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# 特別編 「にゅーびだ-New Vida-」学校作りましたという宣伝と「塞翁が馬」のお話

教育から日本サッカーの発展を

2020年9月21日オンライン教育サービス「にゅーびだ -New Vida-」をスタートしました。偶然にも敬愛するB'zのデビューと被ってしまいましたが、最初は狙っていませんでした(途中から狙いました)笑

海外挑戦・キャリア形成をテーマに、オンラインで学び・繋がる・少人数制の学校です。スクール開校のきっかけは、バルセロナでのMBAやその準備を通し日本のサッカー文化が発展し、日本人選手、日本代表が世界で活躍するにはどうしたら良いか?という答えを自分なりに体現したいなと想うようになったことです。

世界で活躍する日本人を増やすためには草サッカーをしている人やサッカーに直接かかわらないような人=グラスルートレベル(裾野)から海外挑戦への理解を高めることが望まれますが、単に海外に行けば良いということではありません。国内においても多種多様な人がいて、様々な考え・生き方もあるということを皆が受け入れられる社会になることがサッカー文化の発展に不可欠だと考えています。

クラウドファンディングへのご協力のお願い

2021年6月30日まで5名のサービス利用者に対し授業料を完全無料にしま

学歴や資格のためではなく、自分に合う生き方を見つけるための教育を気軽に体験してもらいたい。

残念ながら今日の学校で実施されているカリキュラムはいまだに画一的なものが多く、多様化する受験や生徒のニーズにも対応できない。そのため予備校や塾、また受験に特化した私立校に子供を通わせざるを得ず、教育費が膨らむという事態が起こっています。したがって、受験とは関係のないスポーツや芸術など、子供たちがやりたいことをするためにお金や時間を費やすことができない。

そういった境遇の人も含め、多くの人が気軽にチャレンジし様々な経験を得られるよう、経済的負担を抑えたプロジェクトを実施したいと思い、今回のクラウドファンディングを実施しました(以下のCAMPFIREのページより詳細ご確認下さい ※現在プロジェクト実行可否の審査中です)。

サッカーだけにとどまらず「教育」によって多様な文化・生き方を受け入れられる社会づくりが必要だと思い、この学校をスタートすることを決断しました。皆さんのお力を是非お貸しください、よろしくお願いいたします!

塞翁が馬

今回のプロジェクト実行にあたり、多くの方と「教育」について語ってきました。その中で最近バルセロナにやって来た、元浦和レッズの野崎雅也選手(のざ)とのお話が面白かったので紹介します。

草サッカーで意気投合し飲みに行った際、ユース年代の育成や日本の一般教育についての話に。その時に印象深かった話が2点;① サッカーは科学とアート、② 塞翁が馬

① サッカーは科学とアート
科学技術の進歩がバスケやアメフトを経てサッカー(フットボール)にやってきて久しくなりました。戦術や選手のパフォーマンス向上のため、アナリティクス、スポーツ医療、スポーツ製品などあらゆる分野で進歩が見られ、フットボールを取り巻く環境も複雑になってきています。

例えば「水を飲むなんて根性がない」と見なされていた指導法は、今では「適切に水を取れ」に変わり、なんとなく感覚でやっていたことが「科学」として証明されたり覆されたりしてきました。

戦術でいえば、例えばxGによってゴール確率が高いシュートエリアの分析がされ、そこから逆算された戦術が適用されるようになりました。シティの代名詞のような「ボックス内での細かいパス交換から中央で合わせて点を取る」というパターンは、データに基づき、そのプレーを体現できる選手とそういう戦術を好み実行できるペップが融合した効率的なチーム作り、科学の賜物とも言えるでしょう。

こうやってフットボールに関わる要素が見えてきたこともあり、それを1つ1つクリアするだけでも大変になっていますし、だからこそ個性を表現できる面白味があります。元日本代表監督の岡田さんが「岡田メソッド」で戦術やユース年代への指導を体系化し、これまで何となくだった教育法を言語化し「メソッド」として説明されたのも、フットボールの科学化と言えると思います。

浦和のユースで育ち、J全カテゴリーを経験したのざ曰く、この科学的アプローチに偏りがあること、それを偏った見方で評価していることが日本サッカーの課題かもしれないということでした。例えばいまだに欧州で採用されている最先端の科学的アプローチを採用していない、逆にトレンドに合わせフィジカル重視の戦術を盲目的に過信しているetc.。

一貫性のない日本代表監督人事を見ても明らかなように、そもそも国のトップが「良いサッカー(文化)」に対する答えに悩んでおり、積み上がるものも積み上がっていない印象を受けます。自分たちの長短所を客観的に分析し、バランスの取れた科学的アプローチをするためにも、多様な価値観を身に付ける必要があるのかなと感じています。

うっちーが引退会見の際に言った差はこう言ったところから生まれるのだと思います。しかし、目に見えない非科学的な影響もあるのがフットボール。それはその国の文化や人々の考え方、また選手のモチベーションや運、ひらめきといった分野です。つまり、フットボールのアートの部分ですね。こういった非科学的な部分もいつかは解明され、科学になりトレーニングなどで対応できる日が来ると考えています。このアートの部分と科学的な部分が複雑に絡み合いバランスが取れている状態が望ましいと今の所思っています。

② 塞翁が馬
<大辞林第三版>
人間の禍福は変転し定まりないものだというたとえ。人間万事塞翁が馬。 〔「淮南子人間訓」から。昔、塞翁の馬が隣国に逃げてしまったが、名馬を連れて帰ってきた。老人の子がその馬に乗っていて落馬し足を折ったが、おかげで隣国との戦乱の際に兵役をまぬがれて無事であったという話から

そういった非科学的な部分にどう対応するか?これは現状ほぼ術がないでしょう。どのタイミングでどこで誰と出会うのか、移籍先の監督が突然辞める、リーグ戦の日程、入団したチームに誰がいるのか、コロナパンデミック、元寇の際の大嵐などは予想できないこと・自分の力ではどうしようもないことです。

「運」といえばそれまでなんですが、それにうまく対応できるかどうかはこの塞翁が馬の精神で何とかなるんじゃないでしょうか。

のざのようにJのトップ選手として長く活躍できなかったサッカー選手の人生は失敗か?昔の自分ならそう思ったでしょう。日本代表で中心になり欧州クラブでも活躍した選手、野球なら甲子園春夏連覇してその後メジャーリーグでも活躍する選手の人生が成功でその他は失敗。

でもこっちにきて学んだこと「サッカー選手であることは人生の一部」という概念はとても衝撃的でした。そういう長い目で人生を見た時、どんな人生になろうが正解で、一見失敗に見えるようなことでもそれを活かし成功にすることもできる。

元ブラジル代表のアドリアーノがスラムから一躍スーパースターになって引退後再びスラムで生活しているニュース、また元スーパーアイドルが不祥事起こして芸能界追放されたニュースをどう捉えるか。転落人生なのか?彼らの人生は成功か失敗か?死んでから作品が評価されたゴッホはどう思っているのか?

自発的な行動や努力はもちろん大事ですが、それでもうまくいかないこともあります。なのでたまには自分の力ではどうしようもない、非科学的な要素に身を委ねることも大事なんだと思います。

良い教育って何?

そう考えると「良い教育とは何か?」がますますわからなくなってきます。学校作りました!と宣言しといておいおいって感じですが…。環境が整い、先生が優秀、サービスが充実しているからといって生徒の望んだ結果が得られるわけではない。望んだ結果が出たからと言って、それは一時的な成功でもしかしたら長い人生の中では不幸をもたらすこともある。上司がクズだったからこそ成長できたり、家が貧しいからこそ反骨精神で自分を磨き上げた人もいる。

人生において何を大事とするかによって「善し悪し」の捉え方は変わるし、教育に正解はきっとないんだと思います。

答えがないからこそ、国、教師、大人たちが「正解」に向き合い、その上で率先して何を目標に教育体系を構築するか改めてしっかり検討し、示すべきだし、それを教えることができる人材(教師)を育て、道徳・倫理に反しない限り色々チャレンジし、多様な考え・生き方を受け入れる環境を作ることが必要だと思ってます。

話がでかくなり過ぎましたが、他人に期待するだけではなく自分でそう言うことを実現したいと思ったので今回「にゅーびだ」をスタートしました。今の所自分が考える教育の目標、それは「自分に合う生き方を実現できる能力を身に付ける」です。

何が正義で何が悪か?立場や見方によっては1つの行動がどちらにも捉えられる二面性やザ・アメリカの思想が楽しめるCobra Kai(映画「ベスト・キッド」のその後)にどハマりして2日で全話観てしまいました笑。アンパンマンでいう所のバイキンマン側からの視点で描かれてる感じです。途中「いい加減お前ら人の話聞けよ!」とイラッとしてシラけてしまう部分もあったのですが、外交や戦争ってこんな感じなのかなーと勝手に想像してました。お時間ある方は是非!

今回も長文になってしまった…ではまたこの辺で、Adéu!

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