壊滅

売れない絵画を
描き続ける狂人
油絵の具やキャンバスの
代金を借りてまで
描こうとするその姿は
他人に理解される事は無く
彼は気違いと揶揄された
髑髏の様に沈んだ眼で
血を吐きながら日々は過ぎ
彼は無数の作品の中で
その短く揺れる生涯を終えた
買い手が付かなかった無数の作品は
今や投資目的で買い漁られる
幾ら評価が追い付こうとも
彼の真相は闇に沈んで
誰も調べようとはしなかった
其処に彼の価値など無いから




読んで頂き感謝致します サポートして頂いても書く事しか出来ませんが 宜しくお願いします