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夫婦。我が家の場合。~結婚20周年イベントを振り返る~

9年前のこと。

結婚20周年を迎えて、この節目を機に悪化した夫婦関係を改善しようと
私はひそかに計画を立てていた。

子供達にはお留守番してもらって、
二人だけで飲みに行き、お酒の力も借りて腹を割って話せば二人の距離も
縮まるのではないかと。

全く会話が無くなった夫へ思い切って提案してみた。

このオファーだけでも、どれだけ勇気が必要だったことか。

夫はあまり乗り気ではないようだったけれど、
OKだったのでとりあえずホッとして、人気のお店を予約して、
あとはお酒とおいしい料理に期待した。

祈るように当日を待った。

そして、当日。

ドキドキしながら用意していた話題を振ってみても、
反応が薄い・・・

お酒もあまり飲まないし、
多めに頼んだ料理も少ししか口に運ばない。

仕方なく食べている感じ。

口が重くて、
私の方も見ない。

息子の進路について相談しても、
「あの私立大学は授業料が高いやろ」
と嫌そうにひとことだけ。

どこの大学か、ということよりも、
これから進むべき道について意見を聞きたかったのに。

聞いても、うやむやにされて、
私もそれ以上は聞けずに引っ込めた。

そういえば、高校進学の時も学費のことしか言わなかった。

もっと息子のことを考えてほしいと言うと、
「じゃあ、どうすればいいんよ」
と、逆ギレされてまた私は黙ってしまった。

その時と同じ、あきれるような情けないような感情が再び湧いてきて、
飲みに来たことをとても後悔した。

若いころは感情をぶつけてケンカになったが、
年を重ねてくると、感情的にはならない代わりにますます言いたいことを引っ込めるようになった。

ケンカをするようなエネルギーは使わない省エネモードになり、
話しても交わる気配のない様子に、
「言ってもムダ」
「こんな頑固な人に関わるのは面倒」
「そもそも理解できない」
と、心は離れるばかり。

夫は夫で言いたいことがあって、あんな態度をとったのだろうけれど、
それは一切言わないので話が平行線のまま。

今思えば、
私は私の思うようにしたいと思っていたので、
夫の思いをくみ取ろうとはしていなかったのだ。

子供のことを聞く前に、
夫の思いや考えを聞くべきだと気付かなかった。

いや、正確に言うと、「聞きたくなかった」。

聞けば、きっと私の批判が出てくるはず。

そんな出来ていない私のことは聞きたくないし、認めたくない。

私の強い自我が邪魔していたのだ。

お互いに我を張っているといつまでたっても平行線で交わらない。

今もそう。


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