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特に好きなイラストレーターさん③

 どうもです。

 今回は、好きなイラストレーターさんをまとめた記事の第3回目。これにてラストになります。1回目と2回目の記事をまだ読まれてない方は是非こちらも読んで頂けると嬉しいです。

 紹介する際、イラストを直接貼る事はできないので、Twitterやpixivのリンクを貼っておきます。所持品やイベントで撮った写真等がある場合はそれも。気になったイラストレーターさんがいれば、是非作品を観にいってみてください。では、ラストを飾る10名です。どうぞ!!


21.深崎暮人(みさきくれひと)

Cradle(クレイドル)-深崎暮人画集-【限定版】と特典ポスター

 2005年、黒谷忍とサークル「Cradle」を主宰し、同人活動を開始。その後間もなく雑誌『マジキュー』で商業デビュー。以降、イラストレーターとして、PCゲーム原画、ラノベ挿絵、漫画雑誌、CDジャケットイラストなど、一般・成人向け問わず幅広く活動中。恐らく、『冴えない彼女の育てかた』(著:丸戸史明)でご存知の方も多いのではないかと思います。

 深崎先生はイラストレーターとしての経験が豊富なのもあって、技術力や表現力は次元が違う処にいらっしゃるお一人かなと思います。初めて画集が出た頃の瞳が大きい、雰囲気重めのしっかりとした絵柄が大好きなんですが、それこそ『冴えカノ』を境に、よりライティングが強調され、色遣いが豊富になった最近の絵柄も勿論好きです。髪のボリュームから身体の細部先端まで全体的に立体感を大事にしているのは、変わらない印象を受けます。商業的に構図や表情が限られてしまう場面が多い中で、その立体感含めたクオリティアップを図る為に、塗りを進化させていったのかなと思います。陰影の付け方や、輪郭の反射光の付け方も分かり易く繊細になっていきました。背景があるイラストでは、リアルな奥行感、空気感の演出が凄いです。
 あとはもう純粋に美少女に於けるキャラデザ力が半端ない。数え切れない程の美少女を描いてきた賜物ですね(笑)

 『冴えカノ』に関しては一段落した様で、画集の下巻が4月に発売されます。最近でも成人向け雑誌の表紙や版画展でよくお見かけするので、今後とも変わらず深崎先生のイラストは追っていけそうで嬉しい限りです。



22.アシマ

C95参加時に頂いたサークルポスター、一点物なので家宝

 2016年頃から活動開始。同人サークル「flourish(フラリッシュ)」を主宰。その他、同人音声や同人音楽のジャケットイラストでもお見かけする事がありました。商業では目立った活動はそこまで多くないですが、公式ファンイラストやMVイラスト、ライトノベル挿絵、アプリゲーム『アークナイツ』のキャラデザも手掛けていらっしゃいます。

 アシマ先生と言えば、花と美少女。花そのものをテーマにする事もあれば、花言葉や花の色などのテーマもあって、本当に花が好きなのが窺えます。実際、ご自宅にもお花が飾ってあったり、ハーバリウムがあったりするそうです。オシャレですわ(笑)
 花があるお蔭もあって、全体的に美意識が高く、鮮やかに仕上がっています。線も塗りも丁寧で本当に綺麗だなと思います。そして、花と美少女、どちらも浮く事がない様に完璧に調和が取れているのが素晴らしいです。さらに言えば、テーマに合わせて、花と美少女がリンクする様に衣装をデザインし、表情を魅せてくれているので完成度も高いです。ガッツリ背景があるイラストでは、かなり絵作りにこだわっている様に感じます。サイズ感や奥行き、雰囲気などですね。エモーショナルな感じが強く、パッと見で印象が伝わってくるので、引き込まれるはずです。

 最後に私的な話をすると、オリジナルイラスト集を通販で買えてはいるんですが、もう数年会場でお逢いできていないのが寂しいなと。割と初期から好きなイラストレーターさんで、初めてサークルポスターを頂けた方でもあるので、想い入れが強いです。早く元のコミケに戻ってと願うばかり…。



23.おにねこ

おにねこ先生がジャケ写を手掛ける、Imy(アイミー)のアルバム+EP

 2007年より活動開始。同人では他のイラストレーターさんと合同イラスト本と云う形で出される事が多いです。また、同人音楽のジャケットイラストを数多く手掛けていらっしゃいます。中でもImyでは専属(オススメ)。商業では書籍やTCGでの活動が目立ちます。今はもうプレイしてないですが『神撃のバハムート』や『シャドウバース』ではお世話になりました(笑)

 ファンタジックな世界を描くイラストレーターさんの中で最も雰囲気が強烈で好きです。ここまで非現実性を高め上げた完成度は他の追随を許さないなと。特筆すべきは水彩塗りのテイストを加えた厚塗り。ほぼ全体に使用された水彩塗りをベースにして、数種類のブラシを使い分けているそうです。ハイライトからぼやけた質感まで自由自在に重なられた色達。この多彩さと深みある幻想的な光の演出が、独特の神秘的な雰囲気を生んでいるなと思います。重厚なんだけど柔らかさもある、何とも言えない繊細な塗り。一目でおにねこ先生のイラストだ!って認識できます(笑)
 また、ファンタジックな世界観にリアリティを持たせる為に、現実世界の建築物の写真をテクスチャとして使用する事が多いそうです。衣装のディテールまでにもこだわり、ファンタジーだからと云って作り物感を出さず、如何にも存在するかの様な説得力を各所に忍ばせる。このお蔭で自然とイラストが引き込む力は強くなっていると思います。

 おにねこ先生のイラスト本を手に入れるのは現在難しいとは思いますが、ジグソーパズルが沢山販売されているので気になる方はお手に取ってみてください。それか同人音楽に沼りましょう(笑)



24.saitom(さいとむ)

2020年7月.表参道にて開催された個展「Castle On The Hill」にて

 アニメやゲームの様々なキャラクターデザインほか、レーシングミク、書籍の装画や挿絵、雑誌企画などをメインに活動するイラストレーター。そんな商業活動の傍ら、サークル「猫マル商店」を主宰し、今も同人活動を継続していらっしゃいます。成年向けイラストもありますが、"かなり際どい"一般向けイラストがメインです(笑)

 本当に際どいセクシーなイラストが多いんですが、これが堪らなくイイんですよね。特にむちっとした肉感が素晴らしい、むっちゃ柔らかそうなのがこれでもかと表現されています。因みにイラスト集ではここを見てくれ!と言わんばかりのドアップや物凄いアングルのページもあります。一貫したこの作風・スタイルに凄まじい強さを感じざるを得ません。また、キリっとした瞳、まつ毛の感じもsaitom先生らしさの一つかなと思います。
 あとはファッションセンスが良く、衣装がとても素敵。可愛いモノが多いですが、カッコいいモノもありますね。ただ共通してるのは細かいとこまで情報量が多い。この辺りもこだわりの強さが窺えます。情報量の割には雑多な印象を受けなくて、スタイリッシュに仕上げているのも巧み。髪型や小物、仕草でのアクセントの付け方も好きですね。ワンポイント加えた時の印象付けにいつも唸らされます。あ…この娘可愛い…。ってなるんよ(笑)

 saitom先生のイラストはやはり立体化しがいがあるので、フィギュア展開もかなり人気です。特にオリキャラの娘達で、イラストでは見れなかった部分までじっくり堪能できるので、気になる方は是非。



25.HxxG / ホン

C97で購入『ARMORY vol1.7傷』

 韓国出身のイラストレーター。絵を描き始めたのは2008年からで、当時中学3年生。一度はゲームの原画家を夢見てモンスターの絵を描いてた時期もあったそうです。その後貪欲に絵を描き続け、2017年からTwitterにもファンアートを投稿する様になり、pixivだけでなく、ネット上で大人気になっていきました。2020年の夏頃は一日一枚絵なんかもしてて、制作スピードがバケモン(笑) 物語シリーズが自分好きなので、そのファンアートが連投されてた時期は最高でした…。カッコよすぎる。

 同人ではサークル「EMBER」を主宰。オリジナルイラストのArmony(写真)をTwitterで見かけて一目惚れでした。マジでレベル高いな…と。素材を活かしながら、作品コンセプトをしっかり前面に打ち出してるのでインパクトが凄い。塗りは落ち着いたマットな仕上がりなので、余計に凄いなと感じます。好きな要素モリモリ詰めこんでも崩れない圧倒的デザイン力がその凄みを生んでいる気がします。余白の使い方もヤバい上手。
 あとは、筆致も独特だなと感じます。髪の流し方とかむっちゃオシャレで、この辺りは感性的なモノなんでしょう。それ以外もかなりメリハリがあって、本当に繊細なので線だけでも見応えがあります。

 今も尚、作風をパワーアップさせており、ライティングが強調され、より写実的にリッチなイラストになっている感じです。今後益々のご活躍が期待されますので、要注目。



26.ゲンツキ

 2012頃から活動開始。pixivやTwitter上にイラストを投稿するだけではなく、同人or商業で一般向けと成年向け漫画も描かれている方です。イラストはモノクロ版が先に上がって、その2週間後位にカラーリングされた完成版が上がってくるパターンが多いです。更に、それの成年向けver.はFantiaやFANBOXで差分と云う形で公開しています。

 ゲンツキ先生を知ったのはTwitter上で見た「気になる男子に〇〇する女の子。」シリーズでした。純粋に画力が高い上に、むっちゃエロい。学生、親戚、上司etc…色んな女の子を描かれているんですが、比較的誘惑する様なシチュエーションが多いのが魅力的で、どの娘も顔が抜群に良いです。スッキリとして顔立ちのお姉さんとか特に綺麗で可愛い。
 あとは何と言ってもプロポーションで、これ以上胸orお尻を大きくしたら全体のバランスが崩れるな…って云う限界ギリギリのバランス感がある。これは誰にも真似できないなと思います。個人的にはデカければデカい程イイってもんじゃないので、二次元的な要素を盛り込みながらも、ちゃんと女性らしい曲線美も意識していらっしゃるのが凄い好きですね。上記に貼った女上司さんのイラストも完璧としか言いようがないです。構図もアングルも見事に決まっております。シワによる立体感の演出も良き。

 本当にネット上にはかなりの数イラストと漫画があるので、是非ご興味ある方は覗いてみてください。紙媒体では手に入れられるモノが限られているんですが、一般向けの『社畜サキュバスの話』をオススメしておきます。



27.liduke(リデューク)

 中国出身のイラストレーター。pixivを見る限りは2009年頃から活動開始。カードゲーム『戦国SAGA』や、アプリゲーム『アズールレーン』『ドールズフロントライン』『アークナイツ』のキャラクターデザインを手掛けていらっしゃいます。自分は『アークナイツ』でliduke先生を知りました。上記に貼ったイラストも『アークナイツ』のイラストです。

 これを見て頂ければ感じたと思うんですが、恐ろしく巧いです。もうヤバい。好きすぎてPCの壁紙にする位には好き。構図も抜群に良くて、配置バランスも見事。更に、細かい処を見て行くと、もの凄い丁寧と云うか繊細な表現があるのが印象的です。小さな装飾や模様一つ一つ綺麗に描かれていますし、アウトラインを塗りに馴染ませる事でしかできない表現がチラホラあります。色を使った水墨画と云いますか、妙に透けた感じだったり、濃淡による奥行きだったりも、特徴的だなと思います。
 どのイラストを見てもやはり上述した辺りの熱量が凄まじく、線と塗りどちらも徹底的に追求している様子が窺えます。超精密描写でありながら、ダイナミックな構図のイラストも描かれる事があるので、やはり完成度を上げていくパワーを感じざるを得ないですね。こんな贅沢なイラストをネット上で無料で拝めてしまっていいのか…って思います(笑)

 liduke先生、同人で『アークナイツ』のイラスト集やグッズ等出されているんですが、日本では正式に販売していないので、いつか欲しいなぁと云うのが悩みです。フリマサイトで買うのは何か負けた気になる(笑)



28.mocha(モカ)

2021年11~12月.青山で開催された個展「モカブレンド」にて

 ゲームやアニメの背景描写を中心に活躍する風景イラストレーター。アニメの背景会社に入社し、TVアニメ、劇場アニメなどの映像作品に背景スタッフとして参加。働きながら、サークル「Cotton」を主宰し、同人活動も開始。そこでオリジナルに興味が向いた事がキッカケで、フリーランスとして独立。今も同人、商業共に幅広く活動していらっしゃいます。

 イラストを見て感じた方もいらっしゃるかと思われますが、どこか新海誠さんの背景を彷彿とさせますよね。実際、mocha先生は学生時代に新海誠さんの『秒速5センチメートル』を見て、背景に興味を持ったそうです。
 壮大なドラマを予感させる圧倒的な奥行きと、スケールが素晴らしいです。そこに印象に残る様な変化や重なりを強く付けているのが魅力的だと思います。色遣いがとても好きで、星空が分かり易いと思うんですが、グラデーションが本当に綺麗。その場の空気感を感じさせるストーリー性のある仕上がりが多いので、眺めているとノスタルジーな気分になって、想いを馳せる事ができる感じも好きですね。
 mocha先生はパッと見の"分かりやすさ"を重視してて、如何に描き込んでいるかの様に魅せられるか。を意識しているそうです。パッと見で作品に引き込まれた後、じっくり鑑賞しながらこれはどんな物語なんだろう…と想像してしまうのは、完成度の高さ故の狙った仕上がりですね。

 自分はビジュアルノベルゲーム『Re:LieF』でmocha先生を知ったのですが、こちらのゲームでもmocha先生の背景を堪能しつつ、素敵な物語を味う事ができますので是非。因みに、ほぼ続編に当る『TrymenT』でも参加されています。あと、昨年出版された画集も買いましょう。



29.久方綜司(ひさかたそうじ)

 背景デザインやゲーム会社での経験を経て独立。独立後はフリーとしてCygamesと契約し、『神撃のバハムート』や『Shadowverse』で、人気キャラクターを次々と生み出した気鋭のイラストレーター。今大人気の『ウマ娘』ではオグリキャップのデザインも手掛けていらっしゃいます。同人活動では「エソラセカイ」を主宰。

 塗り主体の描き方で淡く優しい色彩が特徴的。ゲーム上、表情差分などもあるのでキャラクターが生き生きとしているのも凄い好きです。そのイラストを見ただけで、キャラクターの性格が垣間見れる様に工夫が成されているなと思います。久方先生も「見た人が喜びそうなものを何かしら入れる」という自分ルールの元、キャラクターや背景を描かれているそうです。自分は髪型やアクセサリーで可愛い!ってなる事が多いです。
 ファンタジーの世界が舞台なので、衣装や武器は細部まで行き届いた創造力溢れるデザインになっているのも魅力的。しっかりとした構造で、尚且つカッコいいor可愛いデザインになっています。結構描き込みや色の多い鎧などは質感がよく伝わってきます。雰囲気重視で衣装だけでなく、ポージングや画風を少しずつ変えている印象もあるので、とても器用だなと感じます。

 自分は『Shadowverse』も『ウマ娘』も引退してしまったので、ゲーム上で久方先生のイラストを見る機会は無くなってしまいましたが、Twitter等で見れているので、本当に有り難い限りです。同人活動では2017年末のC93が最後だったので、また再開してくださったら嬉しいなと思ったり(笑)



30.虫麻呂(むしまろ)

 久方先生に続いて『神撃のバハムート』や『Shadowverse』で、人気キャラクターを次々と生み出したイラストレーター。2017年8月にCygamesからの支援の元、株式会社Mimi Marteを設立されました。設立後もCygamesのイラスト制作を続け、且つオリジナル作品制作も進行。一番の目玉は『アタイプロジェクト』が進行中で、今後ゲームやアニメに発展する予定です。

 虫麻呂先生の描くキャラクターはどれもリアルとデフォルメのバランスが抜群に良くて、本当に存在していそうなのが好きです。むっちゃ愛着が持てる。また、塗り主体のイラストですが、かなり厚塗りで重厚感があります。且つ、繊細。アウトラインだけは残して、他は線と塗りの境目が目立たない様になっています。特に衣装や武器の造形が細かいんですが、その細かさを最終的には塗りのみで表現し尽くしているのが魅力的です。色数も多い中、調和の取れたカラーリングでいつも惚れ惚れします。リアルな金属光沢のあるメタリックっぽい質感表現も巧みで、存在感が素晴らしい。重そう!強そう!(語彙力)って云うのがちゃんと伝わってきます。
 また、キャラクターに目がいきがちですが、背景やエフェクトもむっちゃ巧い。構想力があるのは勿論、空間の作り方が素敵です。上記のフォルテのイラストが分かり易いかなと。水しぶきのエフェクト自体も綺麗ですし、これによって躍動感をもたらす空間が生まれています。

 実の処、自分が絵師以前にイラストにハマったのは虫麻呂先生がキッカケだったんじゃないかと思っています。高校生の頃に『神撃のバハムート』、大学生では『Shadowverse』をガッツリやっていました。コミケで初めて買った同人誌も虫麻呂先生でした。なので想い入れが強い分、今後とも益々のご活躍を陰ながらお祈りさせて頂きます。『アタイプロジェクト』の展開も本当に楽しみです。




ーーー以上、第3回目となる、特に好きなイラストレーターさん10名のご紹介でした。計30名いかがでしたでしょうか。

 これまで3回に渡って書いてきましたが、想定以上のボリュームで自分でもビックリしてます(笑) イラストをバンバン貼って、人数重視でも良かったんですが、自分の好きなポイントを重視した結果この様な形になりました。ただ感想だけにならない様に、情報と分析にも力を入れたつもりなので、少しでも読んで良かったと感じて頂ければ幸いです。
 また、しつこいですが、イラストレーターさんのイラストを観にいったり、作品をお手に取ったりして頂けると、それが一番嬉しいので是非よろしくお願いします。今は情勢的に難しい部分もあるんですが、展示会などにも足を運んでみてください。画面で見るのと全然印象が変わりますので。

 では改めて、ここまで読んでくださった方ありがとうございました。また機会があれば、イベントで入手した同人誌の紹介や「最近注目してるイラストレーター」みたいな感じで書くかもしれません。今回泣く泣く紹介を諦めたイラストレーターさんもいますので。もし書いて欲しい記事等ありましたらコメントください。感想やスキもお待ちしております。

 ではまた!

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