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夫婦。我が家の場合。~不妊症?~

<結婚29年目、深い溝ができてしまった私たち夫婦のこれまでを振り返り、
自分の心の奥を見つめる毎日投稿にチャレンジしています。>


私たちは結婚前に、どんな結婚生活にしていくのかを話し合ったことがなかった。

お互いに、言わなくてもわかってくれると思い込んでいたのだ。

夫婦として大切なステップを積むべきだったのに。

その小さなすれ違いが、のちに大きな亀裂となるとは夢にも思わなかった。

結婚してから、夫は少しでも早く子供が欲しいと主張し、
私はまだ働きたいからもう少し先でいいと思っていた。

その話が出たときに、
夫が「他の女性に産んでもらうからいい!」とキレたことを今でも覚えている。

夫はそのことを忘れたらしいが、
聞いた私は全身の血流が止まるような感覚がして倒れそうだった。

そんな時でも、私はその言葉に傷ついて辛かったと言えなかった。

ひとりで抱え込んで耐えていた。

なんとか一年は猶予をもらって働くことを優先していたけれど、
いざ子供を迎えようとしても、なかなか授からなかった。

私はきちんと基礎体温を毎日測って表にして、
排卵日や妊娠しやすい日も確認していた。

当時はインターネットも今のように普及していなかったので情報も少なく、
念のため婦人科を簡単に受診してみたものの、
原因も分からず次第にあきらめていた。

子供ができたら愛情を注いで可愛がってあげよう!と夢を描いていたけれど、
現実は思うようにはいかない。

結婚すれば子供はすぐに授かると思っていた私たちにとって、
想定外の展開となった。

特に夫は少しでも早く子供が欲しいと熱望していたので、
焦っていたと思う。
結婚して3年ほど経ったある日、
私にある考えが浮かんできた。

「もういいや。子供のいない人生を楽しもう!」

母になることに憧れていたけど、
できる努力はやったし、
精神的にしんどくなっていた。

基礎体温を測るのもやめた。
そして、あこがれていたアメリカ西海岸でのホームステイツアーに申し込んだ。

ワクワクして説明会を数日後に控えたある日、
突然の事態が。

なんと、私は妊娠していたのだ。

執着を手放した途端に、
あきらめていた赤ちゃんはやってきた。

「こんなことってあるんだ!」

驚きと、
戸惑いと、
喜びが同時に湧く複雑な感情。

でも、やっぱりうれしかった。


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