私の今(28歳銀行管理部門勤務、転職活動中)

私は今まで自分で自分の人生を決めてきた。
くだらない話かもしれないが、
高校では続けてきた吹奏楽を辞め、軽音部に入部したし、
人前で話すことが好きで、伸ばしたいと思ったから、誰もやらないスピーチコンテストに申し込んだし
大学も目指したいところまで100%努力して、叶わなかったが、そこそこ満足いく大学に入ったし
大学でも自分にとって必要だと思う塾講師のバイトや、サークル活動に勤しんできたし、留学もした

全部自分の判断だった。
それが誇りで、それしか、自分の価値を証明してくれるものはないと信じてきた。
『自分で考えて、自分で決めたことで生きてきた』ことこそが、自分の価値であると。

最近、生活がぐちゃぐちゃになる出来事があった。

いまの部署に配属されてから、やたらと気にかけてくれる男の上司がいた。
事あるごとに、「期待している」「自分のようになってほしい」と言われ、この会社で出世して、社会に貢献したいと素直に思っていた私は、その期待に応えなくては、と毎日必死になって働いた。

その上司に引き上げられる形で、新しいチームに入った頃から、様子がおかしくなった。

自分以外男性のチームで、チーム長からは事あるごとに「残業するやつは無能」だの、「あいつ(他のメンバー)は無能だから俺が首にしました」だの、「お前気持ち悪いんだよ」だの、好き放題言うタイプの人だった。
他のメンバーは良くも悪くも上司に絶対服従で、誰も歯向かう人はいなかった。新しい仕事の上にそんな人間関係の中、例の上司から段々と、ただ期待していると言われる以上に、2人で食事に誘われたり、家までついて来られることなどがあり、そんなことが重なるうちに、私は仕事に集中できないことが増え、ミスを連発するようになった。

以前なら冷静に対処できるようなミスがどんどん重なり、仕事中にパニック障害のような発作がおき、全身から汗が出て、何も考えられず、とにかく謝罪して回った。帰りは毎日発作のように涙が出て、友人といるときも突然泣いてしまうことが増えた。私は限界だった。

逃げるように、ハラスメント相談窓口へメールで連絡して、返信が遅いことに耐えきれず、休みに電話窓口へ連絡して、泣きながら状況を伝えた。人事部からは休職の方法を教えてもらい、決死の思いで上司に相談し、その次の日から、長期の休みに入った。

そして今、そのまま休んでいる。

だが、ただ休んでいる罪悪感から、とりあえず考えることをやめたくて、転職活動を始めた。28歳で、入社5年目、2年は支店勤務で、なんの役職もない私を取ってくれる会社はなかなかなく、頗る落ちた。多分100社くらい。
でも別によかった。誰も必要としていないと思うと悲しかったけど、何かしてるだけで気が紛れた。だって今まで通り、私は私の判断で、何かできていると思えたから。

そしたら、100社くらい落ちたら、さすがに上手くいくようになった。
以前誰かのnoteであったように、「中途は採用に時間をかけれないから、書類で通ったところは面接で通る確率が高い」という話は本当だった。
書類が通った会社の70%くらいはトントン拍子に内定まで話が進んだ。

でも今、急に立ち止まってしまった。

私はずっと、今の自分よりもっと上へ、成長して、身を削ってでも、この世界に何かを残したい、それができなければ意味がないとまで、思って努力してきた。
転職活動も、そんな気持ちを呼び起こして、べらべら喋れたから面接は通った。

結果、受かった企業は有名な、高給取りな、でも厳しいところばかり。

プライドが高い私がそんなところばかり受けていたからだ。

でもこれでいいのかな。

今回の一件で、パニック障害のようなものを発症して、誰かに迷惑をかけていると思うと耐えられなくなる人間だということがよくわかった。
28年かけて出来上がった、「努力しないと意味がない」という自分を責める人格が、自分を追い込むばかりで、自分を労ってこなかった結果こんな事になっているということも。

思い返せば、パニックになることは今までよくあったし、精神的に追い詰めれて、奇行に走ることも、思考力が落ちることもあった。
自分の限界サインを無視して突っ走ってきたが、それが自分を傷つけてきたのだ。

そのことに今、やっと気づくことができたタイミングで、自分のプライドを優先して高給の仕事につくなんて、同じことの繰り返しじゃないか?

でも、私はまだ走っていたい、という思いもある。

自分の精神の弱さを理由に、自分が落ち着いてできる範囲の仕事をして、そこそこの給料をもらって、退職金をもらうことを目指していきたとて、その人生は私には魅力的だとは思えないんだ。

壊れるまで走りたい。
今回の一件で自分がどういう人間かわかったはずだから、次はもう少しうまくやれる。

私の中の2つの人格がずっと言い争っている。

もっと労ってくれ、もっと楽をさせてくれ、いや、お前が無理をして、痛みを感じない限り、成長することはないのだ!成長しないと、生きる価値もないのだ!そんな事を言ったって、お前にそんなこと、できるのか?仕事もできるわけではないのに。

新卒で入社した今の会社まで、言ってしまえば日本人のレールに乗った中での判断だったのかもしれない。

同世代のピラミッドで、どこに所属したいのか、それを目指して生きてきた。

でも今、本当に自分が幸せになるための選択を迫られている。

そんなの、したことがない。
自分が幸せになるためになにか判断をすることがこんなに難しいだなんて。

もう少しだけ時間がある。

「王道の日本人ルート」から最後の指を外して、崖から落ちてしまえば、もう二度と戻れないのかもしれない。

落ちてしまったら案外、こだわる価値のないものなのかもしれない。

いつしかの自分が褒めてくれるような、答えを出したい。



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