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架空のアンソロジーを編む

・はじめに
 タイトル通り、架空のアンソロジーを編む、という本は、実は商業出版されています。サムネイルにもなっている小鷹信光『〈新パパイラスの舟〉と21の短篇』などはその好例ですし、長篇についても、架空の世界文学全集を編む、という本が出版されています。
 また、ミステリ評論についても、小森収編『ベスト・ミステリ論18』(宝島社新書)というものが出版されています。
 ここでは、個人の趣味で架空のアンソロジーを選んでみたいと思います。

・テーマは「ハードボイルド評論」
 独自のアンソロジーを編むのに、テーマを何にするかは重要です。私は自在に短篇ミステリを選べるほど慣れていないので、ここでは大雑把に「ハードボイルド評論」について選んでみたいと思います。小説ではなく申し訳ないのですが……。

・選んだもの

・「一視点一人称」結城昌治

・「彼らは殴りあうだけではない」都筑道夫

・「ハードボイルド・ララバイ」小鷹信光(『小鷹信光・ミステリー読本』より)

・「単純な殺人芸術」レイモンド・チャンドラー

・「人物造形」ローレンス・ブロック(『ローレンス・ブロックのベストセラー作家入門』より)

・「黒い誘惑––––初期ノワール小説について」諏訪部浩一(『ノワール文学講義』より)

・「『マルタの鷹』序文」ダシール・ハメット

・「「マンハント」を作った探偵たちと訳者たち」鏡明(『ずっとこの雑誌のことを書こうと思っていた』より)

・「ヴェールを脱いだ「第二の光臨(ヘイロー)––––『悪魔の栄光』ジョン・エヴァンズ」」法月綸太郎(『法月綸太郎ミステリー塾 海外編 複雑な殺人芸術』より)

・「ハードボイルド雑感」原尞(『ハードボイルド』より)

・「暗く澄んだ夜の叙景の」霜月蒼(『日本ハードボイルド全集5 結城昌治』解説より)

・「テス・モナハン ローラ・リップマン」ローラ・リップマン(オットー・ペンズラー編『ヒーローの作り方』より)

……自分が選ぶとしたら、とりあえずこのあたりでしょうか。並べる順番は悩みますが、時代順でもいいかもしれませんね。まだ思いつくものはありますが、おそらく本にするわけでもないので今の気分では、といったところでしょうか。
 「これがないぞ」、「あれも重要じゃない?」みたいな話はいくらでも出てくるでしょうが、今の私の読書量ではこれがある意味で限界ということで……。力不足ですみません。
 ただ、一度やってみたかったんですよね、こういうの。

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