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地方設備工事会社のDXな話(その2:ローコード開発)

「ずっとやってると、それが当たり前になっちゃうんですよね」

お仕事あるあるではありますが、当社でも「面倒くさいな」とは思いつつも、大きな変更もなく運用されている業務は多々ございまして・・・。
その中でも典型的なヤツと、当社での解消策をご紹介します。

今までのわたしたち

住宅を建てるときにも電気機器(照明とか工具とか)使うので、建て主さんが電気会社と契約する前に、「仮で」電気を建設現場に引き込みます。住宅の建設現場で、棒とかに少年ジャンプを3冊重ねた程度のサイズのベージュの箱をご覧になったことはございますか?それが仮設電気で、その中のコンセントにつないで工事用の電気を使います。(サイズや色は様々です。だいぶ偏見です。)
当然、電気を使えば請求は来ます。基本工事代金に含まれているものと思いますが、ご請求するにはシステムに登録せねばならんわけで。
当社では、北海道電力さんから届く請求書を見て、カタカナのお客様名で現場を判断し、システムで検索して請求金額を入れるというお仕事が発生していました。多いと一週間に少年ジャンプ半分くらいの厚さになる請求書の束が届いていたそうです。紙を見ながら一つ一つ手打ち・・・・
手が付けやすそうだったので、昨秋ごろから対応を始めました。

請求書のデータ化に前回の記事にも書いた「スマートOCR」、開発環境としてWebアプリ構築も容易な「ファイルメーカー」を選択しました。
(実際の請求書をOCR化している画面。印刷でしかも定型の表形式なので割と楽にデータ化できます。逆に苦労するのは都度記載部分が変わる請求書とか・・・これは別のお話で。)

スマートOCRの画面。項目の位置条件を設定しておけば、勝手に文字数字を拾ってきます。

どうやりましょう?

当社のシステムには経費データをテキストファイルで取り込む口があったので、それを利用します。

今回の請求書は機械でプリントアウトしたものなのでOCR化は比較的容易でしたが、請求書には当社のシステム上でデータを紐づけさせるためのIDは現状記載されていません。

CSV上で修正するのもナンセンス、また請求データを管理する必要もあったので、簡単な社内アプリを開発することにしました。ハナからパーフェクトな仕組みは狙ってないので、ローコードでサクッとつくって、現場とやりとりしながら育てていこうかと。今風に言えば「アジャイル」ですよね。

実際、IT慣れしていない当社のような事業会社の場合、まずは触ってもらって、「怖くない」と思ってもらうことが大事なので、スピード感は重視しています。あと、女性社員が使うシステムはゴツゴツしてると浸透しにくいので、シンプルかつちょっとだけカワイイレイアウトにしたりとか、ちょいちょい工夫しています。あとは聞いてもらいやすくするための言葉の選び方とか、相手の言ってることをちゃんと聞くとか、作ることそのものよりコミュニケーションに神経使って、時間を掛けている気がします。

(↓開発中の画面。色々雑ですが、いいんです。いまは育てることも楽しむステージ。)

社内で「牛のアプリ」と呼ばれる、請求情報管理アプリ

上記の画面上で、業務システムと紐づけられるIDをつけてテキストファイルに出力すれば、あとは業務システム上で取り込みボタン押すだけ。現在、請求書上にIDを記載してもらう方法を相談しているので、それができればRPAで完全自動化ができそうなので、今後の課題です。

今のところの成果

月間だいたい200分掛かっていた業務が、おおよそ半分くらいにはなっているようです。
単純作業ってモチベーション下がりますし、ミスすると面倒。単に時間の削減だけではなくて、社員満足にも少し寄与しているかな?と思います。減った時間分は前向きな仕事に使ってくれればなおよしです。
まだまだ小さな小さなDXの種ですが、今後大きく育つ幹になるかもです。

以上でした!

※この記事はWantedlyに2020年12月頃掲載したものです。現在はより高度なローコード開発を行っていますので、また改めてご紹介します。

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