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神様からの“全プレ”

こんにちは!「Crouton Kamakura(クルトンカマクラ)」編集長の白い犬です。みなさん、ご機嫌いかがですか? ボクといえば…いつだって上機嫌です。何でかといいますと、ご機嫌でいたほうが楽しいですし、何より気楽ですから。そうそう、みなさん知ってますか? 気楽なほうが神さまからのプレゼントをもらいやすいんですよ(ボク調べ)。今回はそのことについてちょと綴ってみようかなぁ。

■ボクに後光が--------
先日の夕方、いつものように気楽な感じで散歩をしていまして。そのとき、編集部員が勝手にボクの写真をパチリと撮ったのです。「ちょっとちょっと、突然撮らないでよ! ちゃんとインスタ映えとか考えないと」とボク。で、その勝手に撮られた写真をすぐさまチェックしてみると、なんとボクに後光が差していたんですよ! これぞ、インスタ映え!って感じでした。思わず心の中で自分のことを「神かっ!」って突っ込んだりしたものの、ボクにはすでに分かっていました。

これは神さまのしわざだと。

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そして、この日の夜、本当に神さまが降りてきてくださいました・・・海の上に。ということで、そのことについてお話したいと思います。

■海が月明かりで--------
夜、8時くらいだったでしょうか。リビングでくつろいでいると編集部員の一人が「見て、月がすごくきれい」とつぶやきました。「ほんとうだー」ともう一人の編集部員。どれどれとボクも窓辺に行き、夜空を見上げると、確かに神秘的な美しい月がくっきりと浮かんでいました。

その日はちょうど梅雨の時期で、連日ジメジメ地獄に悩まされていたのです。前日は台風の影響で雨と風が強かったのですが、この日はめずらしく湿気のない快晴でした。どうやら、前日の嵐が湿気を持ち去ってくれたようで(嵐、Good Job!)、漆黒の夜空に月や星がクッキリと見えていました。

「もしかしたら海が月明かりで光っているかも!」
「そうかもしれないね!」

二人の言葉には期待と予感で弾んでいるようでした。
そして、ボクは編集部員にヒョイと抱えられて、もう一人は家の鍵を持って、思いがけず夜の散歩へ行くことに。

夜の散歩は嫌いではありません。というより、むしろ好きなほうです。だって、夜は昼間よりも世界が匂いに満ちているから。特に山の上は、以前に住んでいた東京よりもいろいろな匂いがします。土や草木の匂い、花が発する甘い香り、海風が運んでくる潮の匂い、ときには獣臭(けものしゅう)がすることもあります。

家の近くには、海を見下ろせるちょっとした絶景ポイントがあるのですが、ボクらはテクテクとそこへ向かいました。
そして、そのポイントから海を見ると…
まぁーなんということでしょう!
海が、海が、海が、光っているではありませんか!!
そして、空には美人な月さまがこんばんは。

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鎌倉の地に移住して5年。
たまにする月夜のお散歩のたびに「タイミングが合えば月の明かりが海面に反射するときがあるのかな」なんて話していたけれど、ついにそのタイミングが訪れたようでした。

「まるで海が浮かび上がっているように見えるね」
「神さまが鎌倉の海に降りているんだ」
「ねぇねぇ」
「ん?」
「海のそばに行ったら、間近に光っているところが見えるんじゃない」
「そーかも。行ってみるか!」
「行ってみちゃおう!」
「ワッワーン!!(ヤッター!!)」
ということで、ボクらは思いがけない夜のドライブをすることになりました。

■月光に反射する夜の海
ボクが住む山の家(ボクたちは「山小屋」って呼んでいます)から海までは約2.5km。歩いて30分。車なら、混雑具合にもよるけれど10分くらい。夜なら5分くらいかな。車に乗ったら、あっという間に由比ヶ浜の海岸沿いの国道134号に入ることができます。

ボクはドライブが大好きです。いつも車に乗るときは、窓から顔を少しだけ出しすのがボクのドライブのスタイル。風を感じながら、いろいろな匂いをクンクンと味わうんです。景色もドンドン変わって、とても楽しい気持ちになります。だいいち、車だと自分で歩かなくてすむのでとても楽ちんで、気楽なんですよね。

そして、一番の醍醐味は街ゆく人との交流です。交差点の信号待ちなんてしていると、いろいろな人がボクを見てニッコリするんですよ。そんな笑顔を見るとボクはすごく嬉しいんです。
「笑顔=幸せ」。
これはボクの考える個人的な方程式で、ボク的には「みんなを笑顔(幸せ)にしちゃうぞ!」という使命を持って車に乗っているわけです(キリ!)。
でもね、道行く女の子とかに「見て、あの白い犬、カワイイ!」とかって言われたりすると、ボクのほうが笑顔になっちゃいますけどね。

閑話休題。

話を元に戻しまして、月がきれいな夜に海にドライブに行ったら、
ありました、月光に反射する夜の海。
この瞬間の海、やっぱり存在していたんだ!

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さっそく車をパーキングに入れて、ベストポジションを求めて散策。海からひんやりとした風が吹いていて、やっぱり海は気持ちがいい。でも、夜の海ってすごく暗いんです。ちょっと恐いくらい。当たり前なんですが海の上に明かりはないですからね。だからこそ、月の明るいこと、明るいこと。

少し歩いて、海岸の堤防の上に立ってみました。
「おー、なんということだ」
「月の真下に光の道ができてる」
「わん、わん、わわんわーん!(わっ、わっ、きれいだよーん!)」

「きっと神さまが降りてきているんだね」
「鎌倉の神さまだね」
「わん、わん、わわんわーん!(ボクも、ボクも、そう思うよーん!)」

「この光景は神様からの全プレだね」
「全プレって何?」
「全員プレゼントのこと」
「ワワ、ワワン?(何、それ?)」

編集部員が言うには、昔のマンガには「全プレ」というのがあったらしい。
読者が応募すれば、全員にプレゼントが贈られる。
略して「全プレ」。
あっ、プレゼントとはいっても代金として切手を同封して応募するという
なんともゆる~いシステムだとか。

「求めれば必ずもらえる、それが全プレ」
「よく分からないけれど、この海に光る月も全プレなんだね」
「そういうこと」
「今、この瞬間に空を見上げれば、誰でも美しいお月さまが受け取れる」
「ワワワワワーン!(全プレだよーん!)」

■また美人さんな月に出会えたら

帰り際、お月さまに向かって3人で手を合わせてみました(ボクは前足)。
感謝と祈りを込めて。
特別な夜の月を与えてくれたことに、
ボクたちを鎌倉に導いてくれたことに、
毎日楽しく幸せに暮らせていることに。
そして、これからもずっとこの大好きな鎌倉の地で、
平和に、穏やかに、楽しく暮らせるようにと。

それから車に戻って、せっかくなので江ノ島の方までドライブしてから帰りました。車の中で、編集部員たちに夕方の散歩でも神さまが降りてきたことを伝えようとしたんだけど、言葉があまり通じなくてよく理解できなかったみたい。でも、まぁいっか。夜のドライブができたことだしね。

そうそう、後日、海沿いに住む知人に月夜のことを興奮気味に話したら、「あの日ね、きれいだったよね」と、わりとアッサリした反応で。「あれ? なんでそんなにテンション低いの?!」と不思議に思っていたんだけど、話を聞くと、海側の人にとってはわりと普通にあるらしい。
あら、そう。
条件が合えば、月夜を反射する海は見られるんだって。なーんだ、よくあるのか。ボクたちは巡り合わせがこれまでなかっただけなのか! でも、住み始めて5年が経過し、自然のサイクルがやっと身体で感じられるようになった感覚はすごくある。これからは今まで見えなかったものがもっと見えていきそうな、そんな予感。

また美人さんな月に出会えたら、次は月を追いかけながら海まで歩いていこうかな。そして、浜辺でゆっくりお月見しよう。編集部員の一人はお酒が好きだから、きっとビールを飲むだろうな。月を見ながら、ゆっくりと、ゆっくりと。まるで見えそうな鎌倉のゆったりとした時の流れに身を任せて。

さて、次の神さまからのプレゼントがくるまで、肩の力を抜いて、気楽に、ゆっくり待ちますか。

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