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DeSci.Tokyoでの刺激(4/15-16)。素晴らしかった。

どうも。シチズンサイエンス研究センターの森田です。4/15-16でDeSci.Tokyoというイベントに参加をしてまいりました。

https://desci-tokyo.jp/

プレイベント含め最高でした。企画・運営をされた皆さまに本当に感謝申し上げます。

海外・国内から新しい研究の仕組みや在り方を模索するお話を伺い、そしてその実践者の皆さんと出会い、刺激だらけでした。

イベントレポートというまでのものではありませんが、シチズンサイエンスや経営学的な観点に引き付けたときの雑感メモをとりあえず。

シチズンサイエンス

プレイベントで行われたSafecastのAzbyさんのLT。
放射線を市民と一緒に測定するシチズンサイエンスに取り組まれているけども、今回のキーワードは「Trust」。市民科学はブラックボックスになりがちな中央への監視という意味合いが昔はありましたが、中央集権的でないオープンなデータが信頼に繋がるというのは良く分かります。

ただこれだけではなくて、市民でも正確なデータが取れる測定機器の開発、作り方のオープンソース化、さらに測定機器をワークショップの形で参加者と一緒に作るところから始めたり、同じ測定機器を持っている者同士でコミュニケーションが生まれたり。

「この測定機器は『信頼を生むメディア』という理解でいいですか?」とAzbyさんに問いかけると「その通り!」と。

シチズンサイエンスの中に、サイエンスコミュニケーションやチームビルディングなど様々な取り組みが込められており、それらが科学や取り組みへの信頼を作っていく(良い意味でのトラストレスにも繋がりそうなので、信頼を生む、という言い方は適切でないかもですが)というのは大変学びになりました。実際にシチズンサイエンスのプロジェクトを組む時に、Trustという視点を考えて設計するのはいいですね。

少し経営学的な視点も

DeSciに関わるものとしてDAOがありますが、自律分散型組織という点では少し前に「ティール組織」や「ホラクラシー型組織」が注目され、それについて神戸大学の服部先生が下記のような見解を出されていました。

中央集権的ではない新たな組織の在り方というのは、上記記事にもある通り、組織論では昔から議論をされてきたものでもあります。ですが、この本に服部先生が着目された点は下記の通りでした。

私がこの本に注目したのは、それが過去の議論の焼き直しであろうとなかろうと、新しい「組織」のあり方を論じていながら、同時に、組織の中の個人の「自由」や「幸福」や「成長」の問題を積極的に論じているからです。

上記「新しい組織のあり方」より

上記の観点を踏まえた場合に、DeSciやそれに伴うDAOなどのコミュニティにおける研究者の幸せや成長とは?という点は考えてみたくなりますね。それは下記の人文・社会学系で活動されているDe-Siloは検討もされていれる感じもしますが。

リーダーシップやコミュニティ、おそらく私が途中帰宅してしまった後に話されていただろう運営の大変さなど、マネジメントや組織論的な観点での関わり方もできそうな余地は大きそうです。

大きな意味での研究支援と言えるのかもしれませんが。

帰りの飛行機でも頭はグルグルと動き、その一部だけでも下記のような視点が思いついたり(その他にもたくさん)。

・RAや組織論的な観点からのDeSci
・信頼とシチズンサイエンス
・福祉社会において公共と民間の間に横たわる課題解決に関わるシチズンサイエンス(シチズンイノベーション)と、その活動や貢献を支えるDeSci
・無邪気な好奇心が促す市民の研究による既存研究システムのトランスフォーメーション

愉しかったです。着陸したら良い意味でぐったり。

他にも様々な出会いがあって書ききれないのですが、世界の研究の仕組みをポジティブに変えてみたい人たちが集うのは良いものですよね。重ね重ね感謝申し上げます。

雑居ビルでよいカレーとも出会いが。

ホロホロの豚肉

そしてまた、今日も一日頑張ってみよう。

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