展示会場は今年もわくわくワンダーランド
展示会場は、いつものことながら、白杖、補助犬、車いすのユーザーで一杯である。手話や触手話で会話している人も見かける。上の写真は視覚障害の方向けの展示ブースだが、電動車いすのお客さんが来ている。またこのマガジンの表紙になっているアマゾンのブースにも、視覚・聴覚・肢体不自由と、たくさんのお客様が来ていた。聴覚や発達、精神など見えにくい障害の方も多数参加していることを考えると、ここでは障害のない人の方が少数派だと思う。
今年もソニーブースではアイボが大人気だ。連れ合いも、当然ながらアイボとツーショットを撮る。カワイイロボットは、日本のお家芸である。
キーボードの展示では、ディスレキシア(識字障害)用というものが出ている。他のものとどう違うのか聞いてみた。キーの種類や母音子音で、微妙に色を変えているのだ。入力する際の支援になりそうだ。
で、展示会初日は、なんと会場でワインがふるまわれている!オープニングだもんね。けっこう良いワインである。おつまみも悪くない。有難く何杯か頂く。問題はここで足が止まってしまい、他のブースへ行けないことだ。。。この日の展示会場めぐりは、ここで終わってしまった。
今回は、あまり多くの展示に行けなかった気がする。セッションに参加する時間が長かったからだ。Googleは別の展示会に行ってしまったようで今回は居なかったが、Amazon、Sonyなどのブースはいつ見ても大にぎわいだった。この数年、全盲のカーレーサーが運転するというコンセプトで、赤いレーシングカーを持ち込むというド派手な展示をしていたイスラエルの会社、OcamMyeyeが居ないなあと思って探していたら、小さなブースで展示をしていた。申し込みが遅くて、大きなブースに当たらなかったとのこと。でもがんばっているようだ。韓国、台湾、インドなどからの出展も目立つ。どこの国も、世界のICT市場進出にはアクセシビリティが必須だと理解していて、開発はUD前提で進めているのがわかる。ATも、面白いから参入するのだろう。
日本から出展していたのは、毎度おなじみ、日本テレソフトさんである。軽くて使い勝手の良さそうな点字のピンディスプレイを出していた。数少ない日本の支援技術企業として、がんばって続けてほしい。会場展示はしていないが、もちろんKGSさんは会場には来ている。点字ピンのシェアは世界一である。このCSUN会場で、世界の各社と商談しているのだ。ここにも、小さな大企業がいるんだよなあと実感する。
この周辺のブースは、触ってわかる点図を表示する機能などを紹介している企業が固まって展示しており、いろいろ試せるのが面白かった。
フィジカルに触って理解するこのようなタイプのデモは健在だが、ソフト系はかなり様相が変わってきた。「このQRコードからダウンロードしてみて。君のスマホで説明するから」といった企業がものすごく増えたのだ。ただ、これは残念ながら、日本仕様の私のiPhoneにはダウンロードできない、または動かないというものが大半で、かなり残念だった。
かつてのCSUNでは、大量の紙をもらうもので、帰りのトランクはかなり重かった。あのような紙のパンフレットはもう存在しない。QRを読み込んで、プレゼンをダウンロードするだけだ。ま、アクセシブルでいいのだが。でも、チョコレートやキャンディは配っている。
韓国の企業だったか、点字を学べるツールキットを出していて、これは可愛かった。LEGOのセッションでは点字レゴでかなり遊ばせてもらったが、こういった楽しいツールがあれば、障害のない人も楽しく点字が学べるのに、と思う。ま、でもダブルバイトの日本では同じようには使うのは少し難しいかもしれない。
また、聖書もフリーで、いろんなフォーマットで配布している。ちょっと色の趣味が悪いかなという気もするが、色覚の人にもわかるためかも。触ってわかる紙芝居のようなものもある。Daisyバージョンのものは、プレクストークでデモしていた。他にもテキストファイルやオーディオブックもあるらしい。聖書のアクセシビリティは、大事である。日本でも、聖書は音声版やDaisy版、スマホアプリもあるようだ。だが、例えば般若心経をテキスト化したとしても、そのまま読上げるのは難しいと思うので工夫が必要かもしれない。オーディオブックやDaisy版はまだ見つけていない。
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