったりする。 帝国海軍。 艶の無い真っ黒なアルバムのいちばん最初のページに、白い軍装に身をつつ

    • コレがあるから頑張れる!

      友人が千春のライブチケットを手に入れてくれた。 4月から始まる春の全国ツアー。 ツアーのタイトルは(友よ)。 北海道は2DAYSの開催であるが、その二日目である千秋楽のライブチケットは札幌のカナモトホールで開催される。 春のライブのファイナルのプレミアチケットなんです。 名古屋でのライブは熱田区にあるセンチュリーホールがお決まりのステージだけれど、札幌でのライブはカナモトホールが定番になった。 朝の大通り公園をぶらぶらと歩き、カナモトホールを何度も素通りしたけれど、まさか千

      • 群来

        小樽の駅を少し歩くと、札幌には無かった栄華の跡と旧い色の匂いが坂道を噴き上がってくる。 悲しげで淋しげな下町情緒が土産屋の他国訛りにかき消されてしまうが、それくらいがちょうどよろしい。 一年に数度、小樽の海が白く濁る。 鯡の群れが日本海の荒波を白くする。 恋しい街、小樽。 

        • 年に一度か二度、札幌を訪ねる。 新千歳空港に着いたときから、切なさと寂しさが胸の中にいっぱいあり、 あれも言おう、これも言おうとセントレアを発つのに、結局何も言えずに札駅の改札で手を振る。 お母さんをだいじにね たった一言だけ言って改札口を抜ける。 切ない切ない宝物の時だね

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        無言中華

        • コレがあるから頑張れる!

        • 年に一度か二度、札幌を訪ねる。 新千歳空港に着いたときから、切なさと寂しさが胸の中にいっぱいあり、 あれも言おう、これも言おうとセントレアを発つのに、結局何も言えずに札駅の改札で手を振る。 お母さんをだいじにね たった一言だけ言って改札口を抜ける。 切ない切ない宝物の時だね

          コテコテの名古屋人が喰う札幌飯

          お久しぶりのnoteです。 生きとるといろんなことがあり、、まぁそれを見知らぬ人々に晒すのは本意ではございません。 他人様がその色々を見聞きして心地の良ろしいことであれば大丈夫なのですが、それ以外は公に晒す必要はないのです。 悲しいことや苦しいことを愚痴の様に書いても仕方の無いこと。 札幌に行って来ました。 新千歳空港から快速エアポートを新札幌で下車して地下鉄に揺られ、そしてタクシーに乗り清田区にある絶品の洋食をいただきました。 (とわいらいと)札幌でも屈指の名店です。 ポ

          コテコテの名古屋人が喰う札幌飯

          衰えを認めること

          少し早く昼食をとっています。 残りわずかな残暑の日です。 名古屋から三重県の松阪市まで来ておりますが、任せた仕事の不具合の後始末です。 憂鬱な一日になりますが、ランチは一人でゆったりとできる喫茶店を選びました。 談笑しながら食事をするだけの心の余裕がありません。 通り過ぎることはあるのですが、学生時代に三重高校の相撲部と合同合宿がありそれ以来の松坂です。 他人様を想う気持ち、思いやる気持ちや力が驚くほどに衰えている。 体力の衰えとはちがう、胸のなかの諦めや悟りのバロメーター

          衰えを認めること

          今夜は若者の壮行会です。 大番頭の奥様の手料理と鹿児島のいも焼酎で新しい門出をお祝いします。 親父の郷里、霧島の朝日という極上に美味い芋焼酎です。 怒られても怒られても何故か笑顔で、、でも良く頑張りました。 苦節二十七年、、ゴミ当番からやっとここまできました。 おめでとう。

          今夜は若者の壮行会です。 大番頭の奥様の手料理と鹿児島のいも焼酎で新しい門出をお祝いします。 親父の郷里、霧島の朝日という極上に美味い芋焼酎です。 怒られても怒られても何故か笑顔で、、でも良く頑張りました。 苦節二十七年、、ゴミ当番からやっとここまできました。 おめでとう。

          世間様は三連休。 構内はかるく50度を超える。 40度超えの構内で1000度を超える火を使えば当たり前にこうなる。 いったい、なにをしとるんだろ。 怒りじゃなく、自分に呆れている。 こんな時は得体の知れぬ思考が脳をゆらゆらと漂う。 オタモイとは砂の入江という意味らしい。

          世間様は三連休。 構内はかるく50度を超える。 40度超えの構内で1000度を超える火を使えば当たり前にこうなる。 いったい、なにをしとるんだろ。 怒りじゃなく、自分に呆れている。 こんな時は得体の知れぬ思考が脳をゆらゆらと漂う。 オタモイとは砂の入江という意味らしい。

          日曜日、名古屋に相撲列車が来ました。 四年ぶりの相撲列車です。 色気のある瓶つけの香が、湯気のたつような梅雨の名古屋に帰ってきました。 世間様とは異質の世界が角界であり、その象徴が鬢付け油の甘い香。 懐かしくてほろ苦くて、若者であった自分が甦ることのできる甘く色のある匂い。

          日曜日、名古屋に相撲列車が来ました。 四年ぶりの相撲列車です。 色気のある瓶つけの香が、湯気のたつような梅雨の名古屋に帰ってきました。 世間様とは異質の世界が角界であり、その象徴が鬢付け油の甘い香。 懐かしくてほろ苦くて、若者であった自分が甦ることのできる甘く色のある匂い。

          効率だなんて、そんな無粋なこと。 たかだか一時間、たかだか一万円。 名古屋から札幌の直行便が就航した。 小牧から丘珠、着陸すればそこはもう札幌。 でも、あの感動を味わうことができない。 新千歳からの車窓。 快速エアポートの窓から現れる札幌の街がどれほど美しいか。

          効率だなんて、そんな無粋なこと。 たかだか一時間、たかだか一万円。 名古屋から札幌の直行便が就航した。 小牧から丘珠、着陸すればそこはもう札幌。 でも、あの感動を味わうことができない。 新千歳からの車窓。 快速エアポートの窓から現れる札幌の街がどれほど美しいか。

          地下道ではなくてチカホと言う。 ススキノのポールタウンから大通り、札幌までずっとチカホを歩いたことがある。 チカホの途中に古本を売る若い女子が居、少し薄暗いチカホの隅のワゴンに古いノベルズが沢山あった。 今思えば、実在するのかしたのかどうかさえわからぬ様な不思議な空間だった。

          地下道ではなくてチカホと言う。 ススキノのポールタウンから大通り、札幌までずっとチカホを歩いたことがある。 チカホの途中に古本を売る若い女子が居、少し薄暗いチカホの隅のワゴンに古いノベルズが沢山あった。 今思えば、実在するのかしたのかどうかさえわからぬ様な不思議な空間だった。

          小山田二郎画伯と詩集

          当たり前の様に、あぁ、、とやり過ごしたけれど、壷井栄さんの(二十四の瞳)を僕はニジュウヨンのヒトミと言ったことに少しだけ赤面していた。 ニジュウシノヒトミが正解らしい。 尊敬してやまない文豪がこんなことを言っていた。 自身の作品が本になった暁には、二郎さんのお化けの絵で表紙を飾りたい。 それが小山田二郎画伯の作品との出会いである。 ヒンヤリとした空気が画像の向こうからも頬をかすめた。 衝撃というよりも、一瞬フリーズしてしまうほどに眼がはなせなくなった。 文豪は二冊の名著の表

          小山田二郎画伯と詩集

          煙突の見える街

          昔、、朝一番の新幹線に乗って川口という街によく行った。 埼玉の川口である。 名古屋から人でごった返す東京駅まで出て、それから京浜東北線でSOGO百貨店が聳え立つ川口駅まで行く。 好きだった女がいつも迎えにきてくれて居り、まずは彼女の実家に挨拶に伺い、おばあちゃんの好物の大和屋の守口漬けを置き、お茶で一服してから彼女の暮らすマンションに向かった。 高層の窓から煙突があちこちに見える、小さな町工場が立ち並ぶ街だった。 彼女が名古屋の大学を出て、僕と同じ会社に勤めていたという他愛

          煙突の見える街

          弘前のリンゴ

          日曜日、少し早く仕事を切り上げて友人の経営する美容室に行く。 年末の慌ただしさで、2週に一度の散髪が久しぶりに3週の間隔になってしまった。 外見を気にする歳でもガラでもないけれど、自分に対して細やかなケジメの様な感覚で若き頃からずっと続いている習慣だ。 毎年、年末になると弘前から旬のリンゴが届く。 どんなリンゴよりも青森のリンゴは美味いと僕は決めつけている。 スカッという歯触りと爽やかな香りはいつ喰っても最高に美味い。 貰うから喰うのではなくて、なくなれば取り寄せてでも喰う

          弘前のリンゴ

          小樽、薮半。 小樽駅前の大通りを一本だけ裏道にある酒房。 小樽の古き良き栄華がそのまま実在する。 決して反体制派ではない。 ただ、不撓不屈貫いた人間には尊敬と憧れを抱いてしまう。 この道を多喜二が歩いたのかと思うと、悲しみと悔しさが湧き上がる。 必ずまた訪れる道と名店です。

          小樽、薮半。 小樽駅前の大通りを一本だけ裏道にある酒房。 小樽の古き良き栄華がそのまま実在する。 決して反体制派ではない。 ただ、不撓不屈貫いた人間には尊敬と憧れを抱いてしまう。 この道を多喜二が歩いたのかと思うと、悲しみと悔しさが湧き上がる。 必ずまた訪れる道と名店です。

          出会うことは感じて学んで近づくこと

          久しぶりにゆったりとした時間を過ごせました。 人が訪ねてきたり訪ねていったり、年末年始の慌ただしさもあっという間の一瞬でした。 今年もよろしくお願い致します。 時間があろうがなかろうが必ず手にとる書があります。 人や俗世の侘び寂びなんぞカケラも感じることのなかった若い頃に出会った書です。 奥深い人の優しさと温もりと、常人では持ち得ることのない人を思いやる心根の大きさに圧倒され、この人が触れたものをなんでもいいから手元に置きたいと思いました。 自分という人間が蟻のように小さ

          出会うことは感じて学んで近づくこと