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弘前のリンゴ

日曜日、少し早く仕事を切り上げて友人の経営する美容室に行く。
年末の慌ただしさで、2週に一度の散髪が久しぶりに3週の間隔になってしまった。
外見を気にする歳でもガラでもないけれど、自分に対して細やかなケジメの様な感覚で若き頃からずっと続いている習慣だ。

毎年、年末になると弘前から旬のリンゴが届く。
どんなリンゴよりも青森のリンゴは美味いと僕は決めつけている。
スカッという歯触りと爽やかな香りはいつ喰っても最高に美味い。
貰うから喰うのではなくて、なくなれば取り寄せてでも喰う。


子供の頃に、青森駅の前にあったリンゴ屋で、かたい青リンゴをまるかじりしたときのあの甘酸っぱさを忘れることはない。

そしてリンゴをかじる僕の顔を笑って見つめる祖母の優しい顔も絶対に忘れることはない。


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