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習慣化のテクニックはこんなにもある

 前回の記事で習慣化がいかに目標達成において大切なのかを書きました(読んでいない方はこちらからどうぞ→https://note.com/crow_lifeidea/n/n19799e5fdcf6)。

 この記事では実際に習慣化のテクニックにはどんなものがあるのかをまとめました。これらは行動科学や心理学などに基づいた、エビデンスのあるものです。それをうまく使いこなせれば確実に習慣化に近づくでしょう。

 この記事では僕が調べた習慣化のテクニックを一気にまとめています。その数に驚く方も出てくるかもしれません。ですので、全部読むのがしんどい方はざっとこんな方法があるんだ、という程度に読み進めていただいて結構です。

 では、早速紹介していきます。

1 具体的な計画を立てる。

 前回もお話ししたことですが、いつ、どこで、どのように行動するのかを明確にすることで、行動する確率が3倍になることが心理学の研究によって分かっています。逆に具体性がないと、その日の夜になるまで行動することを忘れ、「明日から本気出す」とか考えてしまうのです。こうなってしまったらその後どうなるのかは明らかですよね。

2 if-thenプランニングを立てる。

 if-thenプランニングとは、「もし(if)こうなったとしたら、その時は(then)こうする」という計画のことです。これをあらかじめ具体的に決めておくことで行動を実行する確率が2〜3倍にも跳ね上がります。なぜなら脳は、このif-thenという文法を最も記憶しやすいからです。このif-thenプランニングを立てることで意識しなくても行動に移しやすくなります。

3 行動を記録する。

 その日、きちんと行動できたのか、その行動に集中できたのか、目標まで後どれくらい距離があるのかなど、習慣化したい行動を記録することで、モチベーションを維持することができます。なぜなら、それによって現状と理想の比較がなされるからです。少しでも理想に近づきたい、そう思うのは脳の働きからして普通のことですから、それに向けて頑張ろうと思いますよね。また、記録を取ることで行動を妨げるものが見えてきますので、具体的な計画も練ることができます。

4 今までの努力に満足しない。

 これは当たり前のことですが、ある程度継続できたとして、それまでの努力に満足してしまえば行動が怠けがちになってしまいます。要するにモチベーションが下がるわけです。先にも述べましたが、比べるなら現状と理想を比べてください。

5 習慣化は大変だということを受け入れる。

 よくいるのが、目標を掲げて、なんの根拠もなく「自分なら達成できる!」と考える人です。最初から目標達成できると思うな、と言いたいわけではありませんが、具体的な計画なしにそのようなことを思うと既に目標を達成した時と同じような気分になり、少しでもうまくいかないことがあればその反動が普通より大きくなって挫折しやすくなります。引き寄せの法則なんてものがありますが、それについても同じことが言えます。心理学者のガブリエル・エッティンゲンが行ったダイエットの成功に関する研究を見ると、「食べ物の誘惑に打ち勝つことは簡単だと思うか」といった内容の質問に対して、「そう思う」と答えた参加者は「そうは思わない」と答えた参加者と比べて13kgも重いままでした。習慣化は大変なことであると初めから受け入れたほうが継続しやすいのです。

6 完璧主義を捨てる(セルフ・コンパッションの考えを持つ)。

 完璧主義的な考えを持つと、ちょっとでもうまくいかなければ「自分はダメだ」という思考に陥り、挫折します。ありのままの自分を受け入れることをセルフ・コンパッションと言いますが、失敗してもそれを受け入れて、次に生かせるようにすることが習慣化の鍵となります。

7 興味、好奇心を持つ。

 何事も楽しくなければ続きません。これは脳科学的に言うと、やっていて楽しい行動は脳の報酬系の活動を促し、快感につながるからです。要するに美味い飯は毎日食べたくなるということです。つまり、習慣化したい行動をいかに楽しくやれるのかが大事になります。

8 人は努力によって変わるのだという考えを持つ。

 よく見かけるのが、「自分には無理だから」とか言って諦める人です。これは、自分の能力はもう伸びないことを受け入れてしまっている状態であり、これでは行動すらできません。多くの研究によって「能力は生まれた時から決まっており、変えることは不可能である」という考えは否定されています。人は努力次第で変われるという考えを持つことがやる気を与え、習慣化につながるのです。

9 一度に複数のことを習慣化しようとしない。

 習慣化には、多かれ少なかれ意志力が必要となります。ここで言う意志力とは、自分をコントロールする力のことです。意志力は使えば使うほど消耗していきます。これが尽きるとまともな意思決定ができなくなり、習慣化が難しくなります。それを防ぐためにも、習慣化は1つずつやることをおすすめします。

10 誘惑をなくす。

 何かを習慣化するときの天敵となるのが誘惑です。学校から出された宿題や家に持ち帰った仕事を放ったらかしにしてゲームしたりしますよね。この誘惑をいかに排除できるかで習慣化できるかどうかが決まります。

11 最終目標を明確にする。

 ただ単に「痩せる」と決めるのではなく、「いつまでに何kg痩せる」といった具合に最終目標を明確化しましょう。期限を設けることでダラダラと行動することを防ぎ、数値化することで具体的な計画が立てやすくなります。

12 小さな目標を複数立てる。

 最終目標だけだと、それを達成するまで達成感が得られず、続けるのが難しくなります。小さな目標をいくつか短いスパンで設けることで達成感を得つつモチベーションを維持することができます。

13 定期的に目標を思い出す。

 気づいたら数日間行動していなかった、という経験はありませんか?これはきちんと計画を練っていないせいでもありますが、いつの間にか目標を忘れていたことが原因だったりもします。なんのために行動しているのか、これを思い出すだけで挫折を防ぐことができます。

14 他人に自分の目標を具体的に伝える(コミットメント)。

 周りの人に自分が掲げた目標を宣言(コミットメント)しましょう。具体的にどうするのかまで言えば挫折したときの言い訳ができなくなり、否が応でも行動しなければいけない状況を作り出すことができます。また心理学的には一貫性の原理が働くので、自分にも言い訳しなくなります。

15 他人からのサポートを受ける。

 一人だけで習慣化するのは厳しいかもしれませんが、その時は他人の援助を受けましょう。一人で誘惑に抗うよりも、他人のサポートを受けながら誘惑を避けた方が確実ですよね。また、良い間柄であれば目標に近づくほど周りが褒めてくれるので、モチベーションも続きます。

16 ご褒美を適切に設ける。

 「この行動ができたら〇〇ができる」といった具合にご褒美を設定するのは習慣化するにあたって効果的です。パブロフの実験は有名ですが、ご褒美を設けることで行動することが動機づけされ、強化されます(行動が増えていきます)。

17 ペナルティを課す。

 行動をサボったら自分に罰(ペナルティ)を与えるとあらかじめ決めておくことで、罰を避けるために行動するようになります。ご褒美と組み合わせると良いかもしれません。ただし、サボったからといって自己嫌悪に陥らないように気をつけましょう。

18 行動する時間を短縮できるように工夫する。

 行動時間を短縮する、つまり、その行動自体を楽にできるように工夫するのです。これによって行動までのハードルが低くなり、意志力をあまり使わずに継続することができます。ゲーム感覚で工夫すると楽しくなるのでモチベーションにもつながります。

19 週に4回以上続ける。

 ビクトリア大学の研究により、週4回以上行動することでそれを下回った場合と比べて習慣化する確率が劇的に上がることが判明しています。どうせ習慣化するのであれば、少し頑張って週4回以上行動するように心がけましょう。

20 歩く。

 訳がわからんとか言われるかもしれませんが、歩くことも習慣化のテクニックです。なぜなら、歩くことで脳内でドーパミンが分泌されるからです。それによって報酬系が働き、行動しやすくなります。「行動しなきゃいけないけど、やる気が出ない」という時は、とりあえず立ち上がって歩いてみることをおすすめします。

21 動画を活用する。

 人間の感覚はほとんど視覚と聴覚に頼っています。後ろを誰かが通ったらそちらに気が向きますよね。この性質を利用して習慣化するのです。運動するときにトレーニング動画を参考にしたり、自炊するときに料理動画を見たりすることで感覚が刺激され、行動しやすくなります。

22 自己効力感を高める。

 自己効力感とは、「自分はできるのだ」という自信を持つことです。自信を持てと言っているのではなく、頑張って行動したことを褒めたり、継続し続けてきたことに自信を持ったりするが自己効力感につながるのです。自己効力感が高まれば続けようと思い、継続できたらそのことに自信を持って自己効力感が高まるので、とりあえず行動しましょう。

23 監視してもらう。

 初期の段階で行動を他人から監視(行動できたかどうかをチェック)されると、監視から外れた後もその行動が習慣として残ることがハーバードビジネススクールの研究により判明しています。長期にわたって習慣化したい場合は他人から監視される環境を作ってみると良いでしょう。

24 気づいたらやっていた、という状態を目指す(誘引習慣)。

 誘引習慣はif-thenプランニングの内容と近いですが、何かの行動がきっかけとなって別の行動が誘発されるということです。あなたには、家から出た後きちんと鍵をかけたかどうか不安になり、確かめに行った経験はありませんか?これは、ドアを閉めたら鍵をかけるという行動が誘引習慣になっているから起きる現象です。つまり、何かを習慣化する時はそれに加えて日常の何気ない動作を入れることで、これをきっかけに習慣化したい行動を誘発することができるのです。

 以上が僕が調べた習慣化のテクニックです。合計24個もあります(笑)。他にも、悪い習慣を止めるテクニックなどもあるので、それを加えるとさらに増えます。

 これらを全て覚える必要はありません。大事なのは、自分に合ったテクニックを使うことです。1つでも効果は十分にありますので、少しづつ試していただければいいかと思います。

 この記事の内容は以上となりますが、今後僕が提供する記事では、ある1つの行動を習慣化するために今回紹介した24個の習慣化テクニックをベースとして具体的な習慣化の方法を紹介していきます。

 「こういった目標を掲げたけど、具体的に何をどうすれば良いかわからない」という方や、「もっと良い方法がないのか探している」という方のお役に立てればと思います。お楽しみに。


<参考にした本>
・「『続ける』技術」石田淳(フォレスト出版)
・「短時間で“よい習慣”が身につき、人生が思い通りになる! 超習慣術」メンタリストDaiGo(ゴマブックス)
・「やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学」ハイディ・グラント・ハルバーゾン(ディストカヴァー・トゥエンティワン)

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