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なにが違う? オウンドメディアでの編集とクライアントワークでの編集

「やんまさん。中途採用でカジュアル面談する方から、オウンドメディアでの編集とクライアントワークでの編集の違いや共通点を知りたいと事前質問をいただいているのですが、コメントを頂戴できますか?」

ある日、上長から相談があり、この機会にオウンドメディアでの編集とクライアントワークでの編集の違いや共通点をまとめることに。

このnoteでは、その時にまとめた内容をご紹介しようと思います。読み進め
ていただく前に一つだけお断りさせてください。

今回の比較は、私がコンセント入社前に在籍していた会社でのオウンドメディアの運用経験とコンセントでのクライアントワークでの編集経験に基づいた私独自の意見になります。そして、これから挙げていく例は、どちらが良い悪いかではなく、皆さんに「こんな違いがあるんだ」と気づいてもらうためのものです。とくに私のようにオウンドメディアの編集からクライアントワークとしての編集に挑戦しようと思っている方の参考になれば嬉しいです。

私のキャリア。ウェブメディアの編集者からコンセントへ転職

あらためまして、コンセントのコンテンツ・ストラテジストの山本将志です。あだ名は「やんま」です(小学生のときから)。コンセントには中途採用で入社し、前職では音楽情報を扱うウェブメディアで編集長を務めていました。

その会社は社員数5〜8人ほどでしたが、業界内ではだれもが知っているウェブメディアでした(ただし、かなりニッチなジャンルです)。小さな会社だったのでメディアの運用に関わることは、ほぼすべてを個人個人がやっていました。ちなみに社長1人、経理1人、編集・営業3〜5人、エンジニア1人くらいの体制です。

コンセントに転職してからは、企業のコーポレートサイトに掲載するコンテンツを作ったり、販促のための印刷物やLPを作ったりと、コンテンツを通じてクライアントの抱える課題解決をお手伝いしています。

オウンドメディアでの編集とクライアントワークでの編集で違う4つのポイント

では、ここから私がこれまでの経験をもとに気づいた「オウンドメディア」と「クライアントワーク」での編集の違いを挙げていきます。

1. 伝えたい人の興味や文脈が違う

特定のメディアにはエンタメ系やビジネス系など、扱う情報の大テーマがあって、前提としてその大テーマの情報を求める人が集まります。なので、すべてのステークホルダーがそのテーマに強い興味や関心を持つ人。私の前職の場合は「みんな、音楽が好き」で構成された環境・世界だったと思います(外に出て痛感します!)

一方、コンセントのように、さまざまな業界でさまざまな事業・サービスを展開する顧客を持つ会社でクライアントワークをする場合は、世界ががらりと変わります。社内のメンバーもクライアントもその先の消費者もそれぞれ異なる興味や文脈を持った人たちです。そういった人たちに理解・納得・共感をしてもらうためには、オウンドメディア編集時とは違うコミュニケーションの仕方が必要になると思っています。人への説明がどんどん丁寧になっている印象です。

2. 企画から制作に入るまでのプロセスが違う

これは1つ目の例えの延長線上にあることだと思っています。オウンドメディアでの編集のときは、自分のやりたい企画があり社内で承認を得て制作、公開する流れでした。毎週月曜日に編集会議を行っていたのですが、エクセルやワードに箇条書きでネタの一覧を出して説明することもあれば、パワーポイント1〜2枚の簡単な企画書にまとめることもありました。今に比べるとかなりラフなコミュニケーションです。同じ職能や共通言語をもった人が多くいた環境だからできるコミュニケーションだったと思います。

クライアントワークは、相談を受けその課題を解決する自分なりのベストな企画を提案し承認を得て制作、納品する流れです。流れ自体はあまり変わらないのですが、クライアント企業が消費者に伝えたいことと、自分が消費者に伝えたら良いと思うことにズレがあると話が進みません。ズレが多少あることは普通だと思いますが、クライアントに企画を理解・納得・共感をしてもらいズレをなくしながら進めていくことが求められます。コンテンツを作るための編集とは別に、クライアントや社内メンバーに理解・納得・共感してもらうための編集を行う必要があります。「オウンドメディアでの編集とクライアントワークでの編集、何が一番違う?」と聞かれたら「ココ!」と答えるかもしれません。

3.取材から初稿制作も違う

オウンドメディアの場合、例えばアーティストへの取材のとき、テーマに沿い聞くべきことはあるけれど、世に出ていない情報を得ることも大切です。なので、取材中に話の脱線はウェルカムでした。あるアーティストは、最近盆踊りにハマっているというので、本題に影響しない範囲で盆踊りの話題を広げていきました。また日常の思いつきがそのままコンテンツになることもあります。休みの日に妻と下北沢のレコードショップを回っているときに、レコードに興味のない妻の発言がおもしろくて、こっそりメモを取り、私と妻のやり取りをコンテンツ化なんてこともしました。

クライアントワークでは企画が通り伝えるべきことが決まると、理想的な状態の原稿がうっすら見えています。取材も執筆もデザインも、いかにこの理想的な状態に近づけるかが編集の腕の見せどころかもしれません。下書きした絵をいかに完成度高く仕上げるかに注力しています。

4.インプットとアウトプットの量が違う

オウンドメディアに携わっていたときは、ニュース記事のような小さなものも含めると毎月50〜60記事程度作っていました。思いついた企画をすぐ形にできる環境でしたし、いろいろなアウトプットが試せました。しかしアウトプットに追われインプットすることが難しい環境でした。

クライアントワークでは、社内・クライアントへ合意を取りながら進めていくので、比較的ひとつの案件に時間をかけられることが多いです。オウンドメディアに携わっていたころよりインプットに充てられる時間は増えましたが、アウトプットの数は減りました。アウトプットをしないと身につかない能力もあると思っているので、意識的にアウトプットの量を増やす必要があると思います。

編集という行為において変わらないこと

これまでは違いについて書いてきましたが、もちろん変わらないこともあります。

編集者としての働き方でいうと、取材を終えて制作から納品までは変わらないと思います。私のようにオウンドメディアの運営に携わっていた人がクライアントワークの編集を行うことになっても、制作から納品まではギャップを感じずに業務をこなせると思います。

変わらないことでもうひとつ大きなポイントが。それは、伝えたいことを・伝えたい人に・伝わる状態にする方法を考え実践する行為を「編集」と呼ぶとしたら、オウンドメディアの編集もクライアントワークの編集も、根本的には変わらないと思っています。関わったものが、世の中に出たときの喜びや達成感も同じです。

編集者として欲張りでありたい

今回の比較を通じて、自身の行なってきたことを頭のなかで巡らせました。オウンドメディアの編集とクライアントワークの編集を両方経験をして、どちらをやりたい? と聞かれたら「両方やりたい」と答えてしまいそうです。

あれも知りたい、これも知りたい。そんな欲が私は勝ってしまうのです。